ミシシッピ州にはミシシッピ大とミシシッピ州立大という二つのSECチームがあります。この二つがこの州を代表する「顔」」ですが、特にここ最近ではミシシッピ大の台頭には目を見張るものがあります。しかしそれと同時に彼らがNCAAルール違反(主にリクルーティングで)を犯していたことが明らかになり、先日自主罰則を決めたばかり。ミシシッピ大のルール違反には調査のメスが入ってから長いこと経ちますが、その尾を引けば引くほどチームのイメージは悪くなる一方です。
そんな状況を見かねたミシシッピ州の議会は同州の稼ぎ頭であるミシシッピ大を救うべく、新たな法案を提出しました。
それはNCAAの調査を早めるために、その調査に締め切り日を設定してそれ以内に調査を終えなければ罰金を課す、というもの。
ミシシッピ州議員のトレイ・ラマー議員は「先行きが分からない調査が長引くほど、状況を悪くする傾向にあります。これはそれを防ぐための法案であります。」とこの新法案への経過を話しました。
ミシシッピ大に最初に調査のメスが入ったのが4年前。そして昨年に明らかになったラレミー・タンシル(Laremy Tunsil)の件でNCAAは再調査を始めました。調査の結果ミシシッピ大にはルール違反が認められたのですが、同大学に与えられた反論の期間は9ヶ月間のみと限られたものとなったのでした。
この法案によれば6ヶ月以内に調査を終えなければその締め切りを過ぎてから1日おきに1万ドル(約100万円)の罰金を調査対象となっている大学にNCAAが支払わなければならないというものです。
「NCAAが我がミシシッピ州でビジネスを行っていて、彼らには彼らの仕事があることは承知しています。もちろん私は彼らに彼らの仕事を全うしていただきたい。ただ彼らにはきっちりと期間を決めてその期間内にやるべきことを終わらせて欲しいのです。彼らがミシシッピ大に対して4、5年もの間調査を行っているのは長すぎるのです。」とラマー氏は続けます。
ただ現実的にいって毎年数え切れないほどの法案が提出されている中、このような内容のものが議題にあげられるとは考えにくいです。とはいえ、一議員が自身が所属する州のチームを救うためにここまでするというのがすごいですよね。米深南部ならではともいえるでしょうか。