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2022年度第11週目レビュー

2022年度第11週目レビュー

今シーズンのカレッジフットボールもいよいよ大詰め。全米チャンピオンを決めるためのプレーオフ、カレッジフットボールプレーオフ(CFP)に出場するために誰がCFPランキングで上位4位に食い込めるのかという議論だけでなく、各カンファレンスの優勝決定戦出場レースも加熱してきています。

そんな中行われた第11週目の週末にも様々なドラマが発生し、それらのレースに大きな影響を及ぼす結果となりました。その中から主に気になった試合を振り返ります。

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#22 セントラルフロリダ大 38、#17 トゥレーン大 31

AAC(アメリカンアスレティックカンファレンス)の優勝決定戦出場権獲得レースにおいて非常に重要な意味を持っていたこの試合。ここまでAAC内では無敗だったトゥレーン大が強豪セントラルフロリダ大(UCF)をホームに迎えたこの試合に個人的には一番の興味を抱いていました。

試合の方はお互いが点を取り合うもUCFが主導権を握る展開で進みます。前半を24対14とUCFリードで迎えた第3QにUCFのQBジョン・ライズ・プラムリー(John Rhys Plumlee)の決死のランTDが決まってスコアが31対14となり、この日最大点数差がついてしまいます。

追うトゥレーン大もただでは引き下がらず、FGを決めるとさらに第4QにQBマイケル・プラット(Michael Pratt)のパスTDが決まって31対24とワンポゼッションゲームに持ち込みます。しかし次のドライブではUCFが決死の8分かけたドライブののちにTDを返して再び14点差に。

後がなくなったトゥレーン大でしたが残り2分を切ったところでランTDを決めて土壇場で再び点差を縮めます。一か八かのオンサイドキックはUCFにリカバーされましたが、残された2つのタイムアウトをうまく使ってなんとか残り時間4秒でボールを奪い返しますが、流石に自陣12ヤード地点からの攻撃では荷が重く、結局38対31でUCFがなんとか敵地でのこの激戦を制しました。

この日QBプラムリーは投げて132ヤードに1TD、そして走っては176ヤードに2TDを奪う大活躍。数字上では全米トップクラスだったトゥレーン大ディフェンスから実に336ヤードものランヤードを獲得し見事AAC優勝レースで首位を行くトゥレーン大に黒星を献上しました。

一方トゥレーン大はQBプラットが3TD、RBタイジェイ・スピアーズ(Tyjae Spears)が130ヤードを足で稼ぐ活躍を見せましたが、後一歩及ばず。連勝記録が5勝で途切れてしまいました。しかし地区制度のないAACではレギュラーシーズン後の順位で上位2チームが優勝決定戦に出場ということで、次戦のサザンメソディスト大に勝つことができればまだそのチャンスは残されます。

一方UCFはこれで優勝決定戦レースに絡むトゥレーン大、シンシナティ大、サザンメソディスト大にそれぞれ直接対決で勝利しており、残りの日程(海軍士官学校とサウスフロリダ大)を考えると彼らのタイトルゲーム出場の確率はかなり高くなったと言えそうです。


#1 ジョージア大 45 、ミシシッピ州立大 19

全米1位でプレーオフ出場をロックオンしたとも言われるジョージア大はアウェーでミシシッピ州立大と対決。これを45対19で難なく退け10勝目を獲得。またこの試合での勝利でSEC(サウスイースタンカンファレンス)タイトルゲーム出場も決定。前年度覇者チームとして付け入る隙を全く与えませんでした。

この日活躍したのはWRラッド・マッコンキー(Ladd McConkey)。レシーバーとして71ヤードに1TDを奪っただけでなく、第3Qにはジェットスウィープから70ヤードのランTDを披露。

またディフェンスではDLのジェイレン・カーター(Jalen Carter)が7タックル、1QBサック、1.5TFLを記録するなど相変わらずの暴れぶり。攻守ともにほぼ危なげのない内容でミシシッピ州立大のスタジアムを後にしたのでした。

#2 オハイオ州立大 56、インディアナ大 14

全米2位のオハイオ州立大はホームにここまで3勝6敗のインディアナ大を迎え、予想通りこれを56対14の大差で撃破。こちらもなんの問題もなく10勝目を飾りました。

先週のノースウエスタン大戦ではパスヤードが100ヤードにも届かなかった(悪天候の影響は大でしたが)QB C.J.ストラウド(C.J. Stroud)でしたが、この日は297ヤードに5TDとTDパスを次々と成功させて勝利に貢献。またインディアナポリスコルツの名WRマーヴィン・ハリソン(Marvin Harrison)氏を父にもつマーヴィン・ハリソン・Jrも135ヤードに1TDと相変わらずの好調を披露。

RBマイヤン・ウィリアムス(Miyan Williams)もランで147ヤードに1TDを稼ぐ活躍を見せましたが、第2Q終了直前に怪我でロッカールーム送りに。このまま試合には戻ってこなかったのですが、つまりこの147ヤードは前半のみで獲得した数字ということに。

オハイオ州立大はすでにRBトレヴィヨン・ヘンダーソン(TreVeyon Henderson)が怪我で戦線を離れており、この期に及んでウィリアムスまで長期離脱を余儀なくされると流石にランオフェンスがキツくなりそう。彼の怪我の具合が気になるところです。

#3 ミシガン大 34、ネブラスカ大 3

全米3位のミシガン大はネブラスカ大と対戦し全ての面で相手を凌駕してスコア以上の内容で圧勝。こちらも無敗を守って10勝目を献上しました。

ハイズマントロフィー候補RB ブレイク・カーラム(Blake Corum)はこの日も162ヤード(1TD)と軽く100ヤード越えのランを披露。これで3桁のラッシュヤードを記録するのは7試合連続となります。

またディフェンスもネブラスカ大を圧倒。与えたファーストダウン数はたったの8回(ミシガン大は27回)、被パスヤードは71ヤードに被ランヤードは75ヤード、3rdダウンコンバージョン成功率は33%と相手に全く仕事をさせずにほぼシャットダウン。

これでミシガン大が10勝無敗となったのは2005年以来17年ぶり。あと2週に迫ったオハイオ州立大との「The Game」が待ち遠しくて仕方ありませんね。

#4 テキサスクリスチャン大 17、#18 テキサス大 10

Big 12カンファレンス優勝決定戦に駒を進めるためにどちらも負けられない試合となったこの一戦。テキサス大がホームに4位のテキサスクリスチャン大(TCU)を迎えましたが、予想外のディフェンシブゲームとなりました。

前半はどちらのオフェンスも相手のディフェンスに阻まれてエンドゾーンに全く届かず、ハイスコアオフェンスで知られるBig 12チーム同士の試合とは到底思えませんでした。途中TCUがFGを外したり、テキサス大QBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)がパスINTを犯してチャンスを自ら摘み取るなどして点が入らず、前半は終了間際にTCUが決めたFGのみという3対0という超ロースコアで折り返します。

後半に入ってもディフェンス同士の戦いが続きましたが、静寂を破ったのはTCU。第3Q残り時間約5分というところでRBケンドル・ミラー(Kendre Miller)の75ヤードの超ロングランTDが決まってTCUが2ポゼッション差に広げます。

テキサス大はユワーズに加えスターRBビジャン・ロビンソン(Bijian Robinson)がことごとくTCUディフェンスに阻まれオフェンスが得点できたのは第3QのFGの3点のみ。対してTCUは第4QにQBマックス・ドゥガン(Max Duggan)からスターWRクウェンティン・ジョンストン(Quentin Johnston)への31ヤードTDを決めて点差を広げます。

テキサス大は残り時間5分あたりでドゥガンのファンブルをジャディー・バロン(Jahdae Baron)が拾い上げてエンドゾーンへ飛び込み7点を奪いますが、残された4分半をTCUが全て使い切ってテキサス大に反撃のチャンスを与えず、見事に敵地で強豪テキサス大を破りTCUが10勝0敗としたのでした。

TCUは「エアーレイド」の系譜を継ぐソニー・ダイクス(Sony Dykes)監督の指揮下で高い得点力が魅力なチームでしたが、この試合ではディフェンス力も十分に持ち合わせていることを大いに証明。これは今後CFP進出レースを議論する上で大きなプラス点です。また彼らはこの試合に勝ったことで今後の2試合の結果に関わらずBig 12カンファレンスの優勝決定戦出場の切符を手に入れました。当然プレーオフ進出を狙う彼らにしてみれば負けることは許されませんが。

一方のテキサス大はユワーズが171ヤードに0TD、1INT、RBロビンソンがたったの29ヤードと撃沈。オフェンスのマジシャンとも言われるスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督としてはこのプロダクションの責任を取れと言われても仕方がない数字。もっともテキサス大WR陣もユワーズのパスを落としまくっていたことも見逃すことはできませんが。

とはいえ、テキサス大という超名門ながらホームでただ負けるだけでなく、オフェンス的に撃つ手なしで負けたというのはショッキングなこと。彼らが本当の意味で復活を遂げていないことの表れだと思います。

#25 ワシントン大 37、#6 オレゴン大 34

Pac-12カンファレンス内で無敗を誇ってきたオレゴン大はカンファレンス優勝決定戦出場だけでなく2014年以来のCFPタイトルゲーム出場を目指して快進撃を続けてきましたが、ここに乗り込んできた22位のワシントン大がまさかの番狂せを演じてオレゴン大のその夢を打ち砕きました。

注目されていたのは全米1位のパスオフェンスを擁するワシントン大の攻撃陣と全米113位のパスディフェンスを擁するオレゴン大守備陣とのミスマッチでした。そしてそれは見事に数字としてt現れたのでした。

この日ワシントン大のエースQBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)は408ヤードに2TDというパフォーマンスでオレゴン大のディフェンシブバックフィールドを切り刻んでオレゴン大との点取り合戦にガチンコ勝負を挑みました。オレゴン大はランで相手から312ヤードを奪う力走を見せましたが、予想外の粘りを見せてきたワシントン大オフェンスとの撃ち合いにあと一歩というところで力尽きました。

後半に入ると出だしからお互いが6連続TDを奪う殴り合いとなり、途中ぺニックスが痛恨のパスINTを犯してそれが相手のFGに繋がるなどして均衡が破れたかに見えましたが、折れないワシントン大はぺニックスからWRタジ・デーヴィス(Taj Davis)への62ヤードのロングボムで後半残り時間3分で同点に追いつきます。

34対34というスコアで迎えた試合終了間際、残り時間3分というところでオレゴン大は決勝のドライブを試みますが、1stダウンを奪えずに自陣34ヤード地点で4th&1ヤードという状況を迎えます。ここでダン・レニング(Dan Lenning)監督は4thダウントライという賭けに出ますが、RBノア・ウィッティントン(Noah Whittington)が足を滑らせるというまさかのプレーでギャンブル失敗。ここにきてオレゴン大はワシントン大に絶好のチャンスを与えてしまいます。

実はこの時QBボ・ニックス(Bo Nix)は怪我で一時サイドラインに退いており、フィールド上にはバックアップのタイ・トンプソン(Ty Thompson)が投入されていたのですが、ニックスはこのプレーの前に自分はフィールドに戻れるとアピール。彼の機動力ならQBスニークなどで1stダウンも奪えたかも知れず、タイムアウトも残っていながら結局上記のプレーを選択したことに多くの批判が沸き起こりました。

そして当然ワシントン大はFGを決めさえすれば勝ち越しとなるこのチャンスを逃すはずもなく、残り時間1分を切ったところで43ヤードのFGを決めてついにこの土壇場でこの日初のリードを奪います。

後のないオレゴン大は速攻で相手陣内へ急襲しますが、最後はニックスのパスが無情にもインコンプリートとなり試合終了。6位のオレゴン大がホームでまさかの敗北。ホーム連勝記録も23でストップしてしまいましたが、何よりもこの敗戦でCFP出場のチャンスがほぼ消えてしまったことが大打撃となりました。

このオレゴン大の敗戦は彼らのプレーオフ進出の希望を閉ざしただけでなく、同じカンファレンスに所属するサザンカリフォルニア大のチャンスにも少なからず影響を与えそうです。というのもサザンカリフォルニア大としてはなるべく高い順位にランクされている状態のオレゴン大をカンファレンスタイトルゲームで倒すことが、CFP選考委員会への一番のアピールとなるはずだったからです・・・。

#7 ルイジアナ州立大 13、アーカンソー大 10

南部のアーカンソー大で行われたこの試合は寒波襲われて気温が1度という南部チームにしてみれば非常に慣れない環境となりましたが、そのせいだったのかルイジアナ州立大がアーカンソー大に手こずり13対10という辛勝でなんとかこの試合を切り抜けました。

先週アラバマ大を倒したルイジアナ州立大でしたが、その時の原動力となったQBジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels)が86ヤードのパスに1INTと大苦戦。そんな中オフェンスを引っ張ったのはRBジョシュ・ウィリアムス(Josh Williams)。この日は122ヤードに唯一のオフェンシブTDを獲得して冷え込む攻撃陣を足で引っ張りました。

アーカンソー大はエースQB K.J.ジェファーソン(K.J. Jefferson)が引き続き怪我で欠場ということもあり、苦戦するルイジアナ州立大を倒すチャンスを逸しました。それに貢献したのは突如として名を馳せ始めた1年生LBハロルド・パーキンス・Jr(Harold Perkins Jr)。先週アラバマ大オフェンスをかき回して注目を集めたルーキーはこの日も4つのQBサックを記録。オフェンス陣のエンジンがかからない中でアーカンソー大の追撃を防いでいました。

このアーカンソー大戦で勝利し、さらに後述のアラバマ大対ミシシッピ大戦においてアラバマ大が勝利したため、最終戦を待たずしてルイジアナ州立大がSEC西地区の地区優勝を決めて2019年ぶりのタイトルゲーム出場権を獲得。ジョージア大と対戦することが決定しました。

そしてその結果次第では2敗チームとして史上初となるプレーオフ進出も夢ではなくなってきましたが、まずは残りの2試合をしっかりと手中に入れる必要がありますね。

#8 サザンカリフォルニア大 55、コロラド大 17

CFP8位のサザンカリフォルニア大コロラド大に55対17と難なく勝利し虎の子の1敗を守りました。

試合の出だしこそスローでしたが、第2Qに入るとサザンカリフォルニア大オフェンスに途端に火がつき、QBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)の2つのスクランブルからのTDランと、彼からブレンデン・ライス(Brenden Rice)へのパスTD、さらにはFGで一気に24点を計上してコロラド大を抜き去ります。

後半に入ってもウィリアムスがさらに2つのTDパスを決め、第4QにはバックアップQBミラー・モス(Miller Moss)が自身初のTDパスを放るなどして圧勝。終わってみればここまで1勝しかしていないコロラド大を赤子の手をひねるように黙らせました。

これまで弱みと言われてきたディフェンスはこの日相手をトータル259ヤードに抑える健闘を見せ、特に3rdダウンコンバージョンは12回中3回しか成功を許さない強固な守備を披露。相手がコロラド大だったとはいえ、この大事なシーズン終盤で大差で勝利できたのは当然歓迎すべき点です。

またハイズマントロフィー受賞候補でもあるQBウィリアムスとしては合計5つのTDに絡めたことは大きなアピールとなったことでしょう。オレゴン大が敗れたためPac-12優勝チームがプレーオフに進出できる可能性は多少減ってしまいましたが(前述)、サザンカリフォルニア大としてはとにかく残りの試合を圧倒的な強さで勝ち続ける以外他に手はありません。

ちなみにこの試合では先発RBトラヴィス・ダイ(Travis Dye)が途中怪我で退場。チームのラッシュリーダーであるダイの怪我の具合にも注目が集まりそうです。

#9 アラバマ大 30、#11 ミシシッピ大 24

全米9位のアラバマ大は先週ルイジアナ州立大に敗れて2敗目を喫し、CFP出場権がほぼ消えてしまいました。過去8年間行われてきたCFPのうち7回も出場してきた彼等がCFPレース脱落というのは奇妙な感じですが、そんな中で今回はSEC西地区同士の対決であるミシシッピ大戦を迎えます。しかも2週連続のアウェーゲームということで2007年以来の2連敗もあり得るかも・・・というそんな試合でした。

エースRBクウィンション・ジュドキンス(Quinshon Judkins)のゴリゴリのランを中心としたドライブで幕を開けたこの試合、アラバマ大のレッドゾーンまで一気にミシシッピ大が侵入。ただ敵陣12ヤードで迎えた4th&2ヤードというシーンでレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督はいきなり勝負に出て4thダウントライを画策するもアラバマ大ディフェンスに阻まれます。

しかしアラバマ大オフェンスがなかなか前進できず、QBブライス・ヤング(Bryce Young)がサックを食らうなどしてミシシッピ大の押せ押せムードが増長していきます。そして第1Q終了間際にジュドキンスのランTDが決まってミシシッピ大が先制。さらに第2Q開始後にもFGを決めて10対0とリードを奪ういい展開。

この後ヤングがTDパスを決めて応戦するも、その次のアラバマ大のドライブでミシシッピ大にファンブルをリカバーされそれを起点に再びジュドキンスがTDランを決めます。ホームの歓声のボルテージは更に上がりますが、前半終了間際に何とかヤングがTDパスを決めて前半を17対14としてミシシッピ大を3点で負いつつ後半へ突入。

後半に入るとアラバマ大は調子の出ないRBジャミアー・ギブス(Jahmyr Gibbs)からボールキャリアをジェイス・マクレラン(Jase McClellan)主体に変更。これでインサイドのランが徐々に出だしてアラバマ大オフェンスにリズムが出来始めると第3Q終了直前についに24対24と同点に追いつきます。さらにアラバマ大がFGを2つ追加し6点差のリードで最終局面を迎えます。

ミシシッピ大最後のドライブでもジュドキンスのランが功を奏し残り約2分というところでアラバマ大のレッドゾーンに侵入。TDとPATで逆転可能なシチュエーションとなりますが、ここでキフィン監督はアラバマ大が止めることに苦労してきたジュドキンスを使わずQBジャクソン・ダート(Jaxon Dart)の肩に賭けますが、ことごとく相手ディフェンスに阻まれ、最後は4thダウンのチャンスでもダートのパスが不成功となり、あと一歩というところでアラバマ大を仕留めるのに失敗してしまいました。

キフィン監督はかつてアラバマ大でニック・セイバン(Nick Saban)監督の下でOCを務めていたことのある人物。その「師匠」をなんとしても倒したかったことでしょうが、このダートの最後のパスが失敗した際はその悔しさをサイドラインで爆発させていました。

アラバマ大はこの試合に勝ちはしましたが、ルイジアナ州立大がアーカンソー大に勝ったため西地区優勝の可能性は完全に消滅。彼等の目標はこのまま勝ち続けて「ニューイヤー6」ボウルのいずれかのメジャーボウルゲームに出場することになります。

#10 クレムソン大 31、ルイビル大 16

10位のクレムソン大ルイビル大と対決。これを31対16で下してホームでしっかりと勝利を収め、先週のノートルダム大との敗戦を引きずることなく今季9勝目を挙げました。

QB D.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalelei)は185ヤードに1TD、ランで32ヤードに1TD(15キャリー)とそこそこな数字ながら一番重要であるターンオーバーを1つも犯さずにオフェンスを指揮。またRB陣が二人で203ヤードを稼ぐなどして試合の主導権を握りました。

その中でも特にRBウィル・シップリー(Will Shipley)の第3Qの相手ディフェンダーを蹴散らして奪った25ヤードのTDランは爽快でした。(日本のヤフーニュースにも紹介されたようですね)

そしてクレムソン大は所属するACC(アトランティックコーストカンファレンス)のアトランティック地区優勝が決まり、ACC優勝決定戦の出場権を手に入れました。ただCFPに関して言えば10位という位置からの上位4チーム入りは厳しいと見られ、彼等もアラバマ大と同様に「ニューヨーク6」ボウルのいずれかの試合に出場が濃厚。ここでアラバマ大と対決なんてなったら面白そうですね。

アリゾナ大 34、#12 UCLA 28

Pac-12カンファレンスの優勝チームとしてCFP出場の望みを繋げたかった12位のUCLA。そのためには第12週目に行われるサザンカリフォルニア大との一大決戦に勝利してオレゴン大との優勝決定戦に勝つことが条件・・・なんて風に思われていましたが、まさかの鬼門が第11週目のアリゾナ大との試合だとは夢にも思わなかったことでしょう。

というのもUCLAはホームでここまで6敗と苦戦中だったアリゾナ大にまさかのアップセットを食らってしまったからです。

アリゾナ大QBジェイデン・デ・ラウラ(Jayden de Laura)がこの日315ヤードに2TD(ランでも1TD)の活躍を見せればRBマイケル・ワイリー(Michael Wiley)も97ヤードに1TDを献上して勝利に貢献。今年で2年目となるジェド・フィッシュ(Jedd Fisch)監督指揮下で一番となる金星を手に入れることに成功しました。

UCLAはRBザック・シャーボネット(Zach Charbonnet)が181ヤードに3TDを足で稼ぐ働きを見せましたが、アリゾナ大のオフェンスを止めることが出来ず、また試合終了間際の最後のチャンスではQBドリアン・トンプソン・ロビンソン(Dorian Thompson-Robinson)からジェイク・ボボ(Jake Bobo)へのパスが決まっていれば逆転勝ちも・・・というプレーはあと数インチというところでインコンプリートとなり試合終了。アリゾナ大のアップセットが完遂となったのでした。

UCLAが負け、前述の通りオレゴン大も負けてしまったことでPac-12カンファレンスの優勝決定戦出場を賭けた争いはサザンカリフォルニア大とユタ大、ワシントン大を含めた5チームの大混戦となりました。これも今年からPac-12カンファレンスが地区制度を廃止したため。残り2週間のPac−12の動向から目が離せませんね。

#15 ノースカロライナ大 36、ウェイクフォレスト大 34

既述のクレムソン大の所属するACCアトランティック地区と対をなすコースタル地区の戦いとなったノースカロライナ大とウェイクフォレスト大の対戦は最後の最後まで試合の行方がわからないエキサイティングなエンディングを迎えました。

立ち上がりはノースカロライナ大のペースで進み、期待の新人QBドレイク・メイ(Drake Maye)が前半3つのTDを決めるも、ウェイクフォレスト大のエースQBサム・ハートマン(Sam Hartman)もこれに応戦する形で2つのTDパスで追随。前半を27対21のノースカロライナ大リードで折り返します。

後半は再びハートマンとメイがTDパスを奪い合い第3Q終了時点ではウェイクフォレスト大が34対33の1点のリードを確保していよいよ最終Qへ突入。しかし両チームともロングドライブで相手陣内へ攻め込みますが特典までには至らず迎えた残り時間4分半という場面でハートマンが痛恨のパスINTを犯してしまい、ノースカロライナ大は絶好のチャンスを得ます。

そのドライブでノースカロライナ大はメイからジョシュ・ダウンズ(Josh Downs)への43ヤードパスが決まって一気に敵陣内5ヤードまで進撃。結局QBサックおよびフォルススタートで減退を余儀なくされたノースカロライナ大は残り約2分というところで貴重なFGを決めてこの土壇場で36対24と2点のリードを奪います。

後のないウェイクフォレスト大はなんとかFG圏内までボールを進めたかったところでしたが、1度も1stダウンを奪うことなく自陣奥深くで撃沈。ノースカロライナ大が何とか逆転勝ちを決めて1敗を守りました。

この勝利でノースカロライナ大はコースタル地区優勝を決め、ACCタイトルゲームでアトランティック地区優勝チームのクレムソン大と対決することが決定。勝てば1980年以来のACC制覇となります。

またハイズマントロフィー候補とも言われる1年生のQBメイはこの日448ヤードのパスに3TD、ランでも71ヤードに1TDと大車輪の活躍。大外からの巻き返しはあり得るか?

その他の試合

#13 ユタ大 42、スタンフォード大7

ユタ大はスタンフォード大に勝ってカンファレンスレコードで1敗を死守。未だPac-12カンファレンス優勝決定戦出場のチャンスを残しました。

#14 ペンシルバニア州立大 30、メリーランド大 0

ペンシルバニア州立大がメリーランド大をホームで無失点に抑えて今季8勝目。この試合でQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)がチーム史上最多獲得パスヤードQBとなりました。またジェームス・フランクリン(James Franklin)監督が自身初となるアンスポーツマンライクの反則を科され、その反省の意味も込めて自ら腕立て伏せをサイドラインで行う姿も(笑)

ボストンカレッジ 21、#16 ノースカロライナ州立大 20

ボストンカレッジが試合時間残り14秒で逆転のTDを決めて全米16位のノースカロライナ州立大を敗る番狂せ。

#19 カンザス州立大 31、ベイラー大 3

カンザス州立大はエースQBエイドリアン・マルチネス(Adrian Martinez)が怪我で退場する事態を迎えますが、バックアップのウィル・ハワード(Will Howard)が3TDパスを奪う活躍を見せて急場をしのぎました。

#20 ノートルダム大 35、海軍士官学校 32

第4Qに海軍士官学校が16点を奪う猛攻を見せましたが、ノートルダム大が何とか逆転負けを阻止して白星。前半3敗しましたが直近では4連勝でなんだかんだいって7勝目を記録。これでボウルゲームも合わせれば10勝シーズンが見えてきました。

パデュー大 31、#21 イリノイ大 24

全米21位のイリノイ大がホームでパデュー大にやられる痛い黒星。これでBig Tenカンファレンス西地区の優勝争いはごちゃごちゃになってきました(苦笑)。イリノイ大はエースRBチェイス・ブラウン(Chace Brown)が怪我で途中退場したのが響きました。

#23 フロリダ州立大 38、シラキュース大 3

シラキュース大がフロリダ州立大に完敗。一時は6連勝で16位まで上昇していたシラキュース大ですが、その後手痛い4連敗と急降下中。

ヴァンダービルト大 24、#24 ケンタッキー大 21

SECで万年最下位のヴァンダービルト大がケンタッキー大からまさかの白星。今年2年目のクラーク・リー(Clark Lea)監督にとっては嬉しい初のSEC戦勝利。もっといえばSEC戦連敗記録を26で止めたという勝利でもありました。

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