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理想の上司?

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アラバマ大ニック・セイバン(Nick Saban)監督はメディア泣かせの大変厳しい監督として知られていますが、それは選手やアシスタントコーチにも同じで試合中でも感情を抑えず怒りを爆発させるシーンもよく見られます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

そんなシーンを見ていれば、セイバン監督は非常にとっつきにくい人物なのだろうと誰もが想像することでしょう。これまでに6度のナショナルタイトルを獲得していることを考えれば、何をやろうともセイバン監督の手法は間違っては居ないだろうとも思ってしまいますが。

とはいえ、選手はともかく直属のアシスタントコーチ達も試合中でもセイバン監督の逆鱗に触れれば彼からの雷が落ち、流石にいい大人が公衆の面前で怒られるのは気持ちが良いものではないでしょうね。

それが原因なのかどうかはわかりませんが、アラバマ大のアシスタントコーチの出入りは他のチームに比べて非常に多いような気がします。2019年度のコーチングスタッフを見ると皆1年目とか2年目とか新規加入のコーチばかり。

参考サイト2019年のアラバマ大コーチングスタッフ(ウィキペディア)

一つにはセイバン監督の帝王学を身に着けたコーチたちが旅立っていくという構図もあります。たとえば去年のオフェンシブコーディネーターであるマイク・ロックスリー(Mike Locksley)氏はメリーランド大の新監督に就任しましたし、ちょっと前ならディフェンシブコーディネーターだったジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)氏がテネシー大カービー・スマート(Kirby Smart)氏がジョージア大の監督に就任するためにチームを離れていった過去もあります。

しかし一方でセイバン監督に嫌気が差してでていったのではないかという人物も居ないわけではありません。元オフェンシブコーディネーターのレーン・キフィン(Lane Kiffin)氏はアラバマ大時代にサイドラインで何度もセイバン監督から怒号を聞かされた人物ですが、彼は2016年度のタイトルゲーム直前にアラバマ大を去っていきました。そのタイミング、さらには後にアラバマ大でのセイバン監督の手法に茶々を入れるようなコメントを残したことから、アラバマ大を去ってフロリダアトランティック大の監督に就任したとはいえ、キフィン氏はセイバン監督のやり方についていけなかったのだろうというのが一般的に考えられています。

また最近ならQBコーチだったダン・イーノス(Dan Enos)氏が突如としてマイアミ大のオフェンシブコーディネーターに就任するためにチームを去ったということもありました。本当かどうかはわかりませんが、イーノス氏は夜逃げするようにオフィスを一晩のうちに片付けてアラバマ大を去っていったのだとか。これが本当ならセイバン監督との遺恨を残しそうですし、でもそうしてでもアラバマ大を去っていったというのはセイバン監督と何らかの軋轢があったのかな、なんて勝手に想像してしまいます。

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そんな感じで外部の人間からするとセイバン監督とは仕事をしづらいのかなと感じてしまうのですが、このことを質問されたセイバン監督は以下のように話しています。

「かつて私のもとで一緒に仕事をした人たちに聞いてみたほうがいいんじゃないかな。ただ面白いのは確かに彼らは(セイバン監督とは仕事がしづらい)と言うかも知れないが、実際に別のところに行くと不思議なくらい我々の手法と似通ったやり方でチームを回しているのです。だから(やりづらいというのは)どうなんでしょうね。」

カレッジフットボールのコーチの仕事の比重の中でリクルーティングにかける時間がかつて無いほど増えていきそれがかなりのストレスになっていること、そして昨今のカレッジコーチという仕事がいかに容易ではないかということもセイバン監督は話しています。そして大人であるとは言え自分のアシスタントコーチたちには高いスタンダード、そしてすべての行動に責任をもつことを強く要求しています。時には彼らがしたくないこともしなければならない状況もあるでしょう。そんなアシスタントコーチとの関係をセイバン監督は子育てと比較して以下のように話しています。

「我々は常に物事を選択しなければならない状況に面しています。そんな時正しいことをしなければならないのか、もしくは皆をハッピーにしなければならないのか、そのよう選択に迫られることがあります。それは子育てと同じです。私が自分の子どもたちを妻と育て上げたときも同じことをしてきました。妻は子どもたちをハッピーにさせたい。でも私は子どもたちが正しいことをする選択ができるように導く努力をしたものです。それは時にハッピーではないかもしれません。」

セイバン監督のリーダーシップ論は誰もが真似できるものではないでしょう。しかしながら一方で前述の通りこれまで多くのアシスタントコーチが彼の下を巣立っていったことも事実。確かにセイバン監督と一緒に仕事をするのは楽ではないのでしょうが、その見返りとして身につけられる帝王学のことを考えればサイドラインで怒鳴られることを加味しても価値のあることなのでしょうね。

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