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Big Tenカンファレンスプレビュー【2020年度シーズン】

Big Tenカンファレンスプレビュー【2020年度シーズン】

ストーリーライン

8週遅れの開幕

世界中を混沌に陥れている新型コロナウイルスのせいで今季のカレッジフットボールは開幕が危ぶまれていました。そんな中8月11日にBig Tenカンファレンスは2020年度シーズンの秋開幕を断念。この決断はある程度の理解は得られるも業界に大きな衝撃を与えました。

ただこのBig Tenの決断に追随したのはFBS(フットボールボウルサブディビジョン)に所属する10カンファレンスのうち過半数の4カンファレンスのみ。上位カンファレンス群とされる「パワー5」ではACC(アトランティックコーストカンファレンス)、Big 12カンファレンスSEC(サウスイースタンカンファレンス)がBig TenカンファレンスとPac-12カンファレンスと袂を分かち今季開幕を目指す方向で準備していくことになりました。

そして9月にシーズンが開幕。各地でクラスター感染が起こり試合がキャンセルないし延期となるなか全体的に見ると何とかシーズンが開催可能であることが分かってきました。すると内外から開催に踏み切らないBig Tenカンファレンスに非難が殺到。それに押し切られたというわけでもないのかもしれませんが、遂に9月中旬に運営部が方針転換して今季開幕を決めたという経緯がありました。

変則スケジュール

既に8週目を迎えた時点での参戦ということでスケジュールは変則にならざるを得ませんが、今週末の開幕で8週間の間に8試合というギリギリの予定。当然危惧されるのは今後Big Tenカンファレンス内でも新型コロナの発生で開催不可能な試合が出てくることです。8週間で8試合ですからもし試合が開催できないとなると振替開催が出来ないのです。

今の所前述の通り地域に関係なくコロナウイルスのせいで試合が出来ないチームが出ています。資金的に潤沢で最善の予防線をハルことが出来るであろうアラバマ大やフロリダ大でも感染者を出しているわけですから、Big Tenカンファレンスでもその例に漏れることはないでしょう。

今のところざっくりいうと全行程の1割の試合(34試合)がコロナのせいで開催日変更か中止に追い込まれています。このトレンドをBig Tenに当てはめるとすれば64試合の1割となる6〜7試合が開催不能となる可能性が出てきます。これが一体どのチームに、どのタイミングで起きるかはわかりませんが、仮にタイトルを争うと見られるオハイオ州立大の試合がキャンセルとなった場合、1試合の中止処置でトータルの試合数が7試合になります。これでさらにもし彼らが1敗して総合成績が6勝1敗なったとすると、フィールド上の能力的にオハイオ州立大が上回っていると判断されたとしても、例えば10勝1敗の他のチームと比べた時数字的にどうしても見劣りしてしまいます。

コロナウイルスガイドライン

さらにコロナ関連でBig Tenカンファレンス所属チームの頭を悩ませるであろう種として彼らが独自に設定したコロナのガイドラインがあります。

Big Tenカンファレンス開幕には各大学長の同意が必要でした。コミッショナーのケヴィン・ワレン(Kevin Warren)氏が8月に今季不参戦を表明した後に14人の大学長がこの結果を再考するかどうかの投票を行いましたが、この時は11対3で不開催を支持。しかしその後の投票では全会一致で秋開催に方向転換しました。

彼らの中には医師出身の大学長が2人おり(ミシガン大とミシガン州立大)、この二人が医学的見解からBig Tenのスポーツ開催には消極的だったといいます。しかしその彼らをも心変わりさせたからにはそれなりの条件があったわけです。

誰も自分の決定のせいで大学中にウイルスが蔓延するような事態は避けたいのです。コーチ、選手の親、ファン、後援者らは今季開幕を欲するでしょうが、なにか起きたときの全責任を取らされるのは開幕を許可した大学長らなのですから。

そこで彼らが施したガイドラインの1つにもしウイルスに感染した場合、その選手は症状がなくなったとしても21日間部活動に参加できないという項目を作りました。21日間とはつまり3週間。ということは一度選手が感染すると最低でも3試合は欠場する事になってしまいます。シーズントータルで8試合しか無いことを考えると3試合というのは全体の37%にのぼります。

このガイドラインはどのカンファレンスよりも厳しいものです。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のガイドラインですら感染者は最低10日、コンタクト(濃厚接触者)は14日の自主隔離を強く推奨していますが、Big Tenのガイドラインはそれ以上のものです。

しかし大学長らはこのガイドラインならば開幕にゴーサインを出せると納得して開幕への扉を開いたわけですから、仮にそのような事態が起きた場合には当然何があろうとこのルールに従うことが求められるわけです。

ただ例えばオハイオ州立大のQBでハイズマントロフィー候補とも言われるジャスティン・フィールズ(Justin Fields)が感染者と認定されたとして、その時にチームはガイドラインに基づいて彼を21日間の隔離処置に置くのか、もしくは何か理由をつけてこの時間を短縮させるのか・・・。ドラマが発生する匂いがプンプンしますよね。

プレッシャー

カレッジフットボール界でSECと肩を並べるパワーとブランド力を持つBig Tenカンファレンスの参戦はシーズンを盛り上がる上で大変歓迎されることです。しかしここにたどり着くまでの経緯を見返すと彼らのこれまでの手段は半分は失敗だったと見る事もできます。

一番の失敗はやはり開幕を見送るという決断を下すのが早すぎたということ。他のチームのように開幕日までギリギリまで様子を見ながら開幕への道を探っていたならば、おそらく彼らは他のカンファレンスのようにコロナの影響で開催延期としなければならない試合が出たとしても何とかシーズンを継続できていたはずです。

しかし現実はと言えば他のチームたちが開幕してから約2ヶ月後に開幕という現状にあり、ここまで紹介してきたように開幕を迎えられたとしても綱渡りのシーズンを歩んでいかなければならなくなりました。

何度も登場してきますが、オハイオ州立大は開幕前のランキングで全米2位にランクされ、優勝候補に挙げられるような常勝チーム。しかし開幕日が遅れ、しかも試合数も減少となれば彼らがCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に進出できる可能性は減るわけです。そうなれば「もし9月に開幕していればBig TenからCFP出場チームを輩出することが出来たのに」という恨み節を聞かされることになります。

となればワレンコミッショナーの指導力が再び問われることになります。ワレン氏としては何としてもコロナに影響を受けずにスケジュール通りのシーズンを送り、オハイオ州立大だけに限らず誰が1チームでもCFPに進出することを毎晩祈り続けることでしょう。

無観客試合

Big Tenカンファレンスの試合は全て無観客で行われることが既に発表されています(例外として選手の家族とコーチの家族は入場を許可されています)。

スポーツイベントなど大勢が集うイベントではソーシャルディスタンス(三密)を避けるため入場制限が厳しくかけられています。カレッジフットボールをはじめとするアメフトスポーツも観客数が最大25%のところから無観客試合までまちまちです。

そのルールというのは基本的にそのイベントが行われる州によって異なるのですが、観客を入れられるスタジアムで試合をするのとそうでないのではやはり雰囲気は全く違います。

例えばミシガン州では州知事の特別権限でスポーツイベントには最大100人の観客しか動員できないことになっています。ラトガース大のあるニュージャージー州は500人が最大数。ペンシルバニア州は15%もしくは7500人が上限というように州ごとのルールに従うとばらつきが生まれてしまうのです

SECなどの試合を見ていると顕著ですが、彼らのスタジアムは最高で最大キャパの25%までの客をスタジアムに招いているようですが、アラバマ大のように整然とソーシャルディスタンスを守りながらファンが着席しているところもあれば、ミシシッピ大やテキサスA&M大のようにスタジアム全体を見ると空いている席が目立つものの、密集しているエリア(特に学生席)はそれこそ普段の試合と変わらないくらいかと思うぐらい人が集まっているところもあり、場所ごとに客入りが異なって見えます。

それを見たからかどうかはわかりませんが、Big Tenカンファレンスは所属チームの所在地ごのと州法が違うことによるバラバラ感をなくすために一律無観客で今季を乗り切ることを決定したのです。

カレッジフットボール界に現存するスタジアムで最も観客数の入るスタジアムのトップ3は以下の通り全てBig Tenチームです。

1. ミシガン大(10万7601人)
2. ペンシルバニア州立大(10万6572人)
3. オハイオ州立大(10万2780人)

日本で最大観客収容数を誇る新国立競技場ですら8万人ということですから、大学独自で保有するスタジアムで10万人を超えるスタジアムが複数ある(合計7大学)ことを考えると以下にカレッジフットボールの規模の大きさが分かると思います。

この中のオハイオ州立大のオハイオスタジアムは1922年に開場しましたが、このスタジアムのこれまでの最少観客動員数は1926年のオハイオ州立大対ウィルミントンカレッジとの試合で5482人。以降94年の間観客動員数はこの数字を下回ることとはありませんでしたが、今年どうやらこの記録は「更新」されることになりそうです。


注目のチーム

オハイオ州立大

昨シーズンは13勝1敗でBig Tenカンファレンスを制覇しCFPに進出。準決勝戦ではクレムソン大と死闘を繰り広げた末に惜敗しました。今年も下馬評でカンファレンスを連覇しCFPタイトルも夢ではないと言われているチームであり、カレッジフットボール界が参戦を心待ちにしていたチームでもあります。

QBは昨年のハイズマントロフィー最終候補選手として授賞式にも出席したジャスティン・フィールズ。昨年ジョージア大から試合出場機会を求めて転校し見事先発QBの座を止めるとチームの快進撃に大いに貢献。今年も彼が中心のチームとなるはずです。

また今季オクラホマ大から転校してきたRBトレイ・サーモン(Trey Sermon)のランアタックも見もの。オフェンスマインドのライアン・デイ(Ryan Day)監督の下今年のオハイオ州立大の攻撃陣はトップレベルにあるポテンシャルを持っています。

心配なのはディフェンス。昨年の主力選手だったチェイス・ヤング(Chase Young、現ワシントンフットボールクラブ)、ジェフ・オクダ(Jeff Okudah、現デトロイトライオンズ)、デーモン・アーネット(Damon Arnette、ラスベガスレイダース)という3人の1巡目選択選手を含め7人の先発選手が抜け、彼らが抜けた穴をどう埋めるか・・・。昨年までテネシータイタンズでDBコーチを務め今年からオハイオ州立大のディフェンシブコーディネーターを任されるケリー・クームス(Kerry Coombs)氏の手腕に期待がかかります。

ペンシルバニア州立大

ペンシルバニア州立大にとってBig Ten東地区を勝ち抜くために避けて通れないのが上記のオハイオ州立大です。その壁を乗り越えて行くためには彼らのハイパワーオフェンスをスローダウンさせることの出来るディフェンス力が必須ですが、その中心人物と目されていたLBマイカ・パーソンズ(Micah Parsons)は夏の時点で早々にオプトアウト。昨年チーム最多となる109個のタックルに4つのフォースドファンブルを記録。今季参戦していれば全米でも指折りのディフェンダーだと言われていたために彼を失ったことは非常に痛手です。

またパスラッシャーのイトー・グロス・マトス(Yetur Gross-Matos、現カロライナパンサーズ)の抜けた穴を埋めるのも簡単なことではありません。オハイオ州立大の強力なOL陣を崩すことの出来るフロントセブンを送り出せるかどうかに彼らの成功の鍵が隠されていると思われます。

ウィスコンシン大

昨年までの数年間、ウィスコンシン大のランオフェンスはRBジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor、現インディアナポリスコルツ)を擁し安泰でした。しかしその頼れるテイラーも遂にチームを去り、ウィスコンシン大RB陣は新時代を迎えることになります。しかし「誰がテイラーの穴を埋めるのか?という疑問に対する答えはそう簡単に出るものでもありません。

ただこれまでテイラーを含め数々の名RBを輩出してきたウィスコンシン大には既に次世代のスター候補が待ち構えています。ギャレット・グロセック(Garrett Groshek)、ナキア・ワトソン(Nakia Watson)、ジュリアス・デーヴィス(Julius Davis)、アイザック・グエレンド(Isaac Guerendo)らがその一味ですが、テイラーのように一人で2000ヤードを稼げることは出来なくても、RB陣合わせて2000から3000ヤードを記録することも夢ではありません。

それは彼らの伝家の宝刀でもある絶品OL陣の存在があるからです。おそらく彼らがグラウンドゲームを支配することはそう難しくはないでしょう。しかしカレッジ全体のプレースタイルがスプレッドオフェンスに移行していく中、ランゲームでゴリ押しのオフェンスだけだと息詰まることは目に見えています。ウィスコンシン大がBig Ten内で存在感を示すには優秀なQBプレーとそれを盛り上げることの出来るレシーバー陣のレベルアップが必然。とすればウィスコンシン大の今季の命運はQBジャック・コーン(Jack Coan)にかかっていると言えるでしょう。

ミシガン大

名門ミシガン大の監督に就任して早6年目となるジム・ハーボー(Jim Harbough)監督。過去5年間でのミシガン大での戦績は47勝18敗、10勝シーズンも3つ記録していますが、Big Tenカンファレンスタイトルはおろか永遠のライバルであるオハイオ州立大にも1度も勝ったことがありません。

同校OBでカリスマ的存在のハーボー監督ですがこのまま無冠が続くようならばいよいよ彼に対する不要論も沸き起こりかねません。

QB出身のハーボー監督がミシガン大にやって来た時、誰しもがチームのオフェンスの爆発的向上を期待しました。しかしここまでチームを支えてきたのはオフェンスではなくディフェンス。ディフェンスだけ見れば毎年強力チームと渡り合えるユニットを世に送りだしてきました。ハーボー体制下で唯一と言っていいほど欠如してきたのはエリートレベルのQBだったのです。

元スタンフォード大RBで現カロライナパンサーズのクリスチャン・マカフリー(Christian McCaffery)の弟であるディラン・マカフリー(Dylan McCaffery)と先発の座を争ってきたジョー・ミルトン(Joe Milton)がそのレースに生き残り、マカフリーはオプトアウトして別のチームで出場機会を模索する事になりました。つまりハーボー監督率いるミシガン大の成功の鍵はこのミルトンの肩に託されたことになったのです。

昨年アラバマ大からやって来たオフェンシブコーディネーターのジョシュ・ガティス(Josh Gattis)氏はチームにスプレッドオフェンスを注入。その変化に追いつかなかったのか昨年前半はスランプが続きましたが、シーズンを負うごとに新オフェンスが板につくようになり、ガティス氏の戦略に将来性を見ることが出来るようになりました。

ペンシルバニア州立大やオハイオ州立大といった東地区の雄たちとやり合うためにはガティス氏が操るスプレッドオフェンスをより一層磨かなければなりません。

ミネソタ大

昨年のミネソタ大は2019年度シーズンのカレッジフットボール界でもシンデレラチームの一つでした。2018年が7勝6敗とギリギリ勝ち越しというレベルだったものが昨年度は開幕後から破竹の9連勝。結果的に11勝2敗とし1904年以来の11勝を挙げるなどしてBig Tenだけでなく全米中を楽しませてくれました。

その原動力ともなったのがQBターナー・モーガン(Tanner Morgan)です。彼は昨年スクールレコードとなる3253パスヤード、30TD、66%のパス成功率という数字を残し一挙にスターダムにのし上がりました。彼のメインターゲットであったWRタイラー・ジョンソン(Tyler Johnson、現タンパベイバッカニアーズ)はチームを去りましたが、Big Tenが今季開催しないと決定した時点でオプトアウトしていたWRラショッド・ベイトマン(Rashod Bateman)がオプトバックしてチームに復帰したのは大きいです。

昨年までオフェンシブコーディネーターを務めていたカーク・シアロッカ(Kirk Ciaroocca)氏が同じカンファレンス内のペンシルバニア州立大に引き抜かれたのは痛手ですが、ターナーとベイトマンのホットラインを維持できればどんな相手でも十分にダメージを与えることが可能でしょう。ミネソタ大はまず西地区代表となることが第1目標。となればウィスコンシン大やアイオワ大との対戦が見ものとなります。

アイオワ大

過去3年間アイオワ大のオフェンスを支えてきたネイト・スタンリー(Nate Stanley、現ミネソタバイキングス)は遂にチームを去り、チームでは新たなQB探しが急務となりました。スタンリーはスターQBとまでは行きませんでしたが、常に冷静でミスをおかすことのない頼れるQBであり、アイオワ大の典型的なプレースタイルを地で行っているような選手でした。

その彼の後継者と目されているのが2年生のスペンサー・ペトラス(Spencer Petras)。身長6フィート5インチ(約195cm)、体重230パウンド(約105kg)という恵まれた体型を持つペトラスは強肩持ちで知られており、チームが好むプロスタイルのオフェンスにはぴったりです。

OL陣は安定しておりWR陣は若くも昨年実戦で経験を積んだ選手ばかり。アイオワ大はオフシーズン中にフィールド外の問題で揺れましたが、それを乗り越えチームが一丸となることができればひょっとするかもしれません。

その他・・・

イリノイ大

イリノイ大で今年5季目を迎えるロヴィー・スミス(Lovie Smith)監督は言わずとしれたNFLでのベテラン監督でもあります。そのスミス監督の最初の3年間は苦しいものでしたが、昨年は当時6位のウィスコンシン大から大金星を奪うとその後も勝ち星を重ねてレギュラーシーズン終了時に6勝6敗とし、ボウルゲームで敗れて6勝7敗でシーズンを終えるも、とうとうチーム内で何かがクリックし始めた感じを醸し出していました。

今年もその流れを活かすためには現実的に見て4勝4敗を目指すのが妥当でしょう。それ以上の白星を手に入れることができたとすれば万々歳のシーズンと言えそうです。

インディアナ大

昨年のインディアナ大のオフェンスは平均得点31.8点に1試合平均ヤードゲインが432ヤードということでオフェンス面には問題はありませんでした。しかしディフェンスが平均失点28.6点と点を相手に取られ気味。この面を改善できれば今季も勝ち越しを期待できそうです。

ミシガン州立大

昨年まで13年間チームを率いてきたマーク・ダントニオ(Mark Dantonio)監督が引退。彼はミシガン州立大に3つのBig Tenタイトルをもたらし一時代を築きました。そのダントニオ氏のあとを継ぐのがメル・タッカー(Mel Tucker)新監督です。

アラバマ大やジョージア大でアシスタントを務めるまではNFLを渡り歩いてきたタッカー氏は2019年にコロラド大で初監督を務めここで5勝7敗という成績を残すと、ダントニオ監督引退を受けて空いていたミシガン州立大の監督の席を射止めました。コロラド大で負け越したのに何故?という意見は当初からありましたが、ブルーカラーで知られるミシガン州立大をどのように育成するのか大変気になります。

ネブラスカ大

「ゴールデンボーイ」と呼ばれる母校の英雄、スコット・フロスト(Scott Frost)監督にとってネブラスカ大3季目となる今年。かつて全敗だったセントラルフロリダ大を2年で完全無敗のチームに育て上げた手腕を買われて母校に凱旋したわけですが、最初の2年間は決して褒められるような結果を残すことが出来ませでした。

Big Tenが秋開催を断念した際に最も声を挙げてその決断に批判の意を示してきたのがネブラスカ大。その願いが成就した今、あとはフィールド上で結果を残すのみですが・・・。

パデュー大

昨年全米でもトップレベルのWRとして知られていたランデール・モアー(Rondale Moore)でしたが、前半早々に怪我で戦線を離脱。それに伴いパデュー大も失速してしまいました。その怪我も完治し新シーズンへ向けて準備をすすめるもコロナの影響でシーズンがなくなってしまい一度はオプトアウトする決断をくだしていましたが、シーズン開幕が決まると今季参戦するためにチームに戻ってきました。

そのモアーにボールを放ることの出来るQBが揃えばパデュー大はダークホースとなる可能性がある・・・かも。

ラトガース大

ラトガース大は常々カレッジフットボール界のお荷物扱いをされてきましたが、2001年から2011年までチームを率いたグレッグ・シアーノ(Greg Schiano)監督時代にコンスタントに戦えるチームを世に送り出していました。しかしシアーノ監督がNFLタンパベイバッカニアーズの監督に抜擢されてチームを去るとそこから徐々に急降下。特に過去5年は全て負け越しで再び底辺チームに舞い戻ってしまいました。

そこでこのチームの再建のために白羽の矢が立ったのがシアーノ監督だったのです。彼はタンパベイで失敗した後オハイオ州立大でディフェンシブコーディネーターを務めながらその傷を癒やしてきましたが、遂に古巣に戻ることでカレッジフットボールの監督に復活。

ただシアーノ監督がチームを率いていた時彼らはBig Eastカンファレンス(フットボールカンファレンスとしては既に消滅)に所属しており、現在のような猛者の集うBig Tenカンファレンスで戦ったことはありませんから、彼の第二次政権が第一次政権のような上向きのようになるという保証はないのです。

ひょっとしたらシアーノ監督はコロナでBig Tenがシャットダウンされていたほうが良かった・・・と感じることになるかもしれません(苦笑)。

AGS予想

本命:オハイオ州立大
対抗:ペンシルバニア州立大
単穴:ウィスコンシン大
連下:ミネソタ大
穴:ミシガン大
大穴:アイオワ大

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