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2021年ナショナルサイニングデー終わって・・・

2021年ナショナルサイニングデー終わって・・・

ナショナルサイニングデー

そして2021年のNSDは2月3日に行われました。ただ前述の通り多くの目玉選手たちはすでにESPで進学先を公表してしまったため、NSDはかつて程の注目を浴びなくなってしまいました。

が、だからといって署名時のドラマや駆け引きがなかったわけではありません。ESPで進学先を決めなかった有能リクルートたちがどの大学に進学したのかというのはメディアやファンにとっては気になる情報だったことでしょう。

そしてESPならびにNSDを終えた時点でのリクルーティングランキングは以下のとおりです。

(カッコ内の数字はリクルートの人数)

1. アラバマ大
★★★★★ (7)、★★★★☆ (16)、★★★☆☆ (4)
2. オハイオ州立大
★★★★★ (5)、★★★★☆ (13)、★★★☆☆ (3)
3. ジョージア大
★★★★★
(4)、★★★★☆ (11)、★★★☆☆ (5)
4. ルイジアナ州立大
★★★★★
(2)、★★★★☆ (15)、★★★☆☆ (5)
5. クレムソン大
★★★★★ (3)、★★★★☆ (14)、★★★☆☆ (2)
6. オレゴン大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (19)、★★★☆☆ (4)
7. テキサスA&M
★★★★★
(1)、★★★★☆ (16)、★★★☆☆ (6)
8. サザンカリフォルニア大
★★★★★
(1)、★★★★☆ (14)、★★★☆☆ (7)
9. ノートルダム大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (12)、★★★☆☆ (15)
10. ミシガン大
★★★★★
(1)、★★★★☆ (12)、★★★☆☆ (10)
11. オクラホマ大
★★★★★
(1)、★★★★☆ (12)、★★★☆☆ (3)
12. マイアミ大
★★★★★
(2)、★★★★☆ (11)、★★★☆☆ (8)
13. フロリダ大
★★★★★
(1)、★★★★☆ (12)、★★★☆☆ (9)
14. ノースカロライナ大
★★★★★
(1)、★★★★☆ (11)、★★★☆☆ (7)
15. ウィスコンシン大
★★★★★
(1)、★★★★☆ (5)、★★★☆☆ (15)
16. テネシー大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (9)、★★★☆☆ (12)
17. テキサス大
★★★★★
(1)、★★★★☆ (9)、★★★☆☆ (11)
18. ミシシッピ大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (7)、★★★☆☆ (18)
19. メリーランド大
★★★★★
(1)、★★★★☆ (4)、★★★☆☆ (18)
20. ネブラスカ大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (4)、★★★☆☆ (16)
21. ペンシルバニア州立大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (6)、★★★☆☆ (10)
22. フロリダ州立大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (7)、★★★☆☆ (10)
23. アイオワ大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (7)、★★★☆☆ (12)
24. アーカンソー大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (3)、★★★☆☆ (19)
25. ミシシッピ州立大
★★★★★
(0)、★★★★☆ (5)、★★★☆☆ (17)

リクルートの評価は5つ星が最高で星が減ることに当然評価も下がるわけですが、その評価の目安は以下のとおりです。

  • 5つ星・・・即戦力のスター選手。トップ32位内の評価。
  • 4つ星・・・先発出場が期待できる選手。トップ300位以内の評価。
  • 3つ星・・・すぐに先発出場とは行かなくても育成によってはその可能性がある選手。上位10%以内の選手。
  • 2つ星・・・脇役プレーヤー。

おそらく注目すべきは4つ星まででしょう。(といっても先日カンザスシティチーフスにスーパーボウル優勝をもたらした元テキサス工科大QBパトリック・マホームズは3つ星リクルートでしたが)。ちなみになぜか1つ星は存在しません。

ブルーチップという呼ばれ方もする5つ星アスリートは全部で32選手。その約4分の1をアラバマ大が持っていったという事実も凄いですが、サウスイースタンカンファレンス(SEC:アラバマ大、ジョージア大、ルイジアナ州立大、テキサスA&M大)出身チームだけで全体の約半分となる15人を囲ったという事実も侮れません。SECがトップを牛耳り続けている背景を垣間見ることができます。

筆者的にはこのランキングが即戦力としての力関係に大きく影響するとは考えていません。それよりもこれらの選手たちが育っていく2年目以降のチーム状況を予想する上では多少の目安になるかもしれません。

しかしもっと重要なのは戦力というよりも今現在のカレッジフットボールの勢力図というかトレンドが垣間見れるということです。

今年のリクルーティングランキングで首位を獲得したのは2020年度全米チャンピオンのアラバマ大でした。これでニック・セイバン(Nick Saban)監督が就任して以来度目のリクルーティングランキング1位。彼らが長くカレッジフットボール界の頂点に君臨し続けている理由がよく分かる結果です。

しかもリクルーティングメディアの最大手である「247.com」によるとアラバマ大が獲得したリクルーティングポイント(327.91点)はこれまでのランキングで史上最高だった2010年のフロリダ大のリクルートクラス(324.62点)を抜いて最高ポイントに。つまり2021年のアラバマ大のリクルートクラスは史上最強の軍団(ポテンシャル的に)だということが言えるのです。

彼らが勧誘に成功した27人の平均評価点(100点満点)が95点というのも凄まじいです。量だけでなく質も高いという非の打ち所のない2021年のアラバマ大のリクルートクラス。おそらく若い選手たちの心を惹きつけたのは昨年度のアラバマ大の快進撃でしょう。

当然全勝で王座に輝いたという事実は見逃せませんが、新型コロナのパンデミックという状況下で全くブレずに一丸となって全米の高みに上り詰めたあの姿がリクルートたちだけでなく彼らの保護者たちには神々しく映ったことでしょう。「セイバン監督に預ければ将来は安泰だ」と思った親が続出したと考えてもおかしくはありません。

セイバン監督がアラバマ大にやってきた2007年以来、彼がリクルートしてきた選手はもれなくいずれかの年で最低1度はナショナルタイトルを獲得しています。(2009年、2011年、2012年、2015年、2017年、2020年)。この事自体が信じられないのですが、特に2017年度のリクルートクラスのメンツは凄まじいことになっています。

昨季ハイズマントロフィーを受賞したWRデヴォンテ・スミス(DeVonta Smith)、ファイナリストのQBマック・ジョーンズ(Mac Jones)、投票結果で5位だったRBナジー・ハリス(Najee Harris)、アウトランドトロフィーを獲得したアレックス・レザーウッド(Alex Leatherwood)という今季大活躍した選手を始め、QBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa、現マイアミドルフィンズ)、WRジェリー・ジュディ(Jerry Jeudy、現デンバーブロンコス)、WRヘンリー・ラグス(Henry Ruggs III、現ラスベガスレイダース)など現在NFLですでに活躍している選手も多数。このクラスが史上最強だという声が聞かれたばかりでした。

しかし2021年のクラスは2017年のクラスを数字の上では超えてくるというポテンシャルの高い集団。そして2017年クラスはオフェンスの選手に偏りがちだったのに対し、今回の2021年クラスは攻守にバランスが取れたクラスだと高評価を得ています。もちろん大学に入って期待はずれな選手が居ないとも限りませんが、大学で大成するかどうかはさておきそのようなポテンシャルの高い選手をここまで多数勧誘に成功したという事実が歴史的なのです。

一方、今オフないし昨オフに就任したばかりの監督がいる大学は今回のリクルーティングでは苦戦しました。

というのも、先に紹介したパンデミック下でのリクルーティングの制限の余波をモロに受けているのがそのような「新人HC」だからです。自分がリクルートしたわけでもない、実際にあったこともない選手をチームに引き寄せるのは大きな賭けです。

例えば1年目を終えたばかりのマイク・ノーヴェル(Mike Norvell)監督率いるフロリダ州立大は17人、ジミー・レイク(Jimmy Lake)監督率いるワシントン大は15人、今オフにブライアン・ハーシン(Bryan Harsin)監督を雇ったばかりのアーバン大は16人、シェーン・ビーマー(Shane Beamer)監督が就任したばかりのサウスカロライナ大にいたってはたったの13人しかリクルートを囲うことが出来なかったのです。

そこで重宝するのが「トランスファーポータル」入りした転校生候補たちの勧誘です。

トランスファーポータルとは何らかの理由で転校することに興味をもった選手たちが登録する制度のことで、このポータルに名を連ねることによって全米中のコーチ達がそのような選手たちの存在を知ることが出来、彼らが選手にコンタクトをとることが許されるのです。

このシステムが導入されてからというもの、試合出場の機会を求めたり、コーチ陣と反りが合わなかったり、その他にも様々な理由で多くの選手たちがポータル入りを宣言する機会が増えました。その背景には選手たちの上昇志向とかプロ志向が存在しており、出場機会に恵まれないのならそこで何年も先発争いをして時間を浪費するよりも新天地でより確実にプレーのチャンスを手に入れることを視野に入れています。これにより自分の腕も磨けますし、何よりもNFL関係者にアピールする機会が増えることになるのです。

そういった選手には大なり小なりカレッジでのプレー経験はあるわけで、彼らを戦力補充のためにリクルートする大学が増えてきました。場合によっては高校生リクルートとトランスファー選手のリクルートの割合が5割ずつなんてチームもあるようです。

===

未だにまだ数名の高校生がどの大学にも進学を決断をまだしていません。その中には有力選手も何人かいるようですが、リクルーティングで成功したからといってチームが絶対的に強くなるとは言い切れませんし、星の数が少ないからといって活躍できないということでもありません。当然もって生まれたものは指導の仕様がありませんから、ポテンシャルの高い選手を多く加入させるほうが特撮であるのは確かです。しかし3つ星でも成長して大学そしてその先のNFLで活躍するは腐るほどいるわけで、リクルーティングの結果だけをみてチームの強さを図ることはスべきではないと考えます。

それよりもむしろリクルーティングランキングを見るならば、どのチームが今波に乗っているのか、そして2年後3年後にはどのようなチームに変貌を遂げるのかを想像する方のが正しい見方なのではないかと個人的には感じます。

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