予想外に躍進したチームたち
シンシナティ大
「グループオブ5」勢の雄として無敗街道をひた走ったシンシナティ大はカレッジフットボールプレーオフ（CFP）レースにも絡んでくるほどの善戦を見せました。結局プレーオフ進出はならず出場したピーチボウルではジョージア大に惜敗。ただ負けはしたものの彼らが「パワー5」勢と対等に渡り合えるところを証明し最終ランキングでも8位につける健闘を見せました。
アイオワ州立大
2019年度7勝6敗ながらポテンシャルのあるところを見せたアイオワ州立大は開幕時23位から発進。初戦でルイジアナ大ラフィエット校にまさかの敗戦を食らいましたがそこから復活してBig 12カンファレンスタイトルゲームへ初出場。オクラホマ大に負けはしましたがフィエスタボウルでオレゴン大に快勝して9勝3敗とし9位でシーズンを終えました。特にRBブリース・ホール（Breece Hall）は全米トップクラスのRBに成長。来年も楽しみなチームです。
ノースウエスタン大
一昨年3勝9敗と散々だったノースウエスタン大はBig Ten西地区のウィスコンシン大やミネソタ大が足踏みしている間に5連勝を飾って一気に8位まで順位を挙げました。西地区を制覇してカンファレンスタイトルゲームではオハイオ州立大と対戦し善戦するも敗戦しましたが、ボウルゲーム（シトラスボウル）ではアーバン大を倒して7勝2敗とし大きく負け越した前シーズンと比べれば大成功のシーズンだったと言えるでしょう。
ブリガムヤング大
独立校のブリガムヤング大は今季多くの対戦相手がカンファレンスオンリースケジュールに移行したため代わりの対戦相手を探すのに一苦労しましたが、その甲斐あってか開幕後破竹の9連勝。12月5日に行われた同じく無敗のコースタルカロライナ大との決戦には惜しくも敗れましたが、結果的に11勝1敗という素晴らしい戦績を残し、2009年以来となる11位という好ランクで幕を閉じました。
インディアナ大
カレッジフットボールにおいてインディアナ大がここまで世間を賑わしたシーズンを筆者は知りません。開幕戦で当時9位だったペンシルバニア州立大をアップセットするとそのまま4連勝。5戦目のオハイオ州立大戦では予想を覆す善戦を見せて相手を追い詰めました。終わってみれば6勝2敗で最終ランキングでは12位に食い込み、1998年以来となるランカーとしてシーズンを終了したのでした。
コースタルカロライナ大
FBSに昇格してたった4年目のコースタルカロライナ大は今年最も注目を浴びたシンデレラチームと言えるでしょう。初戦で「パワー5」のカンザス大を破るとそこから白星を重ね続けて驚異の11連勝。ボウルゲームでは後出のリバティー大に死闘の末敗れますが、ジェイミー・チャドウェル（Jemey Chadwell）監督はAP年間最優秀監督賞を受賞するなど彼らが「グループオブ5」出身として多くの話題をかっさらっていきました。
ルイジアナ大ラフィエット校
上のコースタルカロライナ大と同じサンベルトカンファレンス出身のルイジアナ大ラフィエット校は開幕戦でアイオワ州立大（前出）を倒す大金星を奪うと途中コースタルカロライナ大に敗れるもののその1敗を守って10勝1敗とし2年連続2ケタ勝利を達成。HCビリー・ネイピアー（Billy Napier）監督の株は急上昇中です。ひとつ悔やまれるのはカンファレンスタイトル戦で対戦予定だったコースタルカロライナ大とのリマッチが新型コロナの影響で中止になってしまったことです。
リバティー大
コースタルカロライナ大がFBSにて4シーズン目を迎えたとご紹介しましたが、このリバティー大はさらにそれを上回る3シーズン目というルーキー。しかしそれにも関わらず彼らは今季開幕後8連勝を飾り、その中にはシラキュース大やバージニア工科大といった「パワー5」勢も含まれていました。唯一の敗戦となったノースカロライナ州立大も「パワー5」チームでしたがスコアは14対15と惜敗。この試合をものにしていれば11勝0敗も夢ではありませんでした。それもこれも元ミシシッピ大HCのヒュー・フリーズ（Hugh Freeze）監督の手腕の賜物。カレッジフットボール界で名前すら聞いたことのなかったチームがファイナルランキングで17位にまで躍り出たのは大変なことです。
