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2024年度CFPプレビュー:ペンシルバニア州立大vsサザンメソディスト大【1st Round】

2024年度CFPプレビュー:ペンシルバニア州立大vsサザンメソディスト大【1st Round】

2024年度から導入される12チーム制度のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)。FBSの9つのカンファレンスの各優勝チームの中でもCFPランキングで上位4チームにはファーストラウンド免除のトップシードが与えられますが、そのほかの8チームはまずファーストラウンドを勝ち抜かなければなりません。

そのファーストラウンドが今週末に4試合行われますが、どの試合もプレーオフとしては初の試みとなるキャンパス開催。確実にホームチームが地の利を生かす戦いとなると思われますが、当サイトはその4試合の見どころを順にご紹介していきます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#11 サザンメソディスト大 @ #6 ペンシルバニア州立大

🇺🇸12月21日(土)東部時間午後12時 | 🇯🇵12月22日(日)午前2時

12月21日土曜日にはファーストラウンドの試合が3試合組まれるトリプルヘッダーとなっていますが、まず最初に開催されるのがペンシルバニア州立大(ペンステート)とサザンメソディスト大(SMU)の試合です。

ペンステート、サザンメソディスト大、両チームにとって初のプレーオフ進出。ペンステートはBig Tenカンファレンスの強豪チームとして常にミシガン大オハイオ州立大という、プレーオフに出場したことのあるチームとプレーオフ進出をかけて争ってきましたが、今季から12チーム制度に拡張した恩恵を得て見事プレーオフ進出を決めました。

SMUはかつて全米でも指折りの強豪チームとして知られていましたが、1980年代に大規模なリクルーティング違反によりNCAAから1年間の対外試合禁止という、俗にいう「デスペナルティー」を食らったことで大きくチーム力が衰退。

以来ずっと苦水を舐めてきましたが、今年から「グループオブ5」のアメリカンアスレティックカンファレンスから「パワー4」のACC(アトランティックコーストカンファレンス)に移籍。その移籍初年度にプレーオフに進出を果たし、長く待たれた全米の大舞台に遂に戻ってくることができました。

SMUはACCに移籍する際にカンファレンスから収益を受け取らないという条件を飲んで半ば強引にACC入りを果たしましたが、そのギャンブルが功を奏したことになります。

ペンステートは2016年度にRBセイクワン・バークリー(Saquon Barkley)らを擁してBig Tenタイトルを獲得しましたが、それ以外ではジェームス・フランクリン(James Franklin)監督指揮下で大舞台に弱い印象がありました。が、今年のチームは確かにオハイオ州立大オレゴン大に敗れたものの、その2016年度のチーム以来のチーム力を誇っていると言われています。

彼らの強みは強力なディフェンス。ランディフェンスは全米9位となる1試合平均被獲得ヤードが103.6ヤードで、パスディフェンスは全米16位となる178.5ヤード。トータルディフェンスでも全米6位と今季のカレッジフットボール界でも随一の力を持っています。特に注目はフロントセブンからはDLアブドゥル・カーター(Abdul Carter)とLBコビー・キング(Kobe King)、そしてバックフィールドではジェイレン・リード(Jaylen Reed)とA.J.ハリス(A.J. Harris)のコンビです。

オフェンスでは期待のQBドュリュー・アラー(Drew Allar)を中心とした、バランスの良いオフェンスを目指してきましたが、鍵となったオハイオ州立大戦ではいつもの通りオフェンスが不発で大舞台での弱さを露呈してしまいました。しかし、Big Ten優勝決定戦ではRBニック・シングルトン(Nick Singleton)とケイトロン・アレン(Kaytron Allen)を中心としたランヘビーなオフェンスが威力を発揮。オレゴン大ディフェンス相手に300ヤード近いランを出し、プレーオフを控えていい起爆材料となりそうです。

またTEタイラー・ワレン(Tyler Warren)の台頭も見逃せません。その高い汎用性から様々なシーンで彼のプレーを見ることが出来、TEながらチーム最多となるレシーブヤード(1062ヤード、6TD)という記録を残したことからもワレンがアラーのメインターゲットであることは明らかです。

ただ弱みがあるとすればそのワレンにパスゲームで頼り過ぎ気味なこと。確かにワレンはハイズマントロフィーの投票結果で7位に名前を連ねるなど、今季指折りのTEであることは確かですが、彼が抑えられると途端にパスゲームが活きなくなる場面がオハイオ州立大戦で見られました。そういった沼に陥らないためにもWRハリソン・ワレス(Harrison Wallace)やオマリ・エヴァンズ(Omari Evans)の活躍が必須になりそうです。

さらにアラーのバックアップだったボウ・プリビュラ(Beau Pribula)がこの試合を目前にトランスファーポータル入りしてチームを離脱。

トランスファーポータル期間とプレーオフ期間が重なり、さらに先輩であるアラーが来年もペンステートに残留することを表明したことで、来年以降プレーできる新天地を探すために苦渋の決断を強いられたプリビュラ。バックアップながら要所で重宝されてきた選手だけにペンステートとしては彼の離脱は大打撃と言えそうです。

一方のSMUは現監督であるレット・ラシュリー(Rhett Lashlee)体制になって3年目。大学時代アーカンソー大でプレーし、卒業後に母校でコーチングの道を歩み始めます。その当時のOCだったガス・マルザーン(Guz Malzahn、現フロリダ州立大OC)氏の得意とするアップテンポのオフェンスに大きな影響を受け、またマルザーン氏がアーバン大で監督をしていた時も彼のOCとしてラシュリー監督は腕を磨き、38歳の時にSMUの監督に就任した若き敏腕コーチ。

今年のSMUでもノーハドルの高速オフェンスは健在で、さらにパス重視のエアーレイドをベースにパワーランを織り交ぜたオフェンスを駆使しますが、その中心となるのがQBケヴィン・ジェニングス(Kevin Jennings)。純正のモバイルQBであるジェニングスのブリッツをかわせる身のこなしは強み。パサーとしての能力は荒削りさはあるものの、先に行われたACC優勝決定戦のクレムソン大戦では後半の怒涛の反撃の立役者として大いにその存在感を示していました。

またRBブラシャード・スミス(Brashard Smith)はシーズン合計で1200ヤード以上のラッシャーとしてSMUのパワーランの中心を担う選手ですし、ずば抜けてすごいレシーバーがいるわけではないものの、全米26位となるパスアタック力を保持しており、早いテンポのオフェンスとそこまで対戦がないペンステートにしてみれば驚異となる可能性もあります。

さらにディフェンスもフィジカル面でのフレームの小ささがクレムソン大戦では少々目につきましたが、DCのスコット・シモンズ(Scott Symons)氏によるアグレッシブなスキームでカバー。将来性抜群のDLジャレッド・ハリソン・ハント(Jared Harrison-Hunte)や、Sアイゼア・ウコビア(Isaiah Nwokobia)が注目ですが、さらにトランスファーポータル経由で他チームから才能はあるも出場機会に恵まれなかった選手たちが多く集まり、ハングリー精神の塊のようなチームに仕上がっています。

そんなSMUの弱点はターンオーバー。特に10月に行われたデューク大戦ではジェニングスが3つのファンブルに3つのパスINTを計上。クレムソン大戦でもさらにファンブル1つにINT1つととにかくターンオーバーの悪い癖が抜けません。ペンステートのような強力ディフェンス相手に、自らの首を絞めるようなターンオーバーは厳禁。ボールセキュリティーを怠ればペンステートがそこに付け込んでくることは目に見えています。

またこの試合はペンステートのキャンパスで開催されます。スタジアムは10万人以上収容可能なビーバースタジアムであり、この試合はペンステートの恒例行事でもある、スタジアムを真っ白に染め上げる「ホワイトアウト」ゲームに指定されているということで、SMUにとってはこれまで経験したことのないようなアウェーの洗礼を受けることになるでしょう。おまけにこの試合の気温が氷点下と予報されており、テキサス州ダラスにキャンパスを置くSMUとしては最悪な環境であると言えます。

おそらくSMUがこれまで対戦してきた中で最強のディフェンスを擁するチームとの対戦というだけでなく、プレーオフ初出場、アウェーゲーム、極寒の環境と、SMUにとってはかなり劣勢を敷かれそうですが、勝利の鍵はジェニングスのパフォーマンスとボールセキュリティーにかかっていると言えそうです。

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