カレッジフットボールの中でも異色のチームといえば陸軍士官学校、海軍士官学校、空軍士官学校という「サービスアカデミー」です。もちろん彼らは軍人になるために士官学校に進んだわけですが、そこでは普通の大学と同じようにアスリートとしてフットボールだけでなく様々なスポーツに参加しています。
しかしやはり本業はそれぞれの分野で軍人として就役していくことなのですが、稀に士官学校生でもプロレベルでもやっていけるような選手が現れます。そして2015年度シーズンに海軍士官学校のQBとして活躍したキーナン・レイノルズ(Keenan Reynolds)のおかげで、2年間の服役をしなくても条件さえ揃えば卒業後にプロの道へ進むことが許されるというルール変更が行われたのです。
しかし空軍士官学校はこのルールを覆し、卒業後にプロ選手になりたい場合は2年間の従軍を経なければならないとしました。これにより、昨年空軍士官学校で活躍し、ドラフト入りが期待されていたWRジャレン・ロビネット(Jalen Robinette)は卒業後のNFLへの道を閉ざされてしまいました。
昨年1キャッチでの平均ヤード数で全米ナンバーワンを誇ったロビネットはドラフト前には第2巡から5巡目の間で指名を受けるのではないかとされていました。しかし、空軍士官学校が上記のルール変更を発表したため、当然ながら彼に触手を伸ばすプロチームは皆無となってしまったのです。
確かに軍人になるために士官学校へ進んだわけですから、いかに才能があったとしても卒業後に入隊することは当然といえば当然です。その前提があるからこそ、ロビネットにしてみればこれに反論することはできないでしょう。今の所陸海空では空軍士官学校のみがルール変更をしたようですが、今後他の士官学校もこれに追随することになるのでしょうか?