ニューオフェンス【ルイジアナ州立大プレビュー】

ニューオフェンス【ルイジアナ州立大プレビュー】

2016年度シーズン途中にレス・マイルズ(Les Miles、現カンザス大)監督を解雇したルイジアナ州立大(LSU)はDLコーチだったエド・オルジェロン(Ed Orgeron)氏を臨時監督に任命。そして2017年にはオルジェロン監督体制が正式に発足。その年を9勝4敗とすると昨年は10勝3敗として見事二桁勝利を飾りました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

マイルズ体制下でのオフェンスはランを主体としたどちらかと言うと単調なオフェンスが特徴的でしたが、オルジェロン監督はそのスタイルから脱しようと様々な試みをしてきました。臨時監督に就任するとまずはマイルズ監督時のOCだったキャム・キャメロン(Cam Cameron)氏を同時に解雇し、その後釜にはTEコーチだったスティーヴ・エンスミンガー(Steve Ensminger)氏を起用しそのお陰で2016年度の残りのシーズンはパスオフェンスは劇的に改善されました。

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今年3年目を迎えるLSUのオルジェロン監督

しかし何を思ったのかオルジェロン監督はそのエンスミンガー氏をTEコーチに「降格」させ、当時ピッツバーグ大で名を馳せいていたOCマット・カナダ(Matt Canada)氏を招聘。高額の契約金とメディアの注目度から期待がかかりましたが、ミシシッピ州立大に負け、格下トロイ大に番狂わせを食らうとランキングから脱落。またオルジェロン監督とカナダ氏の馬が合わず、シーズン後にたったの1年でカナダ氏と袂を分かつことに。

参考記事ルイジアナ州立大の行く末

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鳴り物入りでLSUにやってきたOCカナダ氏(右)でしたがオルジェロン監督と馬が合わず・・・

結局オルジェロン監督はエンスミンガー氏をOCに戻し2018年度シーズンを迎えます。ファンの期待度の高さで知られるLSUでは既に開幕時にオルジェロン監督は「ホットシート」(後のない監督に用いられる表現)コーチ扱いを受けていましたが、8位(当時)のマイアミ大と7位のアーバン大を倒すとファンたちの評価は一変。オルジェロン監督はその追い風に乗って10勝シーズンを送ることに成功したのです。

レナード・フォーネット(Leonard Fournette、現ジャクソンビルジャガーズ)やダリウス・ガイス(Derrius Guice、現ワシントンレッドスキンズ)などのような、LSUの顔といえるRBを擁すことなく二桁シーズンを送ることが出来たのは、オハイオ州立大からの転校生であるジョー・バロウ(Joe Burrow)の存在です。

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昨年LSUオフェンスに一筋の光明をもたらしたQBバロウ

これまでのLSUといえば先にも述べたように強力なディフェンスとRBを軸としたパワーオフェンスでボールコントロールを旨とするチームでした。しかしスプレッドオフェンスが主流となってくるとそのオフェンスは時を経て時代遅れと化し、それがマイルズ前監督の解雇に繋がったとも言えます。LSU出身のパサーQBとしてある程度大成したQBといえば最近ならば2007年度にナショナルタイトルを獲った時のQBであるマット・フリン(Matt Flynn)氏ぐらい。つまりオルジェロン監督としては是非とも頼れるパサーが喉から手から出るほど欲しかったのです。

そこに来るとバロウは近年のLSUオフェンスとすれば平均以上のパフォーマンスを見せてくれました。そのせいか昨年のオフェンスはランで全米59位、パスで66位、トータルオフェンスで68位、スコアリングオフェンスで37位と、驚くほどの数字ではないものの均等の取れたものに変化しました。

そして2019年度シーズンですが、1000ヤード超えRBニック・ブロセット(Nick Brossette、現ニューイングランドペイトリオッツ)がチームを去ったものの10勝を挙げた昨年度よりも更にファンの期待度は上がっています。各誌のプレシーズンランキングでも軒並みトップ10位内にランクされており、開幕前の評価も上々です。

オフシーズンには元ニューオーリンズセインツコーチのジョー・ブレディ(Joe Brady)氏をパスゲームコーディネーターとして迎えましたが、彼のおかげかバロウを主軸とするパスオフェンスにはさらなる向上の兆しが見られ、オルジェロン監督が就任して以来目指していた最新のオフェンスの形に近づきつつあるようです。またブレディ氏はWR陣も指導しており、能力があるものの結果を残せていないWR達のコーチングにも余念がありません。昨年活躍したジャスティン・ジェファーソン(Justin Jefferson)がさらなる飛躍を遂げてくれるとなおのことチーム力の増強に繋がります。またテラス・マーシャル(Terrace Marshall Jr.)やジャマー・チェイス(Ja’Marr Chase)ら若手の伸びも待たれるところです。

またバロウはパス能力も然ることながらタフなランナーであることも知られています。この能力をブレディ氏が放っておくはずがなく、ブレディ氏はさらにラン・パスオプションをこの春インストールし、速いテンポのオフェンスと相まってこれは相手ディエンスにとって脅威になることでしょう。

そしてバロウを守るOL陣ですが、昨年怪我で泣かされたものの今年は経験値を増したタレント力の高い選手が頭数を揃えることになりそうですから、シーズンを通して良くなっていくことが見込めそうです。彼らにとっての鍵は安定感。それを発揮できればバロウのパス、そしてランゲームも持てる力を発揮できるというものです。いずれにしてもエンスミンガー氏とブレディ氏の手腕が試されるシーズンとなります。

パサーとしてのポテンシャルを見せてくれたバロウを擁しLSUはようやく空中戦でも相手ディフェンスを崩せるユニットを世に放つことが出来そうです。バランス感と爆発力があり結果を残せるオフェンスをすれば、その潜在能力を開放できれば昨年を超えるシーズンを送ることも可能でしょう。しかし最大の壁は同じサウスイースタンカンファレンス(SEC)西地区所属のアラバマ大。長く続くライバル関係でありながら、アラバマ大には現在8連敗中。彼らを倒さなければSECタイトルもナショナルタイトルも見えてきません。それを達成することは至難の業ですが、11月9日のこの対戦は今から目が離せません。

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