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地区制度廃止が加速か?

地区制度廃止が加速か?

先日ACC(アトランティックコーストカンファレンス)がカンファレンス内のレギュラースケジュールの変更を検討し、その延長上に地区制度が廃止される可能性があるかもしれないという記事を以前ご紹介しましたが、ACCよりも先にそれを現実のものにしたカンファレンスが現れました。

参考記事ACCの構造改革?

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ベースボール・マガジン社 (編集)

まず、先週行われたNCAA1部の評議会(Council)の投票の結果、それぞれのカンファレンスは地区制度を敷かなくても、各々で上位2チームを選別してチャンピオンシップゲームを開催しても良いという結果となりました。

これまで各カンファレンスにおいてレギュラーシーズン後のカンファレンスタイトルゲーム(優勝決定戦)を行うためには地区制度を設けなければならないと定めており、さらにそれを可能にするためには最低でもカンファレンスに12チームが所属していなければならないという決まりがありました。

そのため現在のところNCAA1部の上位サブディビジョンであるFBS(フットボールボウルサブディビジョン)ではBig 12カンファレンスを除くカンファレンスが地区制度を敷いています。

しかし今回のNCAAの決定により各カンファレンスは地区制度を設けなくてもタイトルゲームを開催することが可能となり、これにより地区制度の存在意義がなくなることで地区制度を廃止するカンファレンスも出てくると思われていました。

前述の通りこの動きは元々ACCが先頭を切ると言われていましたが、このNCAAの決定に素早く反応したのはACCではなく西海岸のPac-12カンファレンスでした。

同カンファレンスは来たる2022年シーズンから現行の二地区制度(北地区・南地区)を廃止して一地区制度に戻すことを決定。これにより在籍する12チームの上位2チームがレギュラーシーズン後に優勝決定戦で合間見えることになります。

ちなみに過去11年間のPac-12カンファレンスタイトルゲームのマッチアップを、もし地区制度がない新フォーマットで行っていたらどうなっていたかというツイートが下になります。

これによると11回のうち5回のタイトルゲームでマッチアップが別のモニになっていたという事実が浮かび上がります。地区制度ではタイトルゲームに出場するには所属する地区内で優勝しさえすればよく、カンファレンス全体で上位2位にならなくてもよかったということになるわけです。

またマウンテンウエストカンファレンスもPac-12カンファレンスに続き二地区制度を廃止予定。彼らの場合は2023年からの施行となるようです。

二地区制度を廃止することのメリットは、単純にそのシーズンの最強の2チームを優勝決定戦で当てがうことが出来る点です。

それぞれの地区代表チームが全米ランキングにもランクインしていれば試合の注目度は上がりますし、そのどちらもがCFP(カレッジフットボールプレーオフ)を目指すチームであればそれはなおさらです。

しかし各地区代表チームの差が著しく激しかったりすれば注目度は下がってしまいます。何よりもカンファレンス内からCFP出場チームを送り出したい場合には、CFP出場チームの最終選考前の最後の試合となる各カンファレンスのタイトルゲームはそれぞれのチームにとっては最後のアピールのチャンス。そこで強いチームと戦って勝つのと、試合前から結果が分かっているような試合に勝つのでは選考委員会の印象は大きく変わってきます。

そういった意味で、各カンファレンスから少しでもCFPに出場できるチームを輩出する可能性を上げるために地区制度を廃止するのはポジティブに働くと予想できるのです。

となると俄然注目が集まるのはその他のカンファレンスがこれらに追随するのかどうかです。

Big TenカンファレンスはACCがこの可能性を示唆する前から地区制度廃止を考慮に入れると話していました。もし彼らに地区制度がなかったとしたら以下の通りのシナリオが生まれていたことになります。

これによると昨年と2018年度の優勝決定戦はミシガン大とオハイオ州立大のマッチアップになっていたことになります。この2校はレギュラーシーズン最終戦で合間見えますので、2週連続の理マッチになっていたことになります。

同じカードを2週連続見たくないという方もいるかもしれませんが、このビッグマッチの再戦なら注目度は爆上がりなはずです。

ただ、地区制度廃止だとそれぞれの地区で優勝するだけでタイトルゲームに行けたというフォーマットも無くなるため、常に強いチームだけが優勝決定戦に出場するという危惧の声も聞かれますが、カンファレンス最強のチームを決定するからにはそれも致し方ないのかもしれません。

後はカレッジフットボール史上初の二地区制度を導入した(1992年)サウスイースタンカンファレンス(SEC)がどうするかも見ものです。

SECでは昨年こそジョージア大がナショナルタイトルを獲りましたが、地区のバランスは圧倒的に西地区に軍配が上がっていると言えます。現在西地区にはアラバマ大、ルイジアナ州立大、テキサスA&M大、アーバン大、ミシシッピ大、ミシシッピ州立大、アーカンソー大と強豪チームばかりがひしめいています。この地区だけで複数のチームが全米ランキングで上位10位以内に入っていることも考えられますが、SECタイトルゲームにはこの中からたったの1チームしか出場できないわけです。

かつては西地区を制する方がカンファレンス全体を制するよりも数倍難しいなんて言われたこともあり、たとえジョージア大がその力を見せつけているとはいえ、地区のパワーバランスが不平等であることは否めません。

Big TenやSECだけでなく、前述のACCに加え他の「グループオブ5」勢らもこの流れに乗るのかどうか、このオフシーズンの注目の話題となりそうです。

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