元テキサス工科大HCキングスバリー氏がUSCのOCに就任

元テキサス工科大HCキングスバリー氏がUSCのOCに就任

今季5勝7敗でボウルゲーム出場を逃した名門サザンカリフォルニア大。勝つことが義務付けられている彼らにとってこの成績は受け入れがたいものであり、昨年Pac-12カンファレンスで優勝したにも関わらずクレイ・ヘルトン(Clay Helton)監督はすでに四面楚歌になりつつあります。

オフシーズンにはオフェンシブコーディネーターだったティー・マーティン(Tee Martin、元テネシー大QB)らを解雇し来年のチーム再建に向けてコーチ人の入れ替えをもくろんでいるヘルトン監督ですが、この度新しいOCにこれ以上無い逸材を呼び込むことに成功しました。

それは今シーズン後にテキサス工科大の監督職を解かれたクリフ・キングスバリー(Kliff Kingsbury)氏です。

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元テキサス工科大監督クリフ・キングスバリー氏

テキサス工科大では思ったような戦績を残せずに5シーズンで母校を去らざるを得なくなりましたが、キングスバリー氏のオフェンスの頭脳は全米でもピカイチ。そんな優秀なキングスバリーを引き抜きたいチームは引く手あまたで、プロ入りの話もあったほどですが、この度彼が再就職先に選んだのはサザンカリフォルニア大でした。

ヒューストン大、そしてテキサス工科大でオフェンシブコーディネーターを務めたことのあるキングスバリー氏ですが、彼のオフェンシブDNAは現役時代にテキサス工科大で選手として師事したマイク・リーチ(Mike Leach、現ワシントン州立大)監督を受け継いでいるものと思われます。

リーチ監督は得意の「エアーレイドオフェンス」と呼ばれる、パスヘビーのスプレッドオフェンスで数々のNCAA記録を塗り替えてきました。そしてキングスバリー氏は2年生から4年生の3年間リーチ監督の元でプレー。その結果彼は卒業時に39の大学記録、13のカンファレンス記録、7のNCAA記録の保持者となっていました。その時のリーチ監督からの教えが現在業界で1位2位のオフェンス能力を誇るコーチに成り上がっていたのです。

そのスマートな出で立ちからテキサス工科大の監督には見えないと言われることも多かったキングスバリー氏ですが、サザンカリフォルニア大にとっては今回キングスバリー氏をOCとして取り込めたことはまさに一攫千金とも言える大収穫なのではないでしょうか。

サザンカリフォルニア大といえば2000年台前半に栄華を誇った、ピート・キャロル(Pete Carroll、現シアトルシーホークス監督)元監督が作り上げた王国を思い出します。当時彼らはカーソン・パルマー(Carson Palmer)、マット・ライナート(Matt Leinart)、レジー・ブッシュ(Reggie Bush)、クレイ・マシューズ(Clay Mathews、現グリーンベイパッカーズ)、トロイ・ポラマル(Troy Polamalu)ら錚々たるメンバーで一時代を築き上げました。

圧倒的な強さ、豊富なタレント、ハリウッドのお膝元での注目度、カリスマ的指導者・・・そういったサザンカリフォルニア大のイメージはこの時に作られました。しかしキャロル元監督がチームを去って以来彼らは長い間全米の表舞台から消えることになります。

ヘルトン監督は2年前のローズボウルで激戦の末ペンシルバニア州立大を倒し、昨年はPac-12カンファレンスタイトルを獲得しており、結果を残していると言えばそうなりますが、一方でキャロル元監督時代に植え付けられた「サザンカリフォルニア大」というブランドを考えるとキャロル氏時代に培われたカリスマ性をヘルトン監督に感じることが出来ませんでした。

しかしまだまだ若く、オフェンスの天才として知られ、しかも様相もスタイリッシュなキングスバリー氏の加入はかつてのサザンカリフォルニア大を取り戻すためにはまさにベストマッチだったといえ、これだけでヘルトン監督への逆風を一時的に抑えることができそうです。

キングスバリー氏はテキサス工科大という、テキサス大テキサスA&M大の2番煎じとも位置づけられるチームで誰にも負けないオフェンスを作り上げ、全米を代表するオフェンスの鬼才として知られるようになりました。リクルーティングにおいて他の名門校に遅れをとる中で限られた人材でも十分にハイスコアを可能とする攻撃陣を育て上げ、また現在プロで活躍中のパトリック・マホームズ(Patrick Mahomes)のような逸材を輩出することに成功してきました。

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テキサス工科大時代のマホームズとキングスバリー元監督

そんなキングスバリー氏はサザンカリフォルニア大ではテキサス工科大よりもレベルの高い選手を擁することになるでしょうし、そうなればサザンカリフォルニア大のオフェンスはレベルアップすることは請け合いです。それを考えればヘルトン監督がキングスバリー氏を射止めたということが、それだけで来年のサザンカリフォルニア大に対する期待度を大きく上げてくれますし、ファンの中での楽しみは増えるはずです。それらはヘルトン監督のこれまでの体制下では存在しないものでしたから。

ファンの中にはすでにヘルトン監督を解雇してキングスバリー氏を次期監督に、という事を口にする人も現れたそうです。それは時期相応だと思いますが、キングスバリー氏の人柄や身のこなし、そしてOCとしての才能を考えれば、サザンカリフォルニア大で将来的にキングスバリー氏が指揮をとるようになっても違和感はないと思います。

まずは来年のUSCがどこまでのオフェンス力を身につけてくるかを楽しみに待つことにしましょう。

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