かつてカロライナパンサーズ、ワシントンコマンダースでヘッドコーチを務めたロン・リヴェラ(Ron Rivera)氏が母校であるカリフォルニア大へ凱旋することが明らかになりました。
1981年から1983年までの3年間カリフォルニア大に在籍したリヴェラ氏はラインバッカーとしてプレー。その3年間でトータルのタックル数が336個、QBサック数が22個でこれは当時カリフォルニア大フットボール部の歴史上最多(現在はタックル数は歴代5位、サック数は歴代6位タイ)。さらに1983年度シーズンだけだとタックル数が138個、サック数が13個、タックル・フォー・ロス(TFL)が26.5個とこれらも当時最多となっており、TFLだけでいうと2025年2月現在でもいまだにスクールレコードとなっています。
その1983年度にはPac-10カンファレンス(現在のPac-12カンファレンス)のMVPおよびオールカンファレンス、さらにはオールアメリカンに選出されたり、西海岸で最も活躍した選手に贈られる「ポップ・ワーナー・トロフィー」も受賞。当時を代表するLBとして名を馳せ、1984年のドラフトでは第2巡目でシカゴベアーズに入団。
シカゴでは第20回(1986年)のスーパーボウルに出場。先発出場こそしませんでしたが、チームの一員としてニューイングランドペイトリオッツを46対10で下して見事優勝。そしてその後先発要員としては1988年から1990年以外は安定して定着できませんでしたが、1992年までシカゴでプレーしそのシーズン後に引退。程なくしてコーチングの道に進みます。
1997年に古巣のシカゴでディフェンスのアシスタントコーチに就任するとフィラデルフィアイーグルスでLBコーチを務め、2004年には再びシカゴに戻ってディフェンシブコーディネーターを任されます。2007年にはサンディエゴ(現在のLA)チャージャーズでLBコーチに就くと翌年にはディフェンシブコーディネーターに昇格。そして2011年には遂にヘッドコーチとしてカロライナパンサーズに招聘されます。
カロライナパンサーズ時代のリベラ氏
カロライナでのベストシーズンは2015年度。この年MVPに選出されたQBキャム・ニュートン(Cam Newtown、元アーバン大)を擁してデンバーブロンコスと対決しますが、QBペイトン・マニング(Payton Manning、元テネシー大)やLBヴォン・ミラー(Von Miller、元テキサスA&M大)率いるデンバーに24対10で惜しくも敗退。
さらに2020年にはワシントンコマンダーズ(就任時はワシントンフットボールチーム)の監督に任命され、初年度にいきなりプレーオフ進出を果たしますが、その後はパッとせず4勝13敗だった2023年度シーズン後にチームの監督職を解かれていました。
2024年度はESPNでTVアナリストを務めていましたが、今回母校であるカリフォルニア大へと戻る決断をしたわけです。とは言っても、現場のコーチとしての凱旋ではなく、アナリストだとか、さらにはGM(ジェネラルマネージャー)的な立ち位置でチームと関わっていくとか、そんな話が出ています。
実際今オフにはニューヨークジェッツ、ラスベガスレイダース、シカゴベアーズと面接を行ったとも言われており、NFLでやる気満々だったようですが、それらの話が無くなったところで母校に帰還する決断をしたわけですが、その決断を後押ししたのが、ニューイングランドペイトリオッツで栄華を誇ったビル・ベリチック(Bill Belichick)監督だとリベラ氏は話しています。
Coach Belichick has made going back to school, cool. Stay tuned I am coming home. @CalAthletics @UCBerkeley @Cal #GoBears🐻
— Ron Rivera (@RiverboatRonHC) February 5, 2025
NFL畑を歩き続けてきたベリチッック監督は新たにノースカロライナ大の監督に就任。NFLの重鎮とも言える彼がカレッジレベルに移ったことは驚きを持って報道されましたが、リベラ氏はこのベリチック監督の行動にインスパイアされたと話しているわけです。
カロライナパンサーズでは今だに最多勝利監督として名が刻まれているリベラ氏。今後そのNFLに再び戻る気があるのかは分かりませんが、母校の成功のために凱旋するというのはそれはそれで特別な意味があることでしょう。
カリフォルニア大はジャスティン・ウィルコックス(Justin Wilcox)監督体制で9年目に突入しますが、総合戦績は42勝50敗と負け越し中。8年間で勝ち越せたシーズンが2度と苦戦中です。そろそろチーム育成が上向きであるところを見せないとウィルコックス監督のクビも危なくなってきますが、リベラ氏の合流が果たしてその起爆剤となるでしょうか?
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