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スカウティングコンバインの風景【2022年NFLドラフト】

スカウティングコンバインの風景【2022年NFLドラフト】

カレッジフットボール選手の中でも高い能力を持っているごくわずかな選手が大学でのキャリアを終えた次に目指すのは当然プロの世界であるNFLです。ただそこにたどり着けるのはNCAAでプレーする大学生の全体のうちの5%にも満たないということで、その華やかな世界に足を踏み入れることはそう容易いことではありません。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

そのNFLへの扉を叩くために候補者たちは数々のプロセスを踏まなければなりませんが、その中の一つに「スカウティングコンバイン」があります。

単純にコンバインと略されることもありますが、これはプロ入りを目指すエリート選手の中でも特に選ばれた選手だけが招待されるイベントであり、これはそう言ったトップアスリートたちを一堂に集めて彼らの運動能力や身体測定、さらにはインタビュー(記者会見)やNFLチームとの面接を通じて彼らがプロ選手としてどれだけの素質を持っているかを品定めする「見本市」のようなものです。

40ヤードダッシュでは俊足性を、コーンドリルでは俊敏性を、ベンチプレスではパワーを、幅跳びと垂直飛びでは跳躍力を、そしてポジション別のスキルテストでは選手としての能力をテストされ、それを見守るNFLのGM、ヘッドコーチ、さらにはファンらの眼差しは差し詰め競馬場でのパドックで競走馬をガン見する競馬ファンのようです(笑)。

さてそんなコンバインですが今年もインディアナ州インディアナポリス市にあるインディアナポリスコルツの本拠地・ルーカスオイルスタジアムで行われました。昨年は新型コロナのパンデミックの影響で未開催でしたから2年ぶりのコンバイン。観客もまばらながらこの見本市を一目見ようとスタジアムに足を運んでいましたね。

個人的にはこのコンバインでの出来がどれだけ選手のドラフトにおける株に影響するのかどうか疑問に感じてしまうのですが、今回は今年のこのコンバインで株を上げたと言われる選手、逆に株を下げてしまったと言われる選手を簡単に紹介したいと思います。

株を上げた選手たち

マリク・ウィリス(リバティー大QB)


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このコンバインで最も株を上げたと言われるのがリバティー大QBマリク・ウィリス(Malik Willis)。今年のドラフト候補の中でQB陣は近年と比べるとイマイチ・・・という感じが否めませんが、そんな中でコンバイン前にはピッツバーグ大ケニー・ピケット(Kenny Pickett)、ノースカロライナ大サム・ハウウェル(Sam Howell)、ミシシッピ大マット・コラル(Matt Corral)に次ぐQBと言われていましたが、このコンバインでの評価は爆上がりのようでした。

決して即戦力と言える超逸材といういう訳ではないかも知れませんが、荒削りながら秘める身体能力は今ドラフトQB陣の中ではピカイチかも知れません。6フィート1インチ(約185センチ)に225パウンド(約102キロ)と決して大柄という体格ではありませんが、機動力に優れ強肩の持ち主であることがこのコンバインで証明されました。

またフィールド外ではホームレスに自分の服を分け与えているところをたまたま発見され、人格的にも評価はうなぎ登り。

何だか応援したくなっちゃいますよね。

ジョーダン・デーヴィス(ジョージア大DT)


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昨季全米優勝を果たしたジョージア大ですが、その快挙を支えたディフェンス陣の中心人物でもあったDTジョーダン・デーヴィス(Jordan Davis)。彼はすでにコンバイン前からかなりいい巡位でドラフト指名されることが予想されていましたが、その評価をさらに昇華させるようなパフォーマンスをこのコンバインで披露しました。

というのも、身長6フィート6インチ(約198センチ)体重341パウンド(約154キロ)という超巨漢ながら40ヤードダッシュでは公式記録で4.71秒と信じられないタイムを叩き出したのです。

しかも10ヤードのスプリットが1.68秒ということでこれは現在アリゾナカーディナルスに所属するJ.J.ワット(J.J. Watt、元ウィスコンシン大)が2011年のコンバインで記録した数字を上回っています。何なら40ヤードのタイム自体も・・・。2人のサイズの差は歴然としていますが、そのワットを上回っているデーヴィスのポテンシャルには驚かされます。

もちろんタイムだけで全てを測ることはできませんが、エッジ選手が注目を浴びる昨今でここまでの能力を持つタックル選手というのはそうは見当たりません。このスピードならエッジとしても才能を発揮できるかも知れませんからそうなればこのレアなタレントの持ち主であるデーヴィスの株が上がらないわけがありません。

ブリース・ホール(アイオワ州立大学RB)


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今回のドラフトではQBと同じようにあまり目玉RBがいないように感じますが、そんな中でアイオワ州立大ブリース・ホール(Breece Hall)はスカウト陣の目に留まるパフォーマンスを披露。

40ヤードダッシュでは4.39秒と4.4秒を切る快挙。また垂直跳びおよび幅跳びでもトップクラスの数字を叩き出し身体能力の高さを見せつけ他のRB候補たちに差をつけました。

ホールが1巡目の選手かどうかは分かりませんが、同じく注目されるRBケネス・ウォーカー・III(Kenneth Walker III、ミシガン州立大)と共に今ドラフトにおいて早い段階でピックされる可能性があると見ます。

イケム・イクウォム(ノースカロライナ州立大OT)


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NFLチームの再建計画においてQBの次に重要とも言える(もちろんチーム事情に左右されますが)のがそのQBを守るOTを確保することです。今ドラフトで最も注目されてきたのがアラバマ大のOTイヴァン・ニール(Evan Neal)と言われてきましたが、今回ニールはコンバインでインタビューのみの参加となりフィールドでのパフォーマンス披露はありませんでした。

そんなニールの不在の中で突如として株を上げたのがノースカロライナ州立大のOTイケム・イクウォム(Ikem Ekwonu)でした。40ヤードでは5秒を切る4.93秒を叩き出し、コーンドリルではタイムこそそこそこでしたが、足捌き自体は非常に滑らかで運動神経の高さを披露。ひょっとしたらニールよりも先に、そして総合ドライチの可能性もあるかも・・・?!

ギャレット・ウィルソン&クリス・オラヴェ(オハイオ州立大WR)


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オハイオ州立大のWRコンビ、ギャレット・ウィルソン(Garrett Wilson)とクリス・オラヴェ(Chris Olave)は大学時代に相手ディフェンダーの脅威としてフィールドで暴れまくりました。そして彼らは今回のWR陣の中でも共にトップ候補として注目されていますが、それは40ヤードでのタイムでも証明されています。

ウィルソンは 4.38秒、オラヴェは4.39秒とどちらも4.4秒を切る好記録。大学時代のWRとしての高いスキルレベルはすでに折り紙付きですが、直線でのスピードにおいて4.4秒を切れたのはスカウト陣にいい印象を刷り込むには十分な数字です。

タイクアン・ソーントン(ベイラー大WR)


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コンバインでの身体測定並びに能力テストの数字がその選手のプレーヤーとしての才能を測ることができるかと言えばそれは疑問ではありますが、やっぱり数字はいい結果を残すに越したことはありません。そういった意味ではやはり単純に目立ったのはベイラー大WRタイクアン・ソーントン(Tyquan Thornton)の40ヤードのタイム。

非公式で4.21秒とタイムが出た瞬間はコンバイン史上最速タイムを叩き出しました。公式タイムは4.28秒ということで新記録にはなりませんでしたが、WR陣の中では唯一の4.20秒台を記録。昨年ベイラー大では948ヤードに10TDとなかなかの数字を残しはしましたが、前述のウィルソンやオラヴェに注目が集まり気味でした。しかし今回のこのタイムで少なくとも彼の名前は多くの人の目に触れたことでしょう。それだけでも儲けものというものです。

ダニエル・ベリンジャー(サンディエゴ州立大TE)


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今年のTEは粒揃いと言われていますが、その中でもちょっと気になったのはサンディエゴ州立大ダニエル・ベリンジャー(Daniel Bellinger)です。

身長6フィート5インチ(約195センチ)体重253パウンド(約114キロ)という恵まれた体格で各身体測定並びにテストでTE内で上位の結果を残しました。

サンディエゴ州立大という「グループオブ5」出身というのも目を引きました。NFLでトップクラスと言われるTEトラヴィス・ケルシー(Travis Kelce、カンザスシティチーフス)も同じ「グループオブ5」所属のシンシナティ大出身ということで、「パワー5」出身じゃないTEとして何だか応援したくなる選手です。

ザイオン・マッコラム(サムヒューストン州立大CB)


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NCAA1部でも上位カンファレンス群とされるFBS(フットボールボウルサブディビジョン)ではないその下のFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)に所属するサムヒューストン州立大。その大学出身であるCBザイオン・マッコラム(Zyon McCollum)は出身大学がメジャーで無いためにこれまでメディアの露出は限られていましたが、今回のスカウティングコンバインでその名を轟かすに足る結果を残しました。

40ヤードは4.33秒(CB選手としては3位)、垂直跳びは39.5インチ(2位)、幅跳びで11フィート(1位)と軒並みトップレベル。またCB選手として唯一コーンドリルに参加しましたがここでは6.48秒を叩き出し、これは参加した全ての選手の中でトップタイム。

コンバインとはこういった無名選手が名を馳せる格好の場ですね。


株を下げた選手たち

ケニー・ピケット(ピッツバーグ大QB)


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昨季後半にかけてかけてハイズマントロフィーレースに殴り込みファイナリストに食い込んだのがピッツバーグ大QBケニー・ピケット(Kenny Pickett)。4319ヤードに42TDを記録しピッツバーグ大のACC優勝に大きく貢献したピケットは今ドラフトでは手薄とされるQB陣の中でも注目を浴びない訳はありませんでした。

しかしコンバイン中の話題と言ったら彼の手のサイズで持ちきり。右利きである彼の右手の長さ(親指から小指まで)が8.5インチ(約21.6センチ)ということでこれは現役のNFLのQB界隈でも最小のサイズになるのだそうです。

彼の手のサイズのことはコンバイン以前に行われたシニアボウルから指摘されていたことで、シニアボウルでは採寸を拒否。またいつもグローブをつけていることからも彼の手のサイズとプロでやれるかどうかというディベートは起きていました。

一般的にNFLでは手のサイズは9インチ(約22.8センチ)以上あることが望ましいとされています。2005年のドラフトでは結局ドライチとなったアレックス・スミス(Alex Smith、元ユタ大)氏のサイズが9.125インチ(約23.1センチ)だったことが取り立たされたほどです。2年前のドライチQBジョー・バロウ(Joe Burrow、元ルイジアナ州立大、現シンシナティベンガルズ)は9インチでしたが、2年目でベンガルズがスーパーボウルまで進出したことを考えれば手の小ささがどれだけプロでの成功度合いに関係するのかは定かではありません。

実際フィールド上でのスキルセッションではシャープなパフォーマンスを披露したピケット。彼自身は手のサイズなど気にしていないようですが、少なくとも彼の手のサイズに関するここまでのディベートがポジティブに働いたとは言えなそうです。

トレイロン・バークス(アーカンソー大WR)


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今ドラフトのWR候補生の中で3本の指に入るという下馬評を受けてきたのがアーカンソー大トレイロン・バークス(Treylon Burks)。そのサイズ、パワー、スピードをしてディーボ・サミュエル(Deebo Samuel、元サウスカロライナ大、現サンフランシスコ49ers)と比較される逸材と評価されてきました。

しかしコンバインで見せたフィールド上のテストではその遍歴を見せることは全くできませんでした。40ヤードダッシュでは4.55秒と前出のウィルソンやオラヴェと比べればかなり見劣りしますが、それよりもスカウト陣をガッカリさせたのはWRに不可欠とされる瞬発力。それを測り知ることができる垂直跳びと3コーンドリルでは参加者の中で中の下。

あるデータによるとコンバインでバークスが残した数字と似たような数字を過去残した選手の中で大成したのはたったの5%。統計だけで選手を選ぶならバークスに手を出すチームはかなりのギャンブルだという結論になります。

後日行われるプロデー(大学キャンパスで行われるコンバインのようなもの)で何とか挽回したいところです。

ケンヨン・グリーン(テキサスA&M大OG)


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スカウティングコンバイイン開催前までは1巡目10番手から15番手に指名されるほどの素質があると言われていたのがテキサスA&M大OGケンヨン・グリーン(Kenyon Green)。大学時代はOGとOTを器用にこなす選手として重宝されそのことから今ドラフトでも注目が集まっていました。が・・・。

彼がこなした数々のテストにおいて期待を下回る数字しか残せず、40ヤードダッシュ、ベンチプレス、垂直跳び、幅跳びでことごとくOL勢の山に埋もれる記録に甘んじ、上に紹介したイクウォムなどの真のトップ候補との差が明らかになってしまいました。

機動力のことを考えればOTとして十分やっていけるのかも知れませんが、株が下がってしまったのは確かですね。

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