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第8週目の見どころ【2020年度シーズン】

第8週目の見どころ【2020年度シーズン】

今シーズン第8週目にはいよいよ大御所・Big Tenカンファレンスが開幕を迎えます。コロナウイルスパンデミックへの対処の違いで他カンファレンスと袂を分かち開幕を一時は断念していましたが、遅ればせながらカレッジフットボール界に殴り込み。これまで「パワー5」カンファレンス群でもすでに開幕していたACC(アトランティックコーストカンファレンス)、Big 12カンファレンスSEC(サウスイースタンカンファレンス)の動向を横目で見ながら長い間トレーニングを積んできた選手たち。彼らの「フットボール欲」が遂に開放される日が来たわけです。

ただ多いチームでは既に5試合を消化している中で開幕を迎える彼らにとって決定的に足りないのは実戦経験。今季は多くのカンファレンスがリーグ戦オンリーのスケジュールを組んでいるのでBig Tenカンファレンス戦での公平さは保たれると思われますが、得てしてチームというのはシーズンを通して成長するものですから、この時点で参加してくるBig Tenカンファレンスの面々が実際に試合を行った時にどれほどの評価を受けるか(特にランクされているチームたち)気になるところです。

それではそんなカレッジフットボール界に新たな局面が訪れそうな第8週目の見どころをお伝えいたします。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ネブラスカ大 @ オハイオ州立大(5位)

今週には他にもランク同士の戦いがありますが、やはり開幕前に2位、そして試合がないのにも関わらずいまだ5位の評価を受けているオハイオ州立大が本当にそこまで強いのかを単純に知りたいということで、この試合が個人的には今週一番気になるゲームです。

無観客の中で行われることになるこの試合、昨年のハイズマントロフィーファイナリスト、QBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)の調子は?オクラホマ大からの転校生RBトレイ・サーモン(Trey Sermon)はJ.K.ドビンズ(J.K. Dobbins、現ボルティモアレイヴンズ)の抜けた穴を埋められるか?若いレシーバー陣の真価は?7人の先発がプロへと旅立ってしまったディフェンス陣の能力は?気になるポイントが満載です。

ネブラスカ大はこのオハイオ州立大とともにBig Tenカンファレンス開幕の秋季開催を後押ししたチームですが、いざ開幕が決まりその開幕戦が強豪オハイオ州立大に決まると一気にトーンダウン。「Be careful what you wish for」(願いが叶うことで時に自分に不都合なことが起きることにつながるの意)とはいかないまでも、オリジナルのスケジュールでは対戦が無かったオハイオ州立大と相見えなければならなくなったことは予想外だったかもしれません。

ネブラスカ大で今年3季目となるのがスコット・フロスト(Scott Frost)監督。彼はチームが最後に全米制覇を成し遂げた1997年度チームのQBだったこともあり、ファンの間ではゴールデンボーイとして高い支持を受けています。それもこれも彼が指揮を執った2017年度のセントラルフロリダ大が完全無敗のパーフェクトシーズンを送ったことに由縁しています。1997年以来タイトルから遠ざかっている古豪チームのファンは再び彼らが全米の表舞台に立つ日を心待ちにしているのですが、ここ30年近くそれを目の当たりしていません。だからこそ母校の英雄でありカリスマ性もあるフロスト監督に絶大なる期待がかかるわけです。

ただ1年目は4勝8敗、2年目は5勝7敗と2年連続負け越しを続け、即復活の狼煙を見上げることを待ち望んでいたファンとしては少々肩透かしを食らった模様。とはいえチームを再建することはそう簡単なことではありませんし、Big Tenカンファレンスという常勝チームが集うリーグ内でリクルーティング競争でも勝たなければならないとなれば自ずと再建まで時間がかかります。ですから就任1、2年で大きな結果を求めるのは酷というもの。

にしても3年目となる今年、ファンはネブラスカ大のさらなる飛躍を大いに期待しています。ネブラスカ大といえばかつてトリプルオプションで栄華を誇ったチームであり、トリプルオプション好きとしてはフロスト監督がオプション使いでなかったとしても昔のよしみでネブラスカ大には強くなって欲しいというのが本音。

このオハイオ州立大戦に勝てとは言わないまでも少しでも傷跡を残すところを是非見てみたいです。


シラキュース大 @ クレムソン大(1位)

全米1位のクレムソン大と今季まだ1勝しかしていないシラキュース大の対決。2017年にシラキュース大が当時2位だったクレムソン大を破ったという大波乱はまだ記憶に新しいですが、現状を見るとこの週末にその再現が起こる可能性は限りなくゼロに近いと言えるでしょう。

先週クレムソン大はジョージア工科大相手に73対7という驚愕のスコアを叩き出しました。QBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)はその試合で前半だけで約400ヤードに5TDを記録する活躍を見せましたが、果たしてこのシラキュース大戦ではどれほどの数字を残すことが出来るでしょうか?そしてジョージア工科大戦でQBとして登場したパンター、ウィル・スピアーズ(Will Spears)の出場はまたあるのか?(笑)

アラバマ大(2位)@ テネシー大

10月第3週目の土曜日」(The 3rd Saturday in October)という異名を持つこのライバリー対決。しかしライバリー対決と言いながら過去13年間を振り返ると全てアラバマ大テネシー大に勝利しており、歴史があるにしてもアラバマ大が一方的に白星を挙げ続けています。

QBマック・ジョーンズ(Mac Jones)、RBナジー・ハリス(Najee Harris)、そして全米随一のWR陣を擁するアラバマ大はナショナルタイトルを目指す強豪チーム。対するテネシー大は先週ケンタッキー大になすすべもなく敗れ2敗目を喫し未だに自分たちのアイデンティティーを打ち出せない発展途上なチーム。どちらが勝つかは明白です。

テネシー大のジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)監督は2年前までアラバマ大のディフェンシブコーディネーターを務めていましたから、この戦いはアラバマ大ニック・セイバン(Nick Saban)監督との師弟対決となります。セイバン監督の対「弟子」チーム戦績は実に21勝無敗。今週末には無難にその連勝記録を22に伸ばすことになるでしょう。

アイオワ州立大(17位)@ オクラホマ州立大(6位)

ここまで3勝0敗と無敗のオクラホマ州立大は最新ランキングで6位にまで上昇。しかし最後に試合があったのが10月3日で2週間も試合がない間(ベイラー大戦がコロナの影響で延期に)棚ぼた式に彼らはここまで順位を上げてきました。これまで挙げた3勝もタルサ大、ウエストバージニア大、カンザス大といった中堅ないしそれ以下のチームから奪ったもので、彼らが現時点で本当に全米で6番目に強いチームなのかどうかはいまいちピンときません。

それも今週のアイオワ州立大戦で明らかになることでしょう。アイオワ州立大は開幕戦でルイジアナ大ラフィエット校にまさかの敗戦を喰らいましたがそれ以降はしっかりと立て直し、3試合目にはオクラホマ大に勝利するなど虎視眈々とランキング上昇を狙っているチーム。また今回対戦する2チームが今の所Big 12カンファレンス出身チームとしてトップ2チームであることを考えれば、否応でもこの試合に関心は集まります。

オクラホマ州立大はRBチュバ・ハバード(Chuba Hubbard)、アイオワ州立大はQBブロック・パーディ(Brock Purdy)に注目して観てみて下さい。

ペンシルバニア州立大(8位)@ インディアナ大

全米8位で今季発進のペンシルバニア州立大ですが、この日を迎える直前にRBジャーニー・ブラウン(Journey Brown)が健康上の理由で今季出場できないかもしれないというニュースが流れファンを驚かせました。チームにはノア・ケイン(Noah Cain)やデヴィン・フォード(Devyn Ford)といったRBも控えますが、ブラウンと比べてしまうと二人共見劣りしてしまいます。しかもディフェンスからはLBマイカ・パーソンズ(Micah Parsons)が既に夏の時点でオプトアウトしており、攻守で鍵となる中心人物がチームにいないという状況に陥ってしまいました。

そのペンシルバニア州立大をホームに迎えるのがインディアナ大ですが、QBマイケル・ペニックス(Michael Penix)は名こそ知られてはいないものの中々のプレーメーカーです。元々チームにはペイトン・ラムジー(Peyton Ramsey、現ノースウェスタン大)という能力の高いQBがいましたが、その彼から先発の座を奪い取りラムジーを転校に追い込んだペニックスの実力は本物。RBスティーヴィー・スコット(Stevie Scott)も相手ディフェンスにとっては頭痛の種となりますから、インディアナ大オフェンスはそこそこやれる力を持っているはずです。

ただペンシルバニア州立大はパーソンズが抜けた後でもフロントセブンは強固。ここをかいくぐるのは容易ではありませんが、セカンダリーに一抹の不安を覚えます。それは昨年のパスディフェンスがBig Ten内で13位だったという数字にも表れています。ペンシルバニア州立大は来週オハイオ州立大との大一番を控えますが、くれぐれもその試合に気をそらされているとインディアナ大から痛い目に遭わされるかもしれません。

シンシナティ大(9位)@ サザンメソディスト大(16位)

今季ここまで負け無しで「グループオブ5」勢ながらトップ10内に食い込んだシンシナティ大。かれらの今週の相手は只今5連勝中で上昇気流に乗るサザンメソディスト大です。

シンシナティ大は若き知将ルーク・フィッケル(Luke Fickell)監督に率いられるチーム。ここまで負け無しの3連勝で見事トップテン入りを果たしましたが、ここまでの対戦相手がオースティン・ピー大、陸軍士官学校、サウスフロリダ大ということで、3チーム合わせた勝敗数が3勝6敗ということもあり彼らも上に挙げたオクラホマ州立大と同じように本当の実力を計りしれないでいます。

一方のサザンメソディスト大は元テキサス大のシェーン・ビューシェル(Shane Buechele)という頼れるプレーメーカーを擁して5連勝中。昨年10連勝を飾って古豪復活の狼煙を上げたその勢いを殺さずに今季も勝ち星を重ね続けています。

「グループオブ5」勢でランキングで最も上位に残ったチームが年末年始の「ニューイヤーズ6」ボウルの1つに招待されます。その栄えある試合に出場するためにはこの試合、どちらのチームも負けることは出来ません。

ミシガン大(18位)@ ミネソタ大(21位)

Big Tenカンファレンス戦で唯一のランク校同士の戦いとなるのがミシガン大とミネソタ大の一戦。ミシガン大は今年から先発を任されることになったジョー・ミルトン(Joe Milton)がミシガン大のオフェンスを「グッド」から「グレート」に脱皮させてくれるかどうかに期待がかかります。

ただミネソタ大は昨年の驚きの快進撃(開幕以来9連勝)を経て今年も期待度が高いチーム。特にオフェンスはQBタナー・モーガン(Tanner Morgan)を擁し得点力のあるチームですから、ミシガン大のミルトンにはそれと打ち合うことの出来るパフォーマンスが求められます。

ちなみに明日ミネソタ州ミネアポリス氏で行われるこの試合、予想最高気温が摂氏-1度という予報が出ており、両者ともに忘れられない開幕戦となりそうです。

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