マイヤー氏はNFLで成功するか?

マイヤー氏はNFLで成功するか?

今季NFLで1勝15敗という散々な成績でシーズンを終えたジャクソンビルジャガーズダグ・マローン(Doug Marrone)監督を解雇。そしてその後任としてかつてオハイオ州立大フロリダ大で指揮を執ったアーバン・マイヤー(Urban Meyer)氏を起用することを発表しました。

オハイオ州立大で1度、フロリダ大で2度ナショナルタイトルを獲得しているマイヤー氏は2018年度シーズンぶりの現場復帰となりますが、カレッジフットボール界で名を馳せたマイヤー氏もNFLでのコーチングは未経験。果たして新境地で彼は成功することが出来るのでしょうか?

アーバン・マイヤーって誰?


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2000年以来カレッジフットボールで全米制覇を成し遂げた監督の中で複数のタイトルを獲った人物は4人しかいません。

  • ニック・セイバン(アラバマ大&LSU):7度
  • アーバン・マイヤー(オハイオ州立大&フロリダ大):3度
  • ダボ・スウィニー(クレムソン大):2度
  • ピート・キャロル(USC):2度

先日自身7度目のタイトルを獲得したセイバン監督がいる限りマイヤー監督の3度という記録はショボく見えてしまいますが、ナショナルタイトルを複数獲る事自体が難しいのであり、その中で3度頂点を極めたことのあるマイヤー監督はセイバン監督と並び近代カレッジフットボールにおいて名将に位置づけられています。

オハイオ州出身のマイヤー監督は現役時代シンシナティ大でプレー。大学での選手生活を終えるとオハイオ州立大に学生コーチとして1987年から2年間チームに帯同。当時オハイオ州立大はカレッジフットボールの殿堂(Hall of Fame)入りも果たしているアール・ブルース(Earle Bruce)監督が指揮。ブルース氏が後にコロラド州立大で監督を務めた際にはマイヤー氏はWRコーチとして招集されるなど同氏とっては恩師となる人物です。

さらにその後マイヤー氏は名門ノートルダム大でWRコーチを務めます。彼の初年度の監督は名将ルー・ホルツ(Lou Holtz)氏。コーチング初期にブルース監督やホルツ監督に師事したことは後のマイヤー氏の成功に大きく影響を与えたことでしょう。

そしてマイヤー氏が37歳の時に自身初となる監督のポジションをボーリンググリーン州立大で射止めます。2000年に2勝9敗だったチームを就任1年目にいきなり8勝3敗に導きNCAAの歴史の中でも稀に見るメイクオーバーを達成。2年目の2002年も9勝3敗と初年度のレコードがまぐれではなかったことを世に示しマイヤー監督の株は一気にうなぎのぼりとなります。

ボーリンググリーン州立大では機動系のQBジョン・ハリス(John Harris)を擁し彼のいいところを全面に押し出すオフェンスで次々と白星を重ねました。この系統のQBを使用する彼のスタイルは今後ユタ大・フロリダ大でも継続されます。

ボーリンググリーンでの2年間での成功により2003年にマイヤー監督はユタ大(当時マウンテンウエストカンファレンス所属、現Pac-12)の新監督に就任。ここでも1年目に10勝2敗でカンファレンスタイトルを手に入れると2004年には12勝0敗のパーフェクトシーズンを収めてBCS(ボウルチャンピオンシップシリーズ)ボウルであるフィエスタボウルに出場。マイヤー監督の名声は全米随一のものになります。

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ユタ大時代のマイヤー氏

この時のユタ大には2005年のNFLドラフトで総合ドライチ選手としてサンフランシスコ49ersに指名されたアレックス・スミス(Alex Smith)が在籍。彼の機動力を限界まで引き出すオフェンス、「スプレッドオプション」を駆使して当時のカレッジフットボール界のオフェンスのフロンティアとして名を上げたのです。

ボーリンググリーン州立大で初監督を経験してからたったの5年目という高速出世でマイヤー監督は2005年にいよいよSEC(サウスイースタンカンファレンス)の大御所・フロリダ大の監督に就任します。フロリダ大は1990年代にスティーヴ・スパリアー(Steve Spurrier)監督下で猛威をふるいましたが彼が退いてから停滞。ファンたちにとってマイヤー監督は救世主的な存在だったのです。

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フロリダ大時代のマイヤー氏とティーボ氏

そしてフロリダ大に就任してからたったの2年でチームは13勝1敗でBCSナショナルチャンピオンに輝き、1997年度シーズン以来の栄冠をチームにもたらしました。さらにその2年後の2008年にはQBティム・ティーボ(Tim Tebow)、WRパーシー・ハーヴィン(Percy Harvin)、Cマーキース・パウンシー(Maurkice Pouncey)、DLカルロス・ダンラップ(Carlos Dunlap)、LBブランドン・スパイクス(Brandon Spikes)、CBジョー・ヘイデン(Joe Haden)といった数々のタレントプレーヤーを擁して再び全米タイトルを手に入れました。

就任後最初の4年間で2度も全米制覇を成し遂げたマイヤー氏はフロリダ大だけでなくカレッジフットボール界全体でも確固たる地位を築いたのです。

指導者としては旬な時期を迎えていたマイヤー氏でしたが、コーチングとは別の側面から指導者としての危機を迎えます。というのも過度のストレスからくる頭痛、胃痛、胸痛のため2009年12月に無期限の休職に入ることを宣言。翌春の3月には春季トレーニングに間に合うようにチームに復帰しますが、その年のシーズン終了とともに健康上の理由から46歳の若さで現場から引退することを表明。カレッジフットボール界はショックに包まれました。

とはいえ当時からまた現場復帰するだろうというのが大方の予想でしたが、引退からたったの1年でそれは現実のものとなります。フロリダ大を退かなければならないほどの健康状態だったのにも関わらずこんなに早く復帰したのは、監督就任を打診したのが彼のコーチングのルーツでもあったオハイオ州立大だったからです。

就任初年度の2012年にはいきなり12勝0敗という無敗シーズンを達成。ただこのシーズンはNCAAの制裁により(前任のジム・トラッセル体制下で複数の選手が不当に金銭を授与していたスキャンダルのため)タイトルゲームにもボウルゲームにも出場が禁止されていました。

2013年度に12勝2敗とこれまた好記録を叩き出したマイヤー氏率いるオハイオ州立大は2014年に導入されたCFP(カレッジフットボールプレーオフ)の初代チャンピオンに輝きます。これでマイヤー氏は自身通算3度目のタイトルを獲得しアラバマ大のセイバン監督と共に現代のカレッジフットボールにおいて偉大なる監督の一人と認識されるようになったのです。

マイヤー氏は2018年までオハイオ州立大の監督を務めこの間すべてのシーズンで二桁勝利を収め、地区優勝(タイも含め)7回、カンファレンス優勝3回、全米優勝1回と輝かしい記録を残しました。が、再び彼の前に立ちはだかったのは持病の偏頭痛。2018年度シーズンにはインディアナ大戦であまりの苦痛のため試合中にサイドラインでうずくまるシーンまで見られるようになってしまいました。

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そしてこのシーズン後再びコーチングから引退することを表明。その最後の試合となったローズボウルではワシントン大を下して見事引退の花道を飾ったのでした。

参考記事ローズボウルレビュー

現場を退いてからはケーブルTV大手のFOXにてカレッジフットボールの解説者を務め、ESPNの名物プリゲームショーである「カレッジゲームデー」に対抗するべく始まった「ビッグヌーンキックオフ」にレジー・ブッシュ(Reggie Bush)氏とマット・ライナート(Matt Leinart)氏の元サザンカリフォルニア大コンビ、並びに元ノートルダム大のブレディ・クウィン(Brady Quinn)氏とタッグを組んで独自の番組を作り上げていきます。

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FOXスポーツで解説者として活躍

解説者としてのマイヤー氏は非常に定評があり、テクニカルかつ聞きやすい彼の説明は多くのファンを魅了。またたく間に「ビッグヌーンキックオフ」の知名度は上がっていきます。またカレッジコーチというストレスから開放されたマイヤー氏はこの役割を非常に楽しんでいるようで、流石にもう現場復帰はないのかな・・・と思わせてくれました。

昨年もテキサス大の次期候補に名前が上がったり、サザンカリフォルニア大で空きが出ればマイヤー氏に触手が伸びるという噂で持ちきりでしたが、結果的に彼の身辺では何も起きませんでした。2021年に入るまでは。


ジャクソンビルジャガーズの新監督に就任


そんな折1勝15敗というとんでもないレコードで今シーズンを終えたジャクソンビルジャガーズは解雇したダグ・マローン監督の後釜を探していましたが、彼らはNFL経験ゼロのマイヤー氏に白羽の矢を立てたわけです。

オハイオ州立大という名門チームを退いてまで自身の健康を優先し現場を離れていたマイヤー氏。そしてプロでの経験がない上に現場から2年も離れているマイヤー監督を起用したジャガーズ。この双方が合意に至ったのには少々驚かされました。

ジャガーズのオーナーであるシャド・カーン(Shad Khan)氏は母校であるイリノイ大の熱心なサポーターでそのイリノイ大も所属するBig Tenカンファレンスの雄・オハイオ州立大を率いていたマイヤー氏には長年敬意を抱いていたのだとか。そのカーン氏がマイヤー氏と初めてあったのが昨年のスーパーボウルでのこと。

その際カーン氏はマイヤー監督のフットボールに対する情熱やフットボールIQを見せつけられそれに感服し、以来マイヤー監督が現場に復帰してくる可能性あるのかどうか気にかけていたそうです。

ただプロの経験がないマイヤー氏ですが話によるとこの1年彼はNFLのことについて研究を続けいたということです。

たとえばどうやってロースターを管理するかだとか、自分のコーチングスタイルがプロで通用するのかだとか、どの様なチームが成功しどの様なチームが苦戦しているのかだとかをいろいろと考えていたそうです。

しかも実際自分が指導しプロで活躍している選手らに直接連絡を取り、自分の大学時代のコーチスタイルを知る彼らにそれがプロで通用するのかどうかを直接聞いたこともあったそうです。

昨年ジャガーズは6勝10敗でしたがにもかかわらずマローン監督を解雇しなかったのはマイヤー氏が近い将来市場に現れてくることを考えた上での決断だったのかもしれません。


なぜNFL?なぜジャガーズ?

ストレス


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マイヤー氏が現場復帰するという話は今年に入るまで公に出てきませんでした。それ以外では噂が独り歩きして先にも紹介したとおりテキサス大の新監督だとかサザンカリフォルニア大に空きができればマイヤー氏は引退状態から現場復帰するだろうなんて話が浮いては沈んでいきました。そんな中で初めて現実的な話としてジャガーズ復帰が湧き出たのです。

またジャガーズ側にしても監督探しにおいてインタビューを行った人物はわかっている限りでマイヤー監督ただ一人。つまり水面下で以前から双方が何かしらの話が行われていたと考えるのが普通です。

ではなぜNFL、そしてジャクソンビルジャガーズでなら現場復帰をしようとマイアー氏は決断したのでしょうか?

マイヤー氏の引退の理由は先にも述べたとおり自身の健康上の理由によるものです。マイヤー氏のコーチングスタイルは常に「オールイン」スタイルで何事にも手を抜くことがないストイックなもの。大学時代からそれはよく知られており練習時から熱血指導で知られていました。

またカレッジフットボールでコーチングするのはNFLでのそれとは大きく異る側面があります。一番大きいのはリクルーティングの有無。

リクルーティングとは有能高校生をチームに勧誘する活動のことを指しますが、リクルーティングでの成功がフィールド上の成功に比例することからここで結果を残すことは長期的にチームを強くする上で超重要事項なのです。

そしてリクルーティング活動は精神的にも肉体的にもコーチたちを疲労させます。そこには厳しいルールが設けられており、そのルールをかいくぐりながら他の強豪チームにお目当ての選手を奪われないように勧誘を続けなければなりません。またそのためには全国各地に飛び回って選手をスカウトしたりするのですが、これを自身のチームがシーズンで忙しい間に行わなければならない場合もあります。

ヘッドコーチがここまで手を下すことはありませんが、責任者としてシーズン中のストレスレベルは想像を絶します。

しかもリクルートだけでなく現役選手の管理も当然行わなければならず、授業で成績が悪くなって試合に出れなくなる選手が出たり、フィールド外で問題を起こして事件沙汰になる選手が出たり、カレッジコーチの気が休まるときはありません。

マイヤー氏は元々持っていた持病に上乗せする形で上記のようなストレスが重なり健康状態が悪化したのです。手を抜かない性格とオハイオ州立大という超名門チームを預かるというプレッシャーがそれを引き起こしたのでしょう。

しかしNFLではリクルーティングの心配をする必要はありませんし、選手は学生でないので学業の面で選手のエリジビリティ(プレー資格)を失うことにビクビクする必要もありません。当然NFL選手の中でも問題を起こす選手は居ますがカレッジでのストレスにすればおそらく相当低いものになると予想されます。勝ち負けのストレスはまた別として(後述)。

トレヴァー・ローレンス


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そしてもう一つの要因はジャガーズが今年のNFLドラフトで総合1位指名権を擁しているということです。

シーズン開始からこの指名権にまっしぐらだったのはニューヨークジェッツでしたが、0勝13敗で迎えたロサンゼルスラムズ戦でなんと今季初勝利。その次のクリーブランドブラウンズ戦でも勝利して総合ドライチ指名権をジャガーズに譲ったのです。

そしてこの権利を得たジャガーズが狙うはクレムソン大のスターQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)。1年生時からプロの素質があると言われてきたローレンスは2020年度シーズン後にドラフトへ早期入りすることを公言。オフェンスで苦戦するジャガーズが何十年に一人の逸材と言われるローレンスを獲得し、彼を中心にチームをリビルドすることは間違いないでしょう。

そしてまだ何色にも染まっていないローレンスを白紙の状態から育て上げることが出来ることはマイヤー氏にとってはこれは願ってもないチャンスです。

NFLは言ってみればエゴの塊のような世界。ことスター選手ともなればそれは顕著であり場合によっては指導の妨げになることも考えられます。しかもいくらカレッジで名を馳せた監督だからと言ってプロの世界ではルーキーであるマイヤー氏ですから、扱い方を間違えればベテラン選手らが反発することだってあり得るでしょう。

ですからチームの顔となるQBがカレッジを卒業したばかりの選手ともなれば手懐けやすいと考えたのかもしれません。フットボールはますますオフェンスのスポーツになってきています。そうなればそのオフェンスの要であるQB選手といい関係を築くのはチーム再建にとって重要なことですし、ふたりともゼロから始めたほうがいい結果を生むことも有るのかもしれません。


マイヤー氏はNFLで成功するのか?

カレッジフットボール界では成功を収めたマイヤー氏。しかしそれがプロの世界でも成功するのでしょうか?

マイヤー氏がコーチとして秀でていた能力として挙げられるのが選手を見極める能力です。例えばフロリダ大で最初にナショナルタイトルを取った時のQBクリス・リーク(Chris Leak)のオフェンスは彼の良さを生かしてよりパスに寄ったスプレッドオプションオフェンスを起用しましたし、その後釜となったティーボには彼のラン能力を生かしたよりラン寄りのスプレッドオフェンスを組み立てました。

同じことがオハイオ州立大でも言え、2014年にタイトルを取った際はバックアップだったカーデル・ジョーンズ(Cardale Jones)を起用して見事ナショナルタイトルを獲りましたし、J.T.バレット(J.T. Barrett)やマイヤー氏が最後に指導したドゥウェイン・ハスキンズ(Dwayne Haskins)らもその能力を生かしたスプレッドオプションを用いて成功を収めました。

この能力は当然プロの世界でも活かされることでしょう。しかしその他の面ではどうなるのかは未知な部分が大きいですよね。

やはり言えるのはカレッジでの手法をそのままプロに持ち込むのはどうなのかという危惧はあります。当然選手個々のレベルの高さは比ではないわけですから。ただマイヤー氏が「ただグッドなコーチではなく、グレートなコーチたちを組閣することが最も重要だ」と述べているように、NFLの世界を熟知したアシスタントコーチを周りに据えることで適応していこうという試みがすでに見られます。

2016年度、オハイオ州立大はCFPに進出し準決勝戦となるフィエスタボウルでクレムソン大と対戦。このクレムソン大を率いていたQBはデショーン・ワトソン(Desahun Watson、現ヒューストンテキサンズ)だったのですが、彼らのオフェンスに31点獲られただけでなくなんとオハイオ州立大は攻撃陣が何も出来ずに完封負けするという屈辱を味わいました。

明らかにオフェンス面で劣っていたオハイオ州立大。ここでマイヤー氏は現監督となるライアン・デイ(Ryan Day)氏を単独のオフェンシブコーディネーターに昇格させて彼にオフェンスを一任。2018年度にはCFPに進めませんでしたが、このシーズン後に引退を決意していたマイヤー氏はデイ氏を自分の跡継ぎとすることを決定。その結果デイ体制で2年連続CFP出場を達成したのです。

それもこれも2016年度シーズンのフィナーレにクレムソン大にやられたことでチームに変化が必要であることを瞬時に判断しデイ氏を起用するというテコ入れをマイヤー氏が行ったからです。そういった順応性が同氏にはありその点がNFLで戦っていく上で重要になってくる要素ではないでしょうか。

だからこそ彼のアシスタントコーチが誰になるのかは非常に重要になってきます。気の知れたコーチらをカレッジ界から引き抜くのか、はたまたNFLに精通するベテランコーチを招集するのか・・・。気になるところです。

過去のカレッジ出身コーチ

ところでNFLには元々カレッジフットボール界で腕を鳴らした監督がプロの世界に飛び込んでくるというケースが時々あります。マイヤー氏がその最新の人物ということになりますが、以下にここ最近のカレッジ出身のNFL監督をご紹介します。

マット・ルール(Matt Rhule)
ベイラー大→カロライナパンサーズ(5勝11敗)
クリフ・キングスバリー(Kliff Kingsbury)
テキサス工科大→アリゾナカーディナルズ(13勝18敗1分け)
チップ・ケリー(Chip Kelly)
オレゴン大→フィラデルフィアイーグルス&サンフランシスコ49ers(26勝21敗)
グレッグ・シアーノ(Greg Schiano)
ラトガース大→タンパベイバッカニアーズ(11勝21敗)
ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)
スタンフォード大→サンフランシスコ49ers(44勝19敗1分け)
ボビー・ペトリノ(Bobby Petrino)
ルイビル大→アトランタファルコンズ(3勝10敗)
ニック・セイバン(Nick Saban)
ルイジアナ州立大→マイアミドルフィンズ(15勝17敗)
スティーヴ・スパリアー(Steve Spurrier)
フロリダ大→ワシントンレッドスキンズ(12勝20敗)
ブッチ・デーヴィス(Butch Davis)
マイアミ大→クリーブランドブラウンズ(24勝35敗)

もう少しさかのぼればかつてオクラホマ州立大マイアミ大で活躍した後ダラスカウボーイズマイアミドルフィンズで指揮を執り2度のスーパーボウルを獲得したジミー・ジョンソン(Jimmy Johnson)氏や、元オクラホマ大監督でダラスで1度スーパーボウルを獲得したことのあるバリー・スウィッツアー(Barry Switzer)氏らがいますが、このリストを見ても分かる通り概ねカレッジ出身の監督はNFLで苦戦しています。

あのアラバマ大のセイバン監督ですらたった2年しか持たなかったのです。2000年以降で唯一成功しているのは現ミシガン大監督のハーボー監督。それ以外はほぼ負け越しレコードばかりです。

果たしてこの現状にマイヤー氏が風穴を開けられるのかに注目が集まります。


心配

カレッジフットボール界の大御所がNFLでどれだけ結果を残せるのかは誰もが興味を持つところであり、加入すると見られるQBローレンスの存在と相まって来季のジャクソンビルジャガーズはこれまで無いほどの注目を集めることでしょう。

しかし大きな心配事としてやはりマイアー氏の健康状態が挙げられます。

フロリダ大でもオハイオ州立大でも持病に悩まされ、どちらのチームでもまだやれた中で引退を余儀なくされた訳です。2年間の休養があったとは言え現場に戻ることでまた状況が悪化するなんてことも考えられなくはないです。

当然ドクターのお墨付きを頂いていることでしょうし、何よりも家族の合意があったことも大きいのだと思います。引退を決意した背景には奥様の強い希望があったということですから、その奥様が現場復帰にゴーサインを出したことからもジャガーズでの仕事がカレッジのものよりもストレスが少ない環境だと思ったからに違いありません。

マイヤー氏本人も練習中などは大学時代のような超熱血の「オールイン」スタイルは控えると言っています。細かなところはポジションコーチやコーディネーターに任せてチームの管理役に徹するということでしょうか。だからこそ彼も言うように彼を支えるコーチ陣の組閣が最重要課題となるわけです。

ただマイヤー氏にとって一番のストレスとなりかねないのは「生みの苦しみ」かもしれません。

というのもマイヤー氏がカレッジ時代に積み上げた戦績は17年間で187勝32敗(勝率85.4%)。一方ジャガーズは過去3年間で12勝36敗とこの期間だけでマイヤー氏が生涯で経験した敗戦数を超えているのです。

常に勝者で有り続けてきたマイヤー氏にとって黒星が先行することは経験したことがありません。そして自分のチームが出来上がるまでは何年か苦戦を強いられるかもしれません。その状態に耐えられるのかどうか、そして運営サイドやファンたちがマイヤー氏のシステムが出来上がるまで忍耐強く待つことが出来るのかも気になるところ。

しかし一方でマイヤー監督は行く先々でチームを立て直し続けてきました。そしてその成功のスピートはあっという間。ひょっとしたらジャガーズも来年いきなりプレーオフ進出ということもあり得るのかもしれません。

===

当サイトはカレッジフットボールを中心にお届けしているサイトですし、筆者自身もNFLよりもカレッジの方への思い入れが強いのですが、カレッジフットボール界で栄華を誇ったマイヤー氏がプロでも通用するのかどうかは非常に興味がありますから、来季のジャクソンビルジャガーズの動向にはぜひ注目したいと思います。

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