グランブリング州立大のNILディール

グランブリング州立大のNILディール

FCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)所属のグランブリング州立大は先月全てのスカラシップ選手(スポーツ奨学金を授与されている選手)全員に新たなNILのディールをお膳立てすることを発表しました。

NIL(Name/Image/Likeness)とは自身の肖像権等を用いてお金稼ぎができるという新たな仕組みですが、昨年7月からこの新たな仕組みが解禁となり個人単位で100万ドル(1ドル100円計算で約1億円)ものお金を手にする選手すら現れたとかいう報道もされています。

参考記事NILでひと儲け!

NILを取り締まるルールが皆無であることから野放し状態であるのが現状のNIL事情。ただNILで大金を手にできるのは一部の「スター選手」のみとされ、その他の選手はNILでどれだけの収入が期待できるのかは未知数です。

しかも上に紹介したような大金を手にできる選手というのは大抵名門や大御所チームに所属している選手たちであり、そうでない大学とは長い目で見ると格差が生まれてくるのは目に見えています。プレーすることでお金を受け取ることはできないとは言え、そういったメジャーチームに進学すれば自分にもNILを通して大金を手にできるかもしれないということはリクルーティングにおいても大きな役割を果たすでしょう。

そうなればFBS(フットボールボウルサブディビジョン)の中でも中堅と言われる「グループオブ5」勢やFCS以下のNCAAチームとの差はどんどん広がるばかりです。

そこでグランブリング州立大が個人単位ではなくまとめて選手たちに何らかしらのNILディールを補助することにしたのだそうです。個人レベルならば到底「パワー5」勢の選手には太刀打ちできませんが、大学の後押しがあればそれも可能になるという訳です。

ただ大学自身がNILディールを選手に授与することは禁止されていますから、おそらく大学側が外部からのNILディールを斡旋するとかそういう橋渡し的な機能をしているのではないかと予想されます。(これも禁止されていたと記憶していたのですが、大学側が実際にお金を払わなければいいみたいです)

ディールの詳しい中身はわかっていませんが、こういった感じで選手全員が大学の斡旋を通じてNILディールを受け取るのは初の試みとなります。

こうすることで大学生はスカラシップ(奨学金)の他に金銭的な収入が生まれるということで、プレーの対価での収入ではないとしても、実際大学チームに所属することでお金が入ってくる訳ですから、金銭的に不自由な選手や将来に向けて貯蓄したい選手(その多くの選手は遊ぶために使っちゃうかな?)にとってはプラスなニュースです。

HBCU(Historically Black Colleges and Universities、主に黒人学生を受け入れる大学)系の大学として知られるグランブリング州立大としては、家計が苦しいような家庭出身の黒人選手たちをリクルートする際にこれは大きな武器となるでしょう。これまでが学位を取るため、そしてカレッジフットボールを経て狭き門でもあるNFLへ挑戦するために大学を選んできた選手たちが、第3の目的としてNILを通じて何らかの収入を得るために大学を選ぶという選択肢が増える訳です。

グランブリング州立大は今季からNFLのベテランコーチであるヒュー・ジャクソン(Hue Jackson)氏がチームを率いますが、新たな試みでもあるNILディールを利用して所属選手たちに経済的な救いの手を差し伸べるだけでなく、長い目で見たリクルーティング戦略としてもこのグランブリング州立大の試みは新鮮です。

ところで・・・

グランブリング州立大と言えば前回のまとめニュースで元ベイラー大HCのアート・ブライルス(Art Briles)氏をオフェンシブコーディネーターに起用したことをご紹介しました。

参考記事これまでのニュースまとめ【Vol. 3

ブライルス氏はベイラー大を強豪チームに育てるもチーム内の風紀の乱れの責任を取る形で解雇され、以来そのスキャンダルの影響でカレッジレベルでのコーチング復帰から遠ざかっていました。しかし今回ジャクソン新監督がグランブリング州立大の新攻撃コーディネーターとしてブライルス氏を雇ったのですが・・・。

この起用法に予想通り内外から非難が集中。曰く付きの人物を雇用するのではなく将来性のある黒人コーチを起用すべきだという声もあり、雇用が決まった直前からこの起用法には多くのバッシングが浴びせられました。

そして就任からわずか4日でブライルス氏は自ら辞任。自分の存在のせいでチームに迷惑をかけられない、というのが辞任理由のようです。

この騒動を見てみるといまだにブライルス氏の背負う十字架は相当重いことが再確認できましたし、どうやらこれだとブライルス氏が今後カレッジチームでコーチをすることはなさそうだと思わされました。

当然ベイラー大での彼のミス(選手たちに適切な指導を行わなかったとか事実を隠塀しようとしたとか)は消えることのないものですが、ここまでアレルギー反応があるとは正直思いませんでした。弱小だったベイラー大を一時的とは言え戦える集団に変えたブライルス氏の手腕を考えると残念だとしか言いようがありません。

*グランブリング州立大とブライルス氏の騒動は下のスタンドFMのライブ配信でも話しましたので是非ご試聴ください!

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