目次
#5 ミシシッピ大 @ #9 ジョージア大
🇺🇸10月18日3:30PM ET | 🇯🇵10月19日4:30AM
SEC(サウスイースタンカンファレンス)の優勝レースだけでなく、CFP(カレッジフットボールプレーオフ)進出を目指す上で非常に重要なマッチアップが今週末に行われる全米5位のミシシッピ大対全米9位のジョージア大のカードです。
ジョージア大は2週間前にアラバマ大に敗れて1敗を喫し、これ以上負けることは避けたいという状況に立たされています。一方のミシシッピ大はここまで未だ無傷の6連勝中。ただ今回はランクが自分たちよりも下であるとはいえ、強豪ジョージア大とのアウェー決戦ということで彼らにとっては今季ここまでで最大の壁となることは確実。ここを乗り越えて名実ともに彼らがプレーオフ出場に値するチームであることを見せつけたいところ。
昨年の対戦ではミシシッピ大がホームでジョージア大を破るというアップセットを達成。つまり今回の対戦はジョージア大にしてみるとリベンジ戦ともいえ、またトップ5位チームであるミシシッピ大に勝つことで彼らのランキングがさらに上がる可能性が高いこと、そしてホーム開催というアドバンテージもありモチベーションは最高潮に達していると言えます。
一方のミシシッピ大にとって今回のジョージア大との対戦は今季初のトップ10チームとの対戦となります。無敗のまま常勝チームであるジョージア大に彼らの本拠地で勝つことは、ここまで2年連続で二桁勝利を収めてきたレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督指揮下のミシシッピ大にとってさらなる高みを目指す上で大きな起爆剤となることは間違いありません。
ただ彼らがアウェーでランク上位チームに対して勝つというのは歴史的に見てなかなか難しいタスクであり、最後に彼らがアウェーでトップ10チームに勝ったのは2015年のアラバマ大戦まで遡らなければなりません。ミシシッピ大にとっては大掛かりなタスクであることは明らかです。
コーチング
また面白いのはミシシッピ大のキフィン監督とジョージア大のカービー・スマート(Kirby Smart)監督はどちらもかつてアラバマ大でニック・セイバン(Nick Saban)前監督のアシスタントとしてコーチングをしたことがあるという経歴を持っているところです。2014年と2015年の2年間ではありますが、2人は「GOAT」と名高いセイバン氏の下で同僚だったわけです。
とはいえ、彼らのコーチングスタイルはバックグラウンドの違いもありますが、全く異なるスタイルであることは周知の事実です。
ジョージア大のスマート監督はディフェンス畑を歩いてきた名将。モットーは圧倒的なフィジカルさ、ペナルティが少なくて知られる統率力の高さ、そしてランを重視したライン戦での高い支配力で知られています。一方のミシシッピ大のキフィン監督はオフェンス畑を歩いてきた知将。そのオフェンスはアップテンポでクリエイティブであり、高い得点力を誇ります。ただその中でも要所で効果が高いランアタックも織り込んでくるなど、相手ディフェンス泣かせのオフェンスです。
QB対決
| チャンブリス(UM) | ストックトン(UGA) | |
| パスヤード | 1286YD | 1259YD |
| TD | 7TD | 6TD |
| INT | 1 | 1 |
| パス成功率 | 65.4% | 67.9% |
両チームの先発QBはどちらかというとタイプが似ていると言えるかもしれません。
ミシシッピ大のQBは転校生のトリニダード・チャンブリス(Trinidad Chambliss)。もともと先発だったものの負傷中のオースティン・シモンズ(Austin Simmons)に代わり出場して開花している、元NCAA2部の選手。一方のジョージア大のQBは昨年までカーソン・ベック(Carson Beck)のバックアップを務めるも、オフにベックがマイアミ大へ転校した影響で先発に格上げされたガナー・ストックトン(Gunner Stockton)。2人のスタッツは非常に似通っていますが、それと同時に彼らは走れるQBとしても知られており、彼らの能力を活かすためのオフェンス作りがされているのが実際のところ。
注目のマッチアップ
オフェンス力の高さで知られるミシシッピ大が安定感のあるジョージア大ディフェンスをどのように攻略するかは大きな見どころです。ハイテンポなオフェンスでディフェンスを後手後手に回しながらビッグプレーを狙っていくのを好むミシシッピ大オフェンスですが、ミシシッピ大OL陣がジョージア大フロントセブンのプレッシャーを制御下に置き、チャンブリスにパスを投げる時間を与えることができるかにミシシッピ大オフェンスの成功の鍵があると思われます。
特にジョージア大のディフェンスは後半につれてどんどん強固になっていくというスタッツがあり、(今季の後半の総失点数が34失点)ミシシッピ大としては何としても出だしからスコアリングにつながるドライブを連発したいところです。
そこで期待したいのはチャンブリスのプレーメーキング。どちらかというとディフェンスユニットの中では不安視されているジョージア大のセカンダリーを、チャンブリスが足で掻き乱しつつパスで突いていけるかが見どころです。
一方でジョージア大のオフェンスですが、強力なOL陣をバックボーンにチャウンシー・ボウエンズ(Chauncey Bowens)やネイト・フレイジャー(Nate Frazier)といったパワフルなRBを擁しゴリゴリのランアタックで押してくるのが身上。それに対峙するミシシッピ大のランディフェンスは今季スタッツ上では弱点と見られており、ジョージア大がライン戦を制してランでヤードを稼ぐ展開となれば彼らが試合の主導権を握ることになりそうです。
ジョージア大はホームで滅法強く、2週間前にアラバマ大に破れるまでホームで33連勝を飾るほど。またスマート監督指揮下での彼らの対トップ5チーム戦の戦績はここまで9勝5敗ですが、5つの敗戦のうち4つがアラバマ大戦でのものであり、アラバマ大以外だと9勝1敗という凄まじい強さを誇っています。
一方でキフィン監督指揮下でのミシシッピ大のトップ10チームとの対戦成績は4勝15敗と苦戦。果たして今回ミシシッピ大がジョージア大に勝利してその汚名を挽回し、SECタイトルレースおよびCFPレースで生き延びることができるか・・・。
その他の注目ゲーム
#11 テネシー大 @ #6 アラバマ大
🇺🇸10月18日7:30PM ET | 🇯🇵10月19日8:30AM
別名「10月の第三土曜日(The Third Saturday in October) 」と呼ばれるライバリー対決、全米6位のアラバマ大が、第11位のテネシー大をホームで迎え撃ちます。通算対戦戦績はアラバマ大が60勝40敗7引き分けでリードしていますが、テネシー大はアラバマ大の15連勝(2007年〜2021年)を劇的に終わらせた後、最近3試合で2勝を挙げるなど、このライバル関係が再び拮抗したものになっています。しかしテネシー大にとって最大の試練は、アラバマ大でのロードゲームにあります。彼らががアラバマ大のあるタスカルーサしで勝利したのは2003年が最後であり、アラバマはホームでの連勝記録を11に伸ばすことを目指しています。
この試合の鍵を握るのはハイレベルなQB対決。アラバマ大のタイ・シンプソン(Ty Simpson)は、パス成功率70.9%、16TD、そしてINTがわずか1つという成績でハイズマン候補として浮上しています。一方、テネシーのジョーイ・アギュラー(Joey Aguilar)はSECでナンバーワンのパッシングヤード(1,680ヤード)を保持し、ここまで14TDを記録。
またテネシー大のディフェンスでは、国内で2位の26サックを誇る強力なパスラッシュで、パスプロテクションが全米91位と苦戦しているアラバマ大のOL陣を大いに苦しめそう。ただ問題はロースターの層の薄さ。テネシー大の守備陣は手薄で苦戦しており、これがアラバマ大のエリートWRにチャンスを与える可能性はあるかも。
#10 ルイジアナ州立大 @ #17 ヴァンダービルト大
🇺🇸10月18日12:00PM ET | 🇯🇵10月19日1:00
ルイジアナ州立大(10位)とヴァンダービルト大(17位)の両チームがランキング入りして対戦するのは、1947年以来初めてのこととなります。ヴァンダービルト大は現在5勝1敗と好調なシーズンを送っており、歴史的に見てこのカードで圧倒的に勝敗数でリードしているルイジアナ州立大との現在までの10連敗を今回勝って断ち切りたいところ。特筆すべきはヴァンダービルト大が1948年以来初めてルイジアナ州立大に対して賭けのオッズで優位に立っているという点。このことからも現在のヴァンダービルト大の評価の高さが伺えます。
見どころは、平均約12失点と卓越した守備を誇るルイジアナ州立大 と、投げて走れるQBディエゴ・パヴィア(Diego Pavia)が率いるヴァンダービルト大のハイパワーな攻撃陣との激突です。ここまでルイジアナ州立大のQBギャレット・ナスマイアー(Garrett Nussmeier)の指揮する攻撃陣のスコアリングが安定しておらず、その点からも守備陣がチームを支え続けることができるかどうかが勝利への命運を握っていると言えるかもしれません
#20 サザンカリフォルニア大 @ #13 ノートルダム大
🇺🇸10月18日7:30PM ET | 🇯🇵10月19日8:30AM
サウスベンドで開催される全米13位のノートルダム大と全米20位のサザンカリフォルニア大の対戦は、お互いのCFPの望みをつなぐための重要なマッチアップとなります。
ハイズマントロフィー候補とも目されるジェイデン・マイアバ(Jayden Maiava)が率いる、パスオフェンスで全米トップクラスを誇るサザンカリフォルニア大の攻撃力と、シーズンを追うにつれて磨きがかかり、特にターンオーバーを量産するようになったノートルダム大の守備力とのぶつかり合いが見どころ。ただ、サザンカリフォルニア大は主力RBのウェイモンド・ジョーダン(Waymond Jordan)とイーライ・サンダース(Eli Sanders)を怪我で欠いており、さらにチームがアウェーで比較的苦戦しているという点は気になるところ。
ノートルダム大としては、RBジェレマイア・ラブ(Jeremiyah Love)とジャダリアン・プライス(Jadarian Price)を中心とするランで、脆弱とされるサザンカリフォルニア大のランディフェンスに漬け込めるか。またここまで1年生ながら4連勝に大きく貢献してきている若きQB CJ・カー(C.J. Carr)が彼にとっては初となる、サザンカリフォルニア大との大一番をどのように乗り切るかも注目です。
1926年より続いている、カレッジフットボール界を代表するライバリーでもありますが、今のところ2026年以降の対戦が決まっておらず、今年と来年でこの伝統のカードが消滅してしまうかもしれない危機にあります。是非とも来年以降も継続してこのライバル対決が行われていくことを祈りたいですね。
#23 ユタ大 @ #15 ブリガムヤング大
🇺🇸10月18日8:00PM ET | 🇯🇵10月19日9:00AM
全米23位のユタ大と15位のブリガムヤング大による、ユタ州内のライバリーは別名「聖戦(Holy War)」とも呼ばれますが、今回のカードは2009年以来初めて両チームがトップ25にランクインして迎える、非常に重要な一戦です。またBig 12カンファレンス戦としても、カンファレンスの優勝決定戦への行方を左右し、さらにはプレーオフ出場への影響をも考えれば、非常に大きな意味合いを持つマッチアップです。
ブリガムヤング大は昨年の勝利を含めユタに対して3連勝(1992年以来)を狙っており、一方のユタ大は昨年の僅差での敗北(22対21)の雪辱に燃えています。両チームともに守備力が非常に高いため、この試合はロースコアでフィジカルな肉弾戦になる可能性が高いと言われていますが、ユタ大のQBデヴォン・ダンピアー(Devon Dampier)と、ブリガムヤング大の新人QBベア・バックマイヤー(Bear Bachmeier)のパフォーマンスが勝敗の鍵を握るとされており、またブリガムヤング大の強力なラン攻撃とユタの守備陣の対決にも注目です。
チーム力は拮抗していると見られ、多くの過去の対決と同様に今回の対戦も最盤までもつれ込む激しい展開になるのではないでしょうか。
日本人選手が所属するチームの試合
ハワイ大@コロラド州立大
ハワイ大にK松沢寛政選手が所属。現在センセーショナルな活躍を見せている松澤選手はここまで開幕以来19本連続でFGを成功中。昨年に遡れば20本連続成功中であり、もし今回のコロラド大戦で21本目を決めればハワイ大のスクールレコードとなります。
またここまでの活躍を受け、今回のコロラド州立大戦はRチャンネルにて日本でも無料で配信されるそうですよ!
NFL入りを目指す日本人キッカー#松澤寛政 選手を一緒に応援しよう🏈 🎉
— Rチャンネル<全チャンネル無料> (@rchannel_japan) October 15, 2025
🗓️ 10/19 (日) 午前8:00〜
Rチャンネルで無料LIVE配信!📺✨
🔹コロラド州立大 vs ハワイ大 <英語実況>
松澤選手の活躍をお見逃しなく!https://t.co/NF8la2MFSC@HawaiiFootball @HawaiiAthletics @kan08sei #アメフト pic.twitter.com/9Pq6uaoOL4
ラフィエットカレッジ @ オレゴン州立大
オレゴン州立大にK露峰哲太選手が所属。
ネバダ大 @ ニューメキシコ大
ニューメキシコ大にRB岩井零選手が所属。
テキサス大リオ・グランデ・バレー校 @ ラマー大
ラマー大(NCAA1部FCS)にLB吉川大紀選手が所属。現在ラマー大はFCSで全米17位につけています!
ワグナーカレッジ@ セントラルコネチカット州立大
セントラルコネチカット州立大(NCAA1部FCS)にDL田中慎二郎選手が所属。
ウェストフィールド州立大@フラミンガム州立大
フラミンガム州立大(NCAA3部)にRB内川誠選手が所属。
*ちなみにDL阿部剛希選手が所属するセントフランシス大(NCAA1部FCS)とWR高橋耀生選手が所属するサンディエゴ大(NCAA1部FCS)には今週バイウィークです。
(他にもアメリカのカレッジでプレーしている日本人選手情報があればタレコミお待ちしております!!!)





