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元USCブッシュ氏、未だに母校へ戻れず

元USCブッシュ氏、未だに母校へ戻れず

カレッジフットボールのここ10年から15年間を振り返った時に思い浮かべることが出来る名選手に元サザンカリフォルニア大RBのレジー・ブッシュ(Reggie Bush)氏が挙げられると思います。2003年から2005年にチームで活躍し、その類まれなる身体能力でカレッジフットボール界を席巻。2003年時にはAP通信の定めるナショナルチャンピオン、2004年にはAP並びにBCSナショナルチャンピオンに輝き、2005年にはカレッジフットボール界の最高峰アワード、ハイズマントロフィーも受賞。押しも押されるスーパースターとしてその名を馳せました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

しかし2004年からブッシュ氏がNCAAが禁止している金銭授与を大学外から受けていたことが発覚。このことによりサザンカリフォルニア大は2004年のナショナルタイトル、及び2005年の記録がすべて抹消。また2010年度から4年間の制裁を科せられ、この結果2010年と2011年のボウルゲーム出場禁止(カンファレンスチャンピオンシップゲームを含む)、そして2010年から3年間30人分のスカラシップ(スポーツ奨学金)の削減が実行されたのです。

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USC時代のブッシュ氏

そしてその騒動の源ともいえるブッシュ氏に至っては大学内から彼に関する全てのもの(ハイズマントロフィーのコピーや彼のレプリカジャージーなど)を撤去。そしてNCAAはブッシュ氏がサザンカリフォルニア大との一切の接触を禁じるという大変厳しい規制を行ったのです。ブッシュ氏が保持していたオリジナルのハイズマントロフィーも剥奪されることが濃厚になり、結果ブッシュ氏が自らトロフィーを返還し、2005年の受賞者は空席となる事態に陥ったのです。

プロ入りするとニューオーリンズセインツに入団。5年在籍した後マイアミドルフィンズへ移籍。ここで2011年と2012年に活躍して2年合わせて2000ヤード超えを達成すると2013年にデトロイトライオンズへ。初年度には1000ヤード以上を足で稼ぎその存在感を見せますが、彼のプロでの活躍はここまで。2016年にバッファロービルズでプレーしたのを最後に2017年には現役引退を表明していました。

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ブッシュ氏は今シーズンからアメリカの大手ネットワークであるフォックススポーツの専属スタジオアナリストとなり、大学時代のチームメートでもあるマット・ライナート(Matt Leinart)氏とタッグを組みESPNの「カレッジゲームデー」に対抗するようなプリゲームショーに登場予定。ここには元オハイオ州立大監督のアーバン・マイヤー(Urban Meyer)氏も加わることになっています。

しかしこういう立場になると自ずと全米各地のチームに赴いてインタビューをするような機会も出て来るでしょう。そうなるとブッシュ氏はサザンカリフォルニア大にはキャンパスに足を生み入れることすら出来ない状況のために、母校に取材に行くことはかなわないということになります。

そこでサザンカリフォルニア大はかつてのスーパースターを再び迎え入れられるようにNCAAに打診。しかしその願いはあっけなくNCAAによって打ち砕かれてしまいました。これまで大学は3度NCAAに考えを改めるよう懇願してきましたが、今のところその願いは門前払いを食らっているということです。

「USCはこれまで何度もレジー(ブッシュ)をキャンパスに迎え入れようと努力してきましたが、NCAAは我々とレジーを永久的に引き離したいのです。もしそれに従わなければ彼らは我々に追加の制裁を下すことでしょう。今後も我々はレジーを再び迎え入れるために努力していくつもりです。」とはサザンカリフォルニア大体育局からのコメントです。

今年からブッシュ氏の同僚となるライナート氏もこれに関して、「私も彼に関する状況がどのようなものかは十分把握しています。しかしあの事があってからもうすでに13年も経って居るにも関わらず、未だにレジーに影を落としている。NCAAにはぜひ水に流して前に進んでもらいたい。もうこんなことは終わらすときです。馬鹿げています。」とパートナーを擁護しています。

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当時のブッシュ氏の活躍は、ピート・キャロル(Pete Carroll、現シアトルシーホークス)監督指揮下のダイナスティーもあり他とは一線を画していました。ときにカレッジフットボールではこの選手にボールを預ければなんとかしてくれるという稀有な選手が存在しますが、ブッシュ氏はまさにそんな選手でした。それだけに彼の犯した規則違反、そしてそれに伴う制裁は非常に残念ですし、彼の選手としての偉大さに泥を塗ってしまった形になります。

NCAAとしては今後似たような事が起きないようにブッシュ氏を人身御供として見せしめたいのでしょう。永久に母校とはコンタクトが取れないということですが、将来的にブッシュ氏が許される日は来るかもしれません。その日が来るまでブッシュ氏はサザンカリフォルニア大へ取材へはいけませんが、その任を同僚のライナート氏に任せられるというのは不幸中の幸いとでも言えましょうか(苦笑)。

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