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オハイオ州立大のコーチング事情

オハイオ州立大のコーチング事情

オハイオ州立大がコーチ陣のシャッフルを行ったようですが、その内容がちょっと気になります。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

つい先日NFLテネシータイタンズヒューストンテキサンズのディフェンシブコーディネーターだったマイク・ヴラべル(Mike Vrabel)氏を新監督に迎えました。そしてヴラべル氏はオハイオ州立大のQBコーチであるライアン・デイ(Ryan Day)氏に新体制下でのオフェンシブコーディネーター就任を打診したということです。

ヴラベル監督は元オハイオ州立大のラインバッカーだったという背景はありますが、デイ氏と直接的なコネクションは見当たらないということです。しかし掘り下げていくとなぜ彼がデイ氏に触手を伸ばしたのか見えてきました。

デイ氏は2017年シーズンがオハイオ州立大での初年度となりましたが、以前にはフィラデルフィアイーグルスサンフランシスコ49ersでQBコーチをしていました。このチームの当時のヘッドコーチはチップ・ケリー(Chip Kelly、現UCLA監督)だったのですが、実はデイ氏はかつてケリー氏がOCを務めていたFCSニューハンプシャー大でQBとしてプレーした過去があり、ケリー氏とデイ氏は繋がりがあったわけです。

そしてブラベル監督が就任したタイタンズのQBはマーカス・マリオタ(Marcus Mariota)。彼は2014年にハイズマントロフィーも受賞した元オレゴン大のQBです。そして彼をオレゴン大にリクルートして1年生時に指導したのが前出のチップ・ケリー氏だったのです。

タイタンズの昨年までのOC、マイク・ムラーキー(Mike Mularkey)氏はマリオタのQB育成に失敗したとしてヴラベル氏陣営に入ることはありませんでした。マリオタが大学時代に大成したのはケリー氏及び彼を継いだマーク・ヘルフリッチ(Mark Helfrich)氏に寄るところに大きいと言われており、マリオタが精通しているシステムを導入して彼をQBとして昇華させる為にオレゴン大並びにケリー氏のシステムを知っているデイ氏に白羽の矢が立ったと見てもいいのかもしれません。また、オハイオ州立大でも昨年度のQBだったJ.T.バレット(J.T. Barrett)は前年度から比べてパサーとして格段に進歩。2016年度のQBレーティングが55位だったのに対し、2017年度は8位にまで急上昇。これもデイ氏の指導の結果ということで、彼がQBコーチとして秀でていることは確かな事実です。

が、結局デイ氏はヴラベル氏のオファーを蹴ってオハイオ州立大に残留することになったのですが、それだけではなくチームはデイ氏をオフェンシブコーディネーターへ昇格させたのです。

ここで気になるのはオハイオ州立大にはすでに元インディアナ大監督のケヴィン・ウィルソン(Kevin Wilson)氏というOCが健在であるということ。デイ氏は昨年共同OC(Co-Offensive Coordinator)という肩書きを持ってはいたものの、ウィルソン氏がコーディネーターという形を取っていました。今回デイ氏からこの「Co」の肩書きが外れフルタイムのOCになるということですから、「じゃあウィルソン氏はどうなるんだ?」ということになりますよね。

デイ氏の昇格に関して以下がアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督のコメントです。

「昨年から我々仕事を共にしているライアンが素晴らしい手腕を持つコーチであることは明らかです。彼は今オフシーズンに数々の大学チームからアプローチを受け、またNFLのチームからもオファーがくるほどです。ですから彼が来年も再び我々チームと共にすることを選んでくれたことに大変喜んでいます。今後も彼は我々の素晴らしい若い選手たちの指導者として彼らを導いてくれることでしょう。」

また大学側はこのような声明を発表しています。

「ケヴィン・ウィルソン氏の役割は今後微調整されますが、デイ氏は今後もQBコーチを努めながらウィルソンと共にオハイオ州立大のオフェンスを指揮することになります。」

今のところ上の説明では二人がどのようにコラボレートしていくのかよく見えませんので、どうなるかはチームが指導してからのお楽しみとなりそうです。

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