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【続】新たなライバリー勃発?

【続】新たなライバリー勃発?

先日アラバマ大HCニック・セイバン(Nick Saban)監督とテキサスA&M大HCジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督が起こした場外バトルの話を紹介しましたが、今回はその後の話をご紹介したいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

スパリアー氏の援護射撃

世間的には、フィッシャー監督が会見まで開いてセイバン監督のことをこき下ろしたことに大変な驚きを受けていますが、やはり言われているのはセイバン監督が証拠もなく公衆の面前で名指しでテキサスA&M大を批判したことは失言だったという論調が強いです。

ただ、セイバン監督を擁護するような発言をしている人物もいることはいます。

例えば元フロリダ大およびサウスカロライナ大HCのスティーヴ・スパリアー(Steve Spurrier)氏。

今年77歳になる名将は今回の事件のことを聞かれてこう答えました。

「私はセイバン監督が嘘を話しているなんて思わない。だから(フィッシャー監督が)なぜあんなに怒っているのか理解できない。」

要するに暗にお金で選手を釣っているということは起きていると言っているわけですね。

このことから察することができるのは、NILが導入される前から何らかの形でブースター(資金提供者・後援者)から選手にお金の譲渡があったということは日常茶飯事だったことが伺えます。ただそれが大抵の場合はバレずにいたということです。

またスパリアー氏はこうも続けます。

「(フィッシャー監督は)去年ようやくセイバン監督から白星を奪ったから今回のように声を荒げることもできるんだろう。でもこれまで彼は大したチームを倒してきていない。A&Mに来てから地区優勝すらしていない。」

と、さも「若造が何を吠えている」と言わんばかりの発言です。スパリアー氏は現役時代から歯に衣着せぬ物言いで有名でした。フロリダ時代の最大のライバルであるフロリダ州立大ボビー・バウデン(Bobby Bowden)監督との「口撃」合戦は多くのカレッジフットボールファンを楽しませてくれたものです。


PGA全米プロゴルフ選手権覇者も・・・

先週オクラホマ州タルサで行われていた米男子ゴルフツアーの今季メジャー第2戦となった全米プロゴルフ選手権(PGA Championship)では、一時7打差あったもののプレーオフの末にウィル・ザラトリス(Will Zalatoris)破ってその栄冠を手に入れたのがジャスティン・トーマス(Justin Thomas)。

2017年以来2度目の全米プロ制覇を成し遂げたトーマスは今後の米男子ツアーを背負って立つ選手として有名ですが、実は彼は大学時代アラバマ大でプレーしたことでも知られており、当然根っからのアラバマ大フットボール部ファンなのです。

3月にはセイバン監督と一緒にラウンドする姿も見られており、2人はその著名度から仲が良いと見られています。

そんなトーマスですが、優勝後に出演したラジオ番組ではそのセイバン監督がよく口にする「24時間ルール」(試合に勝った24時間以内ならその勝利の余韻に浸ってもいいというルール)を踏襲するかと聞かれると、彼はこう答えました。

「もちろん、僕にも24時間ルールはあります。ジンボ・フィッシャー監督にそのようなルールがあるかどうかは分かりませんが、彼にとってはそんなルールを作るよりもまず最初に試合に勝たなければいけないのかな」

と、明らかにセイバン監督の「宿敵」であるフィッシャー監督にジャブを入れています。

試合後に気分が昂っていたこともあるんでしょうが、少なくともテキサスA&M大ファンの反感は勝ってしまったでしょうね。

負け犬の遠吠え?

一方でセイバン監督を非難する声も当然多いです。

そんな中で彼のことを「負け犬の遠吠えだ」と言い放った人物がいます。

それはフロリダ州マイアミ市周辺でビジネスを営むジョン・ルイーズ(John Ruiz)という人物。

ルイーズ氏はマイアミではビリオネアとして知られ、マイアミ大のブースターとしても有名。特に最近ではマイアミ大男子バスケ部のNILディールでも名前が出てきた「いわくつき」な人物なのです。

(詳しくはこちら⏬)

そんなルイーズ氏は、NILを隠れ蓑にしてブースターがお金で高校生を釣っている、ということに苦言を呈したセイバン監督についてこう話しました。

「あれはティーンエージャーの負け犬の遠吠えにしか聞こえない。今までは誰も手が出せない状態で一人勝ちしていたのだろうが、(今回のようなNILディールを利用してリクルーティングで一人勝ちできなくなり)戦力が平等になってしまったことの泣き言だろう。彼にしてはみっともないね」

さらにこうも続けました。

「こんなに長いことこの業界にいてトップに君臨してきた人物がこの現状を理解できていないことに驚きを感じる。今回、彼はNILのせいで自分のテリトリーが失われてしまったから、だったらみんなを道連れにしてやる、と言っているようなものだ。」

ただブースターがここまであからさまに表沙汰になることはNILが許されるまでありませんでした。それもこれもNILという笠に身を隠してブースターが堂々と選手に近づけることができてしまったからであり、やっぱり最初からこうなることを予測して規制したりしてこなかったNCAAがずさんだったと言わざるを得ません。

口止めされていても・・・

前回の記事でもお伝えしましたが、公衆の面前での2人のバトルが加熱しないために両校が所属するSEC(サウスイースタンカンファレンス)のコミッショナーであるグレッグ・サンキー氏は2人に頭を冷やすように呼びかけました。

そんな中、このバトルに場外から面白がるようなツイートを続けてきたのがミシシッピ大HCレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督。彼はセイバン監督の元アシスタントであり、ソーシャルメディアを通じて自分の意見を時にユーモアを交えて発信している人物です。

そうなれば当然メディアはキフィン監督に意見を聞きたいところ。そこで現地の著名番組である「ダン・パトリック・ショー(The Dan Patrick Show)」が出演依頼をしキフィン監督も出演予定だったらしいのですが、本番の日を迎えホストのダン・パトリックはキフィン監督が今日出演できなくなったと話しました。

というのもこれ以上このバトルを大ごとにしないためにコミッショナーのサンキー氏がSEC所属コーチらに箝口令を敷いたというのです。なかなか思い切ったやり方に出ましたね。

しかしながら、当事者であるフィッシャー監督は週明けの月曜日にも地元のテレビ局の取材の応じ、セイバン監督の主張は「完全なる虚言だ」と突っぱねました。

「ちょっと調べたんだけれども、1月からすでに入学している新入生(高校の卒業資格を持っていれば通常の9月ではなく1月の冬/春学期からの入学が可能)の11人のうち、NILディールをすでに持っているのはたったの1人だった。だから(入部してくる新リクルート全員がNILの金に釣られたという話は)全ては嘘っぱちだ」

またフィッシャー監督はメディアに対しても苦言を呈しています。

「メディアはちゃんとリサーチをしているのか?おそらくしないで予想で記事を書いているんだろう?ソーシャルメディアに載ったり誰かが噂で話したことをすぐに真に受けて記事にしてしまう。それがリポーターの仕事と言えるのか?誰も真実なんて知りたくないんだろう。メディアが欲しいのは人々が食いつく話のネタだけだ」

実は今年の初めに「SlicedBread」というハンドルネームの不特定人物が「テキサスA&M大は今年のリクルーティングクラスに3000万ドル(1ドル100円計算で約30億円)を注ぎ込んだ、という話をネット上に掲載して物議を醸し、これにフィッシャー監督が激怒するという事件も起きていました。

セイバン監督もそう言った証拠もない情報に踊らされたといえばある意味被害者なのかもしれませんが、一方でそれを公共の場で口にすることの影響力が分からない人でもないはず。彼自身は特定の人物をアタックするつもりはなかったと言っていますが、公言してしまった以上その言葉は言い訳にしか聞こえませんからね。

まだまだこの話の続編はあるのかな?

ちなみに・・・

現在カレッジフットボール界で気になる話題といえば、2023年度のリクルーティングクラスで圧倒的に注目度の高いQBアーチ・マニング(Arch Manning)君がどこの大学に進学するか、ということです。

アーチー・マニング(Archie Manning、元ミシシッピ大)を祖父に持ち、またペイトン・マニング(Payton Manning、元テネシー大)とイーライ・マニング(Eli Manning、元ミシシッピ大)を叔父にもつアーチはサラブレッドの超逸材。

彼を巡る争奪戦はジョージア大、テキサス大、アラバマ大が筆頭となっていると言われてきました。

しかし本日(5月24日)、アーチと同じルイジアナ州出身のQBイーライ・ホルステイン(Eli Holstein)君がアラバマ大進学を公言。

つまり、これはアラバマ大がホスルテイン君にオファーを出してそれをホルステイン君が受け入れたということになります。

アラバマ大としては一世一代のタレントとも言われるアーチを待ち続けるよりも、タレント的には少しばかり劣るものの確実に来てもらえるホルステイン君にオファーを出したということでしょうね。アーチばかりをおい続けて彼に来てもらえないばかりか結局ホルステイン君にも逃げられるような事態には陥りたくなかったのでしょう。

当然この状況でもアラバマ大にアーチが来る可能性がないとはいえませんが、実質的にアラバマ大はアーチ・マニング争奪戦から手を引いたと考える方が自然ですね。

で、このホルステイン君ですが、実は彼、元々行きたいと公言していたチームはアラバマ大ではなくテキサスA&M大だったのです。3月の時点ですでにデコミット(Decomitt、進学を取り消すこと)しており、このセイバン監督とフィッシャー監督の騒動を受けてデコミットした訳ではありませんが、一方でこの騒動の後にアラバマ大進学を決めたということですから、彼の中で何がそうさせたのか気になるところです。

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