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第16週目の見どころ【2020年度シーズン】

第16週目の見どころ【2020年度シーズン】

いよいよ2020年度シーズンのレギュラーシーズンも最後の週を迎えることになりました。この週末には金曜日と土曜日に各FBS(フットボールボウルサブディビジョン)カンファレンスの優勝決定戦が各地で開催され、その結果如何でCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に出場する4チームが決定されることにもなります。故に今週末の試合は見どころがこれまでで最高レベルなのです。

そんなエキサイティングな第16週目の主な試合をご紹介します。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ACC優勝決定戦

ノートルダム大(2位)vs クレムソン大(3位)

レギュラーシーズン第10週に一度実現しているカードのリマッチ。この時はノートルダム大オーバータイムの末当時1位のクレムソン大を倒す大金星を演じてみせました。

この時のクレムソン大はスターQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)やLBジェームス・スカルスキ(James Sklaski)ら複数の主力選手を欠くという手負いの布陣でした。しかし今回はフルパワーのクレムソン大でリベンジを狙います。その上ACCの計らいで両チームとも先週試合がありませんでしたから、お互いを分析するには十分な時間を使えただけでなく選手たちが十分な休息を取れたこともあり、今週の試合は共に万全の体制で臨むことができるはずです。

現在2位のノートルダム大はここまで10勝無敗といまだ無傷。ベテランQBイアン・ブック(Ian Book)は今シーズン試合をこなすごとに成長を続け、クレムソン大との試合では神がかったプレーでアップセットを演じる原動力となりました。またRBカイレン・ウィリアムス(Kyren Williams)はすでに1000ヤード超えに12TDと頼れるバック。先のクレムソン大では140ヤードに3TDと大活躍しましたから彼の活躍が期待されます。

しかしノートルダム大の真の強さはディフェンス陣にあります。先週マイアミ大戦で500ヤード以上を足で稼いだマイケル・カーター(Michael Carter)やジャヴォンテ・ウィリアムス(Javonte Williams)らを擁するノースカロライナ大をたったの87ヤードに抑えた守備陣は本物。クレムソン大との対戦時でもRBトラヴィス・エティエン(Travis Etienne)に28ヤードしか許しませんでした。当然クレムソン大もこのディフェンスに合わせて作戦を練ってくることでしょうが、ノートルダム大ディフェンスがクレムソン大のランアタックを抑え込みパスオフェンス一辺倒にしてしまえばいかにローレンスといえどもディフェンスは守りやすくなるでしょう。

しかしそのエティエンは出場した過去2年間のACCタイトルゲームで合計270ヤードを計上しており大舞台での強さを持っている選手。また彼はレシーバーとしても卓越したスキルを持っており、少々人手不足気味なWR陣の大きな手助けとなるでしょう。

ノートルダム大が勝てば2年ぶりのCFP出場、クレムソン大が勝てば6年連続CFP出場となりますが、試合内容いかんでは両チームともプレーオフに駒を進める可能性も残しており、どちらのチームがプレーオフ出場を果たすのかということだけでなく、5位以下のチームにとっても気になるゲームとなります。


SEC優勝決定戦

アラバマ大(1位)vs フロリダ大(7位)

全米1位のアラバマ大(10勝0敗)は無敗のままCFPに2年ぶり乗り込むまであと1勝と迫りました。その相手は東地区代表のフロリダ大(8勝2敗)。両校が決勝戦でぶつかるのは2016年度シーズン以来のこととなります。

アラバマ大は全米でも随一のスコアリングパワーをもつ強力なオフェンスが持ち味。QBマック・ジョーンズ(Mac Jones)、WRデヴォンテ・スミス(DeVonta Smith)、RBナジー・ハリス(Najee Harris)と各スキルポジション選手が皆NFLドラフト1順候補という凄さ。現在全米で最も冴えていると言われているオフェンシブコーディネーター、スティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)氏のスキームをバックボーンにする彼らを止められたディフェンスは未だに現れていません。昨年までのQBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa、現マイアミドルフィンズ)が抜けたことでオフェンス力は下がると誰もが思いましたが、むしろ今年の方が破壊力抜群です。しかもスミスと対をなすスターWRジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle)を怪我で欠いているにも関わらずです。

そしてディフェンスは3戦目のミシシッピ大で48失点を犯したときから徐々にギアを上げ、特に最近5試合での総失点数はたったの36点(1試合平均約7失点)という鉄壁さを誇っています。オフェンスばかりが取りだたされるここ最近のカレッジフットボール界においてアラバマ大ほどのディフェンス力を持っていることは大きな武器です。点の取り合いとなった時失点することが前提にあったとしても局面で大きなプレーを見せることができるディフェンスを持っているのと持っていないのでは試合の勝敗に響いてくるからです。

そのディフェンス陣が対峙するフロリダ大にはハイズマントロフィー候補QBカイル・トラスク(Kyle Trask)が健在。おそらくアラバマ大が対戦してきた中でも最高のQBとなるトラスクはここまで3717パスヤードに40TD(5INT)と数字の上ではどのQBよりも秀でています。トラスクにポケット内で自由にさせるといかにアラバマ大でもダメージを食らってしまうでしょうから、フロリダ大OL陣がいかに相手フロントセブンの猛攻を防げるかに注目が集まります。

フロリダ大は先週負けてはいけない相手であるルイジアナ州立大に敗戦。このせいでCFP出場への道が遠ざかってしまいましたが、アラバマ大に勝つことができれば状況次第で彼らのプレーオフ進出への道もまだ閉ざされてはいません。そのルイジアナ州立大戦を怪我で欠場したTEカイル・ピッツ(Kyle Pitts)もアラバマ大戦では出場することが予想されており、この「カイル−カイル」ホットライも見ものです。

ただどちらにしてもオッズ的にフロリダ大はかなり厳しいとされています。果たして世紀のアップセットは起こり得るか・・・。

Big Tenカンファレンス優勝決定戦

ノースウエスタン大(14位)vs オハイオ州立大

全行程8試合中3試合が新型コロナの影響でキャンセルになってしまい5試合しか開催できなかったオハイオ州立大は無敗で東地区1位ながらタイトルゲームに出場できないかもしれないという危機に瀕していました。しかしBig Ten所属チームの計らいで晴れてこの舞台に上がることが許され、晴れてこのタイトルゲームで西地区代表のノースウエスタン大と対戦します。

両チームは2018年度のタイトルゲームで顔合わせしておりこの時は45対24でオハイオ州立大が快勝。さらに2019年にはレギュラーシーズン中に対戦し、やはりオハイオ州立大が52対3と相手につけ入る好きを与えませんでした。

ハイズマントロフィー候補でもあるオハイオ州立大QBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)は今季ここまで5試合しかプレーしていませんが、78%のパス成功率に15TD(3INT)を含む1407パスヤードにと高いレベルを維持したパフォーマンスを続けています。その彼を軸にしたオフェンス陣はスコアリングオフェンスで全米4位(1試合平均46.6得点)という抜群の破壊力を秘めています。

そのオフェンスと対峙するノースウエスタン大ディフェンスはスコアリングディフェンスで全米2位(1試合平均14失点)と数字だけ見ればトップレベルのユニット。投げてよし走って良しのフィールズを止めることはそう簡単ではありませんが、インディアナ大がフィールズに苦戦を強いたようにノースウエスタン大にもポテンシャルはあると思います。しかも噂によればオハイオ州立大部内で現在コロナウイルス感染者が出たせいでトップWRらが出場できないという、彼らにとっては痛い損失。もし本当ならばノースウエスタン大ディフェンスの肩の荷は多少軽くなるというものです。

どちらにしてもオハイオ州立大のオフェンスがある程度の得点力をこの試合でも見せることになるでしょうから、ノースウエスタン大が食らいついていくには相手ディフェンスから得点を奪い続けることができるオフェンス力が不可欠。QBペイトン・ラムジー(Peyton Ramsey)は決して超カレッジ級パサーではありませんが、オフェンスを牽引する司令塔としてはまずまずの選手。もし彼らがオハイオ州立大にしがみついて行くことができれば、あるいは・・・。

Big 12カンファレンス優勝決定戦

オクラホマ大(10位)vs アイオワ州立大(6位)

今年のBig 12タイトルはオクラホマ大アイオワ州立大の間で争われます。どちらもシーズン序盤に2敗を喫してしまいその時点で今シーズンは終わったと言われていましたが、それから持ち直して両チームともこの舞台まで駒を進めるに至りました。オクラホマ大は6連覇を、アイオワ州立大は初優勝を目指して激突です。

オクラホマ大は前述の通り2敗を喫した時点でトップ25ランキングから脱落するという事態に陥りましたが、オフェンスの天才であるリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督の下で見事に立ち直り現時点だけでみれば全米トップ10の力を持っていると言っても過言ではありません。最近6試合だけ見れば相手チームとの平均マージンは約25点と圧倒的な差をつけて白星を重ねてきました。

注目はQB育成において右に出る者はいないライリー監督の4人目の刺客、スペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)。小柄ながら機動力・投力ともポテンシャルの高いラトラーは荒削りなカイラー・マレー(Kyler Murray、元オクラホマ大、現アリゾナカーディナルス)やパトリック・マホームズ(Patrick Mahomes、元テキサス工科大、現カンザスシティチーフス)を彷彿とさせ将来性抜群です。

一方のアイオワ州立大は開幕戦でサンベルトカンファレンスルイジアナ大ラフィエット校にまさかの敗戦を喰らい、オクラホマ州立大にも敗れてましたがそこから破竹の5連勝。その間今回対戦するオクラホマ大にも勝利しており現在CFPランキングで6位。彼らが過大評価されているという批判もありますがチームのバランスはピカイチ。それもこれもマット・キャンベル(Matt Campbell)監督の手腕の賜物でしょう。

オフェンスには頼れるQBブロック・パーディ(Brock Purdy)、年間最優秀RBに贈られる「ドーク・ウォーカー賞」レースでも名を連ねるブリース・ホール(Breece Hall)を擁しトータルオフェンスで全米28位と安定した攻撃力を誇っていますが、彼らの真の強みはディフェンス。最近3試合の対戦相手に許した失点数は平均6点以下というところを見ても彼らの鉄壁さが伺えます。先の対戦ではオクラホマ大はアイオワ州立大から30点をもぎ取っていますから、オクラホマ大オフェンスとアイオワ州立大ディフェンスの対決に注目したいところです。

アイオワ州立大は2敗ながら最新のCFPランキングで6位となったことでこの試合に勝てば上位の動向いかんではプレーオフに進出する可能性が出てきます。10位のオクラホマ大がトップ4まで飛び級するのは難しいですが、何が起こるかわからないのがカレッジフットボール。果たして勝利の女神はどちらに微笑むか・・・。

Pac-12カンファレンス優勝決定戦

オレゴン大 vs サザンカリフォルニア大(13位)

北地区代表だったワシントン大は新型コロナの感染者およびコンタクトトレーシングの影響を受けこの大舞台への出場をやむなく辞退。その代わりに地区2位のオレゴン大(3勝2敗)が繰り上がりでタイトルゲームに駒を進め南地区代表のサザンカリフォルニア大(5勝0敗)と対決します。

現在CFPランキング13位のサザンカリフォルニア大は開幕後2試合は接戦の末の辛勝ばかりで真の実力がどの程度なのか測りかねていましたが、最近3試合の試合内容はようやく彼らがトップチームの仲間入りを果たしてもいいかなと思えるぐらいまで上昇していました。その原動力はオフェンス。今年2年目となるオフェンシブコーディネーターのグラハム・ハレル(Graham Harrell)氏の進化系「エアーレイド」オフェンスがハマりだし、それを体現するQBキードン・スロヴィス(Kedon Slovis)とその周りのキャストである秀逸なWR陣を擁しハイスコアオフェンスを演出します。

その強力なオフェンスと対峙することになるオレゴン大ディフェンスは昨年の圧倒的強さを誇ったユニットから多くの選手が去ってしまいパワーダウンは否めず、開幕前の期待度の割に2敗を喫してランキングから転がり落ちてしまいました。パンデミックの影響もありリビルドモードに入っているオレゴン大にとってサザンカリフォルニア大は少々荷が重いかもしれません。

AAC優勝決定戦

タルサ大(23位)vs シンシナティ大(9位)

レギュラーシーズン中に対戦予定があったものの新型コロナの影響で4度も開催日変更になっていたこのマッチアップがAAC(アメリカンアスレティックカンファレンス)のタイトルゲームという大舞台でようやく実現することになりました。2年連続の決勝戦出場となるシンシナティ大(8勝0敗)に対して今回が初出場となるタルサ大(6勝1敗)の対決。特にCFP進出への僅かな希望を持っているシンシナティ大にとっては超重要な試合となります。

現在CFP9位のシンシナティ大は開幕以来8連勝を飾ってAPランキングでは最高6位まで駆け上がりましたが、新型コロナの影響で11月21日のセントラルフロリダ大戦以来実戦から遠ざかっています。最新のCFPランキングでは選考委員会からそのことを指摘されてランキングを下げられてしまいました。専門家らの分析ではシンシナティ大は実力的にトップ5に入ってもおかしくないくらいのチームだと言われていますから、CFPの9位という評価には多くの人が首を傾げてしまいました。

タルサ大は当時11位だったオクラホマ州立大と激戦を繰り広げ惜しくも敗退(16対7)しましたが、それ以来破竹の6連勝。シンシナティ大は決してタルサ大を甘く見ることはできません。

シンシナティ大は機動型QBデスモンド・リダー(Desmond Ridder)を中心としたRPOオフェンスを基にトータルオフェンスで全米20位、スコアリングオフェンスで全米13位(1試合平均約40得点)と誰からも点を取れるオフェンスを持っています。相手とのスコアマージンでは全米5位(+24.6点)でこの数字だけ見ればオハイオ州立大やノートルダム大を上回っています。

しかしもっとすごいのは彼らのディフェンス。トータルディフェンスでは全米9位(1試合平均被ヤード:308ヤード)でこれはクレムソン大を僅かに下回る数字ですし、スコアリングディフェンスは全米5位。もちろん彼らが対戦してきた面々と「パワー5」チームのそれと比べれば見劣りするかもしれませんが、「グループオブ5」の雄としてシンシナティ大と対戦したいと思う「パワー5」チームはそう多くいるとは思えません。

シンシナティ大がCFPトップ4位以内に入るには数々のミラクルが起きる必要があります。8勝0敗の彼らの上に2敗のチームが3チームも存在すること自体おかしなことだと思うのですが、僅かな希望を叶えるためにも彼らにしてみればこのタルサ大を圧倒的強さで倒す必要があります。

ただタルサ大も黙ってやられるだけのチームではありません。昨年まで3季連続負け越したチームをここまで再建したフィリップ・モントゴメリー(Philip Montgomery)監督の指導の下、失うものはなにもないタルサ大はシンシナティ大の大きな夢をぶち壊そうと舌なめずりしているはず。「グループオブ5」のマッチアップといえどもこの試合は面白いことになりそうです。

その他の試合

アラバマ大バーミンガム校 vs マーシャル大(金曜日)

カンファレンスUSAの優勝決定戦。

ボール州立大 vs バッファロー

ミッドアメリカンカンファレンスの優勝決定戦。バッファローのRBジャレット・パターソン(Jaret Patterson)は先のケント州立大で8TDを奪うという偉業を成し遂げましたが、さらに彼は開幕後たったの5試合で1000ヤード超えを達成。これはFBSの歴史の中でも12人目の快挙です。過去この記録を達成した選手の中にはマーカス・アレン(Marcus Allen、元サザンカリフォルニア大)氏、バリー・サンダース(Barry Sanders、元オクラホマ州立大)氏、リッキー・ウィリアムス(Ricky Williams、元テキサス大)氏といったそうそうな顔ぶれが揃っており、パターソンはその仲間入りを果たしました。

故にこのボール州立大との試合でも彼がドレだけの距離を稼ぐのかが見ものです。

ボイジー州立大 vs サンノゼ州立大(24位)

マウンテンウエストカンファレンスの優勝決定戦。6勝0敗のサンノゼ州立大は最新CFPランキングでも24位にランクされるなど過去に例のない快進撃を続けています。もし彼らがこのまま無敗でシーズンを終えるとなると1939年以来の快挙となりその歴史的シーズンの結末に注目が集まります。

ルイジアナ大ラフィエット校(19位)vs コースタルカロライナ大(12位)

サンベルトカンファレンスの覇者を決定するこのマッチアップはコースタルカロライナ大で新型コロナ感染者が出てしまったため残念ながらこの試合はキャンセルに。正直すごく見てみたかった試合でした。

テキサスA&M大(5位)vs テネシー大

レギュラーシーズン最終戦となるテネシー大戦を控えるテキサスA&M大は現在CFPランキングで5位とプレーオフに進むことのできる4つの椅子に一番近いチーム。ただアラバマ大に負けたためにSECタイトルゲームに進めないため、自力でのプレーオフ進出は叶いません。彼らにできることはこのテネシー大を確実かつ圧倒的に料理して他のチームの動向を見守ることのみ。番狂わせを食らうことは絶対に避けなければなりません。

空軍士官学校 vs 陸軍士官学校

もともと11月7日に開催予定だったこのマッチアップは新型コロナの影響で今週に振替開催。先週海軍士官学校に陸軍士官学校が勝ち、空軍士官学校も同じく開幕戦で海軍士官学校から白星を獲得したため、この試合の勝者が栄光の「総司令官杯」(Commander-in-Chief Trophy)を手に入れることができます。

参考記事カレッジフットボールプレーオフへの道【2020年度シーズン】

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