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2024年度CFP全米大学王座決定戦レビュー

2024年度CFP全米大学王座決定戦レビュー

2024年度シーズンの全米大学王座を争う頂上決戦が現地1月20日夜にジョージア州アトランタ市にあるメルセデスベンツスタジアムで行われました。

この晴れの舞台に降り立ったのは第7シードのノートルダム大と第8シードのオハイオ州立大。そしてこの激戦を34対23でオハイオ州立大が制し、2014年度以来9度目のナショナルタイトルを獲得し、2024年度シーズンを締め括りました。

今回はこのナショナルチャンピオンシップゲームを振り返ります。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

前半

ノートルダム大の攻撃で始まった第1Q、得意のランを主体にじわじわとオハイオ州立大陣内へ攻め込んだ彼らは実に18回のプレーで9分45秒を要する重厚なオフェンスを展開。その18回のプレーのうち13回がランプレーで、さらにその内9回のランがQBライリー・レナード(Riley Leonard)のランプレー。最後はそのレナードの1ヤードランTDが決まってノートルダム大が先制します。

ノートルダム大のオフェンスはランに傾倒する傾向があり、このファーストドライブはまさにそのスタイルを余すところなくぶつけて来た、この試合にかける意気込みを感じさせてくれるものでした。またダイナミックで爆発力のあるオハイオ州立大のオフェンスを勢いづかせないためにも、ノートルダム大はポゼッションゲームに持ち込みたいはずでしたので、この約10分のドライブは劣勢と言われていた彼に一筋の希望を与えてくれるものでした。

ただ一方でこのスタイル、特にQBレナードが毎回ボールをキャリーするという手法がオハイオ州立大ディフェンス相手に毎回通用するとも思えず、手の内をかなり見せてしまったのではないかという不安もないことはありませんでした。

第1Qの3分の2がすでに過ぎ去った時点でこの試合初めて攻撃権を得たオハイオ州立大。QBウィル・ハワード(Will Howard)の小気味よいパスプレーとRBトレヴィヨン・ヘンダーソン(TreVeyon Henderson)とRBクウィンション・ジュドキンス(Quinshon Judkins)のワンツーパンチで効率よくノートルダム大陣内を目指します。

同じドライブで第2Qに突入したオハイオ州立大は、最後ハワードからエースWRジェレマイア・スミス(Jeremiah Smith)への8ヤードパスTDを決めて6分のドライブの後に同点に。

最初のドライブで約10分を費やしたノートルダム大の2度目の攻撃。今後のことを考えると点を取られたら確実に取り返さないとあっという間に点差をつけられてしまうため、このドライブでもなんとかスコアに漕ぎ着けたいところでしたが、フォルススタートとホールディングの反則が仇となり1つもファーストダウンを奪えずに2分もしない間にオハイオ州立大に攻撃権を譲渡してしまいます。

このチャンスを逃すはずないオハイオ州立大はWRエメカ・イブカ(Emeka Egbuka)を使ったランプレーやハワードのパスに加え、ハワード自身のランも効果的にヤードを稼ぐ結果となり、最後はジュドキンスがノートルダム大ディフェンスを蹴散らす豪快な9ヤードランで追加点を奪います。

リードを奪われてしまったノートルダム大はなんとか次のドライブで得点してオハイオ州立大に突き放されるのを防ぎたいところでしたが、自陣30ヤードで迎えた3rdダウン&5ヤードという状況でスナップされたボールがモーションしてきたTEミッチ・エヴァンズ(Mitch Evans)に当たるというアクシデントからファンブル。幸いエヴァンズ自身がリカバーしたものの、このドライブでもファーストダウンを1度も奪えずノートルダム大はパントを強いられます。

前半残り時間約5分という状況で再び攻撃権を得たオハイオ州立大はQBハワードの落ち着いたポケットワークから繰り出されるパスアタックで残り約1分で相手レッドゾーンを強襲。最後はハワードからジュドキンスへのパスがエンドゾーンで決まってTD。ジュドキンスにとってはこの日2つ目のTDでオハイオ州立大がリードをさらに広げます。

  出だしから好調のハワードですが、このドライブでパスを失敗するまで試合開始から実に13連続パス成功という驚きのパフォーマンス。これはナショナルタイトルゲームでの最多パス連続記録です。

結局前半はノートルダム大のオープニングドライブに約10分も費やされたためお互い3回ずつの攻撃(ノートルダム大は4回目の攻撃権を前半終了直前に手に入れますが実質的なドライブは3回)とあっという間にハーフタイムを迎えましたが、3回あったドライブ全てにおいてTDを奪ったオハイオ州立大に対し、ノートルダム大はそのオープニングドライブの1TDのみ。

ノートルダム大オフェンスの手詰まり感が色濃く出ており、このままだと優勝決定戦にも関わらずワンサイドな試合結果になってしまうかも・・・という不安を感じずにはいられませんでした。

前半終了時のスタッツ


後半

後半はリードしているオハイオ州立大からの攻撃。ノートルダム大としてはこれ以上点差をつけられるのは是非とも阻止したいところでしたが、なんと2つ目のプレーでジュドキンスは70ヤードのロングランをかまして一気にノートルダム大陣内5ヤードラインまで押し込みます。

あっという間にゴールライン直前まで攻め込んだオハイオ州立大はそのジュドキンスがこの日トータル3つ目となるTDランを難なく奪い後半開始後3分もしない間に追加点。いよいよこの試合がブローアウトな展開になると誰もが予想したことでしょう。

続くノートルダム大の攻撃はあっという間に4thダウン。しかしここでマーカス・フリーマン(Marcus Freeman)監督は自陣33ヤードから一か八かのフェイクパント。これがものの見事に失敗し、21点差つけられている相手に更なるチャンスを与えてしまいます。バックアップQBスティーヴ・アンジェリ(Steve Angeli)を送り込めば流石に相手もフェイクプレーを警戒しますよね・・・。

ただこのオハイオ州立大のドライブではホールディングの反則に助けられたノートルダム大がなんとかFGでことなきを得てスコアは31対7に。しかしそれでもこれまでの展開を考えればノートルダム大にとっては24点差はとてつもなく高い壁に感じられたでしょう。

しかし試合はここから急展開を見せます。

後のないノートルダム大はなんとしてもまず1TDを奪うべく敵陣を目指しますが、このドライブからレナードのパスプレーが冴え始めます。相手DBのパスインターフェアレンスの反則にも助けられ、オハイオ州立大陣内34ヤードまで攻め込むと、前試合のペンステート戦(オレンジボウル)で大活躍したWRジェイデン・グレートハウス(Jaden Greathouse)がレナードからの5ヤードのスラントパスを受け取り、素晴らしいスピンムーブで敵をかわしそのままエンドゾーンへ飛び込み、ようやくノートルダム大に14点目が入ります。

さらに続くオハイオ州立大の攻撃では、ハワードからのパスを受け取ったイブカからドレイク・ボーウェン(Drayk Bowen)がボールを弾き出し、それをノートルダム大がリカバーして値千金のターンオーバーを奪ったのです。

この時点で試合は第4Q残り時間14分45秒。16点差を追うノートルダム大に一筋の光が見え隠れしたのですが、ここから12プレーを約5分かけて展開し相手9ヤード地点まで到達。そして迎えるは4thダウン。

単純に計算すれば2つのTD、さらに2ポイントコンバージョンをそれぞれ決めれば16点入って同点に追いつく・・・と誰もが考えたことでしょう。しかしフリーマン監督はここでFGユニットをフィールドに送り込みます。

この時点で残り時間は約9分半。オハイオ州立大のディフェンスの厚さを考えればノートルダム大にあと何度も攻撃権が回ってくるとは考えづらく、またFGを決めても点差が13点差で2ポゼ差という状況からも、ここでFGを狙っていく意図が理解しづらかったのですが、さらに悪いことにKミッチ・ジェター(Mitch Jeter)がこの27ヤードのFGを外すという最悪の結果になってしまったのです。

奇跡の逆転勝利を目指すためにも少ないチャンスはものにしなければいけませんし、小さなミスも許されないノートルダム大としては悔やんでも悔やみきれないプレーコーリングおよびFGミスとなってしまいましたが、ディフェンス陣がなんとか踏ん張りオハイオ州立大にパントを強要。図らずも点差が変わらない状態で残り時間6分20秒という状況でノートルダム大に攻撃権が巡ってきます。

残り時間が少ない中で16点差を追うノートルダム大はあまり得意ではないと見られていたパスアタックに活路を見出す他なかったのですが、レナードがこのドライブでは1度もターゲットをミスすることなく進撃。そして残り時間4分15秒、再びレナードからグレートハウスへの針に糸を通すような30ヤードのパスTDが決まり、さらに2ポイントコンバージョンも成功して31対23とここに来て8点差のワンポゼ差までに点差を縮めてきます。

31連続得点してイケイケだったオハイオ州立大でしたが、少々守りに入ったからなのか15分以上無得点の状況が続き、その間にノートルダム大の猛追を許す形となりました。残り時間は約4分。ノートルダム大がオハイオ州立大の攻撃を止め、同点へのドライブを手に入れることも十分に考えられる時間帯。そんな中、この試合の最大の見せ場を迎えます・・・。

スーパールーキーの「ザ・キャッチ」

オハイオ州立大としてはなるべく時間を削りながら攻め続け、あわよくばノートルダム大にとって手がつかなくなる追加点を奪いたいところでした。しかし迎えた残り時間2分38秒での自陣34ヤード地点での3rdダウン&11ヤードという状況。

この地点で4thダウンを迎えればノートルダム大にとっては同点への絶好のチャンスとなります。オハイオ州立大はとにかくファーストダウンを奪えば良かったわけで、11ヤード以上のミドルレンジのプレーを選択するのが常套手段だったと考えられます。

しかしここでライアン・デイ(Ryan Day)監督はOCチップ・ケリー(Chip Kelly)氏にエースWRスミスへのゴールートを指示。そしてソフトカベレージを敷いていたCBクリスチャン・グレイ(Christian Gray)との1on1になったスミスへハワードがロングボールをトス。これを見事にキャッチしたスミスが56ヤードのゲインとなり一気にノートルダム大陣内10ヤードラインへ。

残り時間を考えればこのドライブでFGさえ決めて2ポゼ差にすれば勝利はほぼ確定と考えられていたオハイオ州立大でしたから、このハワードからスミスのロングヤードの1stダウンコンバージョンはそれだけで勝負を決定づけたと言っていいプレーとなりました。

結局このドライブで残り時間26秒でKジェイデン・フィールディング(Jayden Fielding)が33ヤードのFGをしっかりと決めスコアを34対23と11点差にしノートルダム大の反撃の機運も虚しくオハイオ州立大がそのままリードを保ったまま試合終了を迎え、見事に2014年度以来史上9度目の全米制覇を成し遂げたのでした。

オハイオ州立大の勝因

オハイオ州立大はレギュラーシーズン中にオレゴン大ミシガン大に敗戦を喫し、特に最終節のミシガン大とのライバリーゲームでの敗戦は対戦成績で4連敗となり、さらにBig Tenカンファレンス優勝決定戦出場の権利も失って、チーム内のフラストレーションは相当溜まっていたことでしょう。

しかしプレーオフに突入してからのオハイオ州立大は攻守ともにネクストレベルな強さを誇り、他の追随を許さない程の勢いでここまで勝ち進んできました。

準決勝戦のテキサス大戦(コットンボウル)では守備陣の奮闘が際立っていました。今回のノートルダム大戦では派手なQBサックなどはありませんでしたが、強力ながら若いノートルダム大OL陣にコンスタントにプレッシャーを与え続け、特にDE J.T.トゥイモロアウ(J.T. Tuimoloau)の5タックル、1サック、2TFLはさすがといったところ。

ただ後半パスがそこまで驚異的という認識がなかったノートルダム大QBレナードに投げ込まれ、結果的に255ヤードに2TDを奪われたのは意外でした。

そんな中この日光ったのがオフェンス。ランオフェンスでは2TDに100ヤードを獲得したジュドキンスに加え、ヘンダーソンとハワード3人合わせて200ヤード以上をランで稼ぎ、終始ノートルダム大ディフェンスをオフバランスにしていました。

そしてその恩恵を大いに受けていたのがハワードのクォーターバッキング。前述の通り試合開始から13投連続でパスを成功させたことから始まり、パス成功率は驚異の81%。彼のポケット内でのアウェアネスは一級品。当然OL陣のプロテクションも高評価に値しますが、走るところは走る、またスクランブルしながらも視野を広く見れる彼のクォーターバッキング術は今シーズン通してこの試合がハワードの最高のものだったと断言できます。

またハワードの3rdダウンプレーは圧巻。この状況下でのパスプレーが6回あり、そのうち4回を成功させて稼いだヤードが102ヤード。さらに3rdダウンでハワードが走った回数が5回でそのうち4回で1stダウンコンバージョンを成功させています。当然この中でも最大級の3rdダウンプレーは試合終了間際のスミスへの56ヤードのコンバージョンです。

試合後にはMVPにも選出されたハワード。NFLで活躍するQBかと言われると分かりませんが、カレッジフットボール界隈では一番いいパフォーマンスを一番最後に持ってきたという意味で最高レベルのカレッジQBと言えるのではないでしょうか。

ちなみにハワードは昨年までカンザス州立大に所属していた転校生。つまり転校生1年目で全米制覇を成し遂げたQBという訳ですが、最後に同じことをやってのけたQBはフロリダ大からアーバン大へ転校した1年目(2010年)にナショナルタイトルを獲得したキャム・ニュートン(Cam Newton)氏でした。

ノートルダム大の敗因

オレゴン大、ジョージア大、テキサス大、ペンシルバニア州立大と強豪校が名を連ねた今年のプレーオフにおいて、ノートルダム大がナショナルタイトルゲームに進出すると最初から予想していた人は多くなかったのではないでしょうか。そんな中でインディアナ大ジョージア大ペンステートを次々に薙ぎ倒してこの大舞台に辿り着いたことは当然大いに評価されるべきことです。

オハイオ州立大と比べるとオフェンシブパワーが不足していることは否めなかったノートルダム大ですが、OL陣は負けじと劣らず高いポテンシャルを秘めたユニットでした。途中怪我人が出てラインアップをシャッフルしなければなりませんでしたが、今回のオハイオ州立大戦では予想以上にOL陣がパスプロで頑張っていたように感じます。

ただランが思ったほど出ませんでした。プレーオフに入り怪我を負ってしまったエースRBジェレマイア・ラヴ(Jeremiyah Love)はシーズン通して1125ヤードを稼いだ秀逸RBですが、この日は4キャリーに3ヤードと不発。バックアップのジャダリアン・プライス(Jadarian Price)も3キャリーに13ヤード。チームハイのラッシャーはQBレナードで17キャリーに40ヤードと、チーム合計でもたったの53ヤードにとどまったが痛手でした。

当然後半追う展開となりパスに頼るオフェンスに傾倒していったことでランヤードが伸びなかったという点もありますが、QBレナードばかりに走らせてガッツリヤードを稼げるほどオハイオ州立大のディフェンスは甘くはありません。実際レナードは後半人が変わったようにパスを決め続けていましたから、あの状況下でこのスタッツ(ラン少なめ)になってしまったのはしょうがないのかもしれませんが。

あとはノートルダム大本来の強みであるディフェンスもこの日は後手に回っていたように感じます。本来は強力なマンカベレージが売りであるディフェンス陣でしたが、この日は相手のエースWRスミスを警戒したのか割とソフトな布陣を敷いていました。

得意のアグレッシブなディフェンスを敷かなかったことでアンダーニースのスペースを存分に使われた感は否めなく、それはこれまでオハイオ州立大を存分に苦しめたミシガン大やテキサス大と比べると力不足は否めなかったDL陣が相手OL陣をペネトレート出来なかったことも重なって、ハワードに面白いように攻略されてしまったということに繋がったのかもしれません。

ただ思わぬ収穫だったのは既述の通り後半レナードのパスが想像以上に活きたこと、そしてプレーオフを通じて開花したWRグレートハウスの存在です。前半のあの状態をして試合終盤にワンポゼ差にまで詰め寄れたのはレナードとグレートハウスの覚醒があったからでしょう。

総括

ということで2024年度のカレッジフットボールシーズンはオハイオ州立大がノートルダム大を下し、2014年度ぶり9度目の全米制覇を成し遂げました。トータル数では1位のアラバマ大(16回)、2位のノートルダム大(13回)、3位のミシガン大(10回)に続き史上4番目の優勝数となります。またCFPに限って言えば3回のアラバマ大に続きジョージア大クレムソン大と並んで2回目のナショナルチャンピオンです。

今シーズンから12チーム制度となり参加校が増えました。そんな中で試合数も増えタイトルを取るのが難しくなったと言われる中、オハイオ州立大はファーストラウンドでCFPランキングで7位だったテネシー大、準々決勝戦で1位だったオレゴン大、準決勝戦で3位だったテキサス大、そしてタイトルゲームでは5位だったノートルダム大を倒すという荒技をやってのけました。

もっと言えば、シーズン中には4位のペンシルバニア州立大、8位のインディアナ大も倒しており、全米制覇までの道のりを振り返れば彼らの業績に文句をつける人はまずいないでしょう(ミシガン大ファン以外は・・・)。

さらにAP(アソシエーテッドプレス)ランキングだけで見てみると、今季オハイオ州立大は対戦時のランキングで1位から5位までの5チーム全てを下しているというとんでもない記録も残っています。これはAPランキングが導入された1936年以降だと1943年のノートルダム大、1967年のサザンカリフォルニア大、2019年のルイジアナ州立大に続き4チーム目の偉業だそうです。

オハイオ州立大は2021年から連続で永遠のライバル・ミシガン大に敗れ続けていましたが、そのミシガン大からジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督が去り(LAチャージャーズへ移籍)、2024年度こそその覇権を取り戻すということを目標に掲げていたことでしょう。しかし今年もミシガン大に敗れて4連敗。Big Tenタイトルも獲得できず、ファンの怒りの矛先はライアン・デイ監督に向けられていました。

デイ監督はナショナルタイトルを最後に獲得したアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督の後任ということで常に全米制覇を期待されてきましたが、なかなかそこに手が届かずにいました。しまいにはミシガン大との対戦成績は1勝4敗となり、風当たりは強かったのです。しかしながら今回ついに全米タイトルを獲得し、同校のレジェンドでもあるポール・ブラウン(Paul Brown)氏、ウディー・ヘイズ(Woody Hays)氏、ジム・トレッセル(Jim Tressel)氏、そしてマイヤー氏と並び称されるタイトルホルダーとなったのでした。

その重積から解放されたからか、試合終了直後にはヘッドフォンを宙にぶん投げて喜びをあらわにするなど普段ではあまり見られないような姿を見ることができました。これで大舞台では勝てない監督というレッテルを払拭することができたのですから彼の気持ちも十分に分かります。

ちなみにオハイオ州立大は前述の通りBig Tenカンファレンスのタイトルを取らずに全米タイトルを手に入れた訳ですが、これは1936年のミネソタ大、2011年と2017年のアラバマ大に次ぎたったの4つ目のケースとなります。また2敗したのにも関わらず全米優勝を果たしたのは1960年のミネソタ大、2007年のルイジアナ州立大に続き3チーム目。非常にレアなケースということが言えますが、これはやはり参加チームが12チームに増えたことが影響しています。

もっと言えばCFPランキングで6位だったオハイオ州立大は、昨年までの4チーム制度のプレーオフだったら出場権すら得ていなかった訳ですから、その恩恵を大いに受けたチームだと言えます。そういえば2014年度に彼らが優勝した時はCFPが初めて導入されたシーズンでしたから、制度が大きく変わる節目にオハイオ州立大が全米制覇を成し遂げているいうのも何かの縁なのでしょうか。

一方のノートルダム大ですが、彼らは惜しくも1988年以来の全米制覇を逃しました。確かに過去2度CFPに出場し、2012年度にはその前身であるBCS(ボウルチャンピオンシップシリーズ)でタイトルゲームにも出場しましたが、長い間全米タイトルを本当に争える強いチームを輩出してきたかと言われれば、素直に首を縦に触れない印象がありました。

しかしフリーマン監督3期目でここまでのチームに成長したのは圧巻ですし、試合出場を果たした選手たちの中には若い連中も多く、今後もますます期待ができそうなチームになっていると思います。彼らもプレーオフで3つのトップランカーたちを薙ぎ倒してきた訳ですから、まぐれでタイトルゲームに進出できたのでは決してありません。

彼らもオハイオ州立大と同じく12チームに出場枠が拡張したおかげでプレーオフ進出を成し遂げたチームですが、オハイオ州立大に一時はあと8点差まで迫ったことからも、やりようによっては彼らにも優勝のチャンスはあった訳です。そういったことからも今季のノートルダム大の躍進は大いに評価されるべきだと思います。

フリーマン監督という、若くカリスマ性のある監督を擁したノートルダム大は、今後これまでのコンテンダーとされてきたアラバマ大、ジョージア大、オハイオ州立大といったチームと肩を並べて優勝候補の一角に数えら得れるチームとなる要素を大いに秘めたチームだと感じさせてくれました。

===

というわけでこの試合で2024年度の全ての行程が終了。今年度も大いに楽しませていただきましたが、一方で次の試合がないという不思議な感覚にも襲われています。ちょっと寂しいですが、兎にも角にも長いシーズンを戦い抜いて素晴らしい試合を見せてくれた選手・コーチ達に感謝したいと思います!

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