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アイオワ大 @ アイオワ州立大
チーム名からも察することが出来るようにどちらもアイオワ州内にキャンパスを構えるチーム同士の対戦。当然彼らはお互いを忌み嫌い合うライバル関係にあります。その2チームが「サイホークトロフィー(Cy-Hawk Trophy)」と互いのプライドを掛けて今週末激突します。
現在アイオワ大が19位、アイオワ州立大はランク外ですが、どちらも無敗同士。実際のところアイオワ州立大は先週24位にランクされていましたが、試合がなかったために最新ランキングでランク外にこぼれたというだけの話で力関係は拮抗していると言っていいと思います。
アイオワ州立大は長らく所属するBig 12カンファレンスでお荷物扱いを受けてきましたが、現コーチであるマット・キャンベル(Matt Campbell)監督が就任してから着実に力をつけてきたチームで、過去2年間連続で8勝を上げる安定感を見せています。
ただ今年は開幕戦でFBS(フットボールボウルサブディビジョン)の下部リーグであるFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)所属のノーザンアイオワ大相手に3OTの末29対26で辛くも逃げ切るという危うい試合展開を披露してしまいました。
一方のアイオワ大はすでに2試合を消化しマイアミ大(OH)に38対14、ラトガース大に30対0と無難な開幕ダッシュを飾っています。ベテランQBネイト・スタンリー(Nate Stanley)はここまで63.8パーセントのパス成功率で6TDを獲得し犯したパスINTは未だゼロ。またランアタックも好調で平均キャリーヤード数が5ヤードを越えるなど派手さはなくとも堅実なアイオワ大の典型的オフェンスが健在。ディフェンスも相手が格下とはいえトータルディフェンスが250ヤード以下とし、2試合で4つのターンオーバーを引き出しています。力の差があるとは言え、同じBig Tenカンファレンス所属のラトガース大を無失点で退けたことは意味のあることです。
どちらのチームも連勝記録を伸ばしたいところですが、何よりも己のプライドのためにもこのライバル戦を是が非でも手中に収めたいところです。
クレムソン大 @ シラキュース大
現在1位のクレムソン大が今週末対戦するのは昨今成長著しいシラキュース大です。開幕前シラキュース大は22位にランクイン。2年前にはクレムソン大に土をつけ、昨年もあわやというところまで相手を追い詰めていたことから今年のこのマッチアップにも注目が集まるかと思われました。しかし先週シラキュース大がメリーランド大に63対20とまさかの敗退。これにより彼らは最新のランキングで場外へ転落。今週末の対戦に向けて期待度が減ってしまいました。
しかもクレムソン大は昨年の優勝チームから主力選手が何人か抜けたとは言え、攻守共々別次元の強さを未だ保持していることがこれまでの2試合で明らかになっており、特に先週の強豪テキサスA&M大戦でも相手にほぼ仕事をさせずに快勝。今回のこの試合がシラキュース大での試合となりますが、クレムソン大が足元を救われる可能性は・・・極めてゼロに近いと言えそうです。
アラバマ大 @ サウスカロライナ大
全米2位のアラバマ大は開幕から2試合とも対戦相手にそう手こずることなく難なく白星を手に入れてきました。そして3戦目を迎える彼らは今季初のカンファレンス戦であるサウスカロライナ大とのアウェーゲームに挑みます。
下馬評ではアラバマ大の勝利という声が高いですが、サウスカロライナ大はアラバマ大がこれまで対戦してたデューク大やニューメキシコ州立大とは明らかにレベルが違うチームであり、今季アラバマ大にとって初の真価が問われるゲームとなりそうです。ハイズマントロフィー候補QBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)や超カレッジ級WRジェリー・ジュディ(Jerry Jeudy)ら全米を代表するオフェンスパワーを擁するアラバマ大がどれだけサウスカロライナ大相手にやれるのか見ものです。
オクラホマ大 @ UCLA
2年前UCLAがチップ・ケリー(Chip Kelly)監督を招聘した際、彼らのお膝元であるロサンゼルス市はついにUCLAが実力のある監督を獲得できたと大騒ぎになったものでした。しかし彼の初年度となった昨年は4勝8敗と撃沈。そして今季もこれまでシンシナティ大とサンディエゴ州立大という「グループオブ5」チームに相次いで敗戦。彼らがPac-12カンファレンスの台風の目となるというファンの期待はすでに崩れてしまいました。
そして迎える3戦目の相手は全米5位のオクラホマ大。元アラバマ大QBでハイズマントロフィー候補にも挙げられているジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)とオフェンスのマスターマインド、リンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督が相手ではUCLAディフェンスには荷が重すぎるというもの。昨年全米でも下から数えたほうが早かったというオクラホマ大のディフェンス陣も今年はある程度の成長が見られ、UCLAにとっては昨年に続く開幕後3連敗が現実味を増してきます。
オハイオ州立大 @ インディアナ大
お互いにとって今季初のカンファレンス戦。これまで2試合で記録した数字は両校とも似通っています。しかし当然ながらこの2校が同等レベルであるということにはなりません。特にオハイオ州立大はジャスティン・フィールズ(Justin Fields)というハイズマントロフィー候補QBを擁し、新監督であり現在のカレッジフットボール界でも有数の有能オフェンスコーチであるライアン・デイ(Ryan Day)監督に率いられています。
とはいえオハイオ州立大にとってこの試合は今季初のアウェーゲーム。インディアナ大のスタジアムがミシガン大やペンシルバニア州立大のようなアウェー感たっぷりの洗礼をオハイオ州立大に浴びせることが出来るとは思いませんが、彼らにとっては序盤戦で初のテストマッチとなるでしょう。
ケンタッキー大 @ フロリダ大
昨年センセーショナルなシーズンを送ったケンタッキー大ですが、そののろしを上げることになったのがフロリダ大戦での番狂わせでした。フロリダ大にとって昨年のケンタッキー大戦での敗戦がなければまた違ったシーズンとなっていたかもしれなかった訳で、そのリベンジのためにモチベーションは高まっているはずです。
ケンタッキー大はその昨年のシンデレラストーリーの立役者となったLBジョシュ・アレン(Josh Allen、現ジャクソンビルジャガーズ)とベニー・スネル(Benny Snell、現ピッツバーグスティーラーズ)を失い、攻守ともにレベルダウンは否めません。そうなればフロリダ大QBフェリペ・フランクス(Feleipe Franks)にとって一皮むけたところをこのカンファレンス戦初戦で世に見せつけることの出来るチャンスとなりそうです。
ピッツバーグ大 @ ペンシルバニア州立大
今年の対戦で100試合目を迎える記念すべきこのライバリー。ペンシルバニア州立大がBig Tenカンファレンス入りするまでは毎年のように対戦していましたが、2000年から2015年の間対戦が滞っていました。しかし2016年から4年間の間ですがこのライバリーが復活。そして今年がその4年目の最終年となります。この先両校が対戦する予定は今のところありませんから、是非ともこの試合は見ておきたいところ。ペンシルバニア州立大が過去2連勝していますが、ピッツバーグ大はペンシルバニア州立大の本拠地であるステートカレッジ市で1988年以来勝ち星がありません。そして今年の開催地はそのステートカレッジ市。どちらに軍配が上がるでしょうか?
スタンフォード大 @ セントラルフロリダ大
2年前スコット・フロスト(Scott Frost、現ネブラスカ大)監督の下無敗シーズンを送ったセントラルフロリダ大はフロスト監督が去った後、昨年は元オクラホマ大スターQBであるジョシュ・ハイペル(Josh Heupel)氏を新監督に迎え再び連勝街道まっしぐら。最終戦のフィエスタボウルでルイジアナ州立大にやられるまで26連勝という素晴らしい数字を残しました。そしてハイペル監督2年目となる今年、セントラルフロリダ大の勢いが弱まる気配は見当たりません。これまでの2試合で彼らは平均オフェンスヤードが300ヤード以上、獲得した得点はトータル110点と爆発力は抜群です。
そのセントラルフロリダ大と対戦するスタンフォード大ですが、強固なディフェンスで知られているにも関わらず先週の敗戦ゲームとなったサザンカリフォルニア大戦ではそのディフェンスが崩壊。俗に言う「パワー5」カンファレンス群に属する名門とは言え、セントラルフロリダ大のダイナミックなオフェンスを甘く見るとフロリダ州にまで遠征して痛い目にあってしまいます。幸運なことに開幕戦のノースウエスタン大との試合で脳震とう(Concussion)を負ったQB K.J.コステロ(K.J. Kostello)がこの試合で復帰予定。もしセントラルフロリダ大のオフェンスを止められなければ、スタンフォード大は自ずと点取合戦を演じなければならなくなり、そうなればコステロの存在が鍵となりそうです。
アリゾナ州立大 @ ミシガン州立大
全米18位のミシガン州立大とアリゾナ州立大という無敗チーム同士の対戦も見逃せません。
ミシガン州立大は開幕戦のタルサ大相手に勝ったものの28対7と格上チームとして圧勝することは出来ませんでした。特にオフェンス力不足に不安を覚えたファンも多かったとは思いますが、2戦目のウエスタンミシガン大で51得点を挙げて快勝。いくらかその不安要素は払拭されました。このオフェンスを率いるのはベテランQBブライアン・レウワーキ(Brian Lewerke)。2年生時の輝きを未だに取り戻せていませんが、アリゾナ州出身の彼がアリゾナ州立大を相手に勝利できれば彼個人としては達成感あふれる試合になるでしょうね。
そのレウワーキが対峙するアリゾナ州立大ディフェンスは昨年の先発メンバーから7人が抜けてしまいましたが、ここまで2試合とも最初の3クォーターで無失点。パスディフェンス171.5ヤードは今のところ全米34位ということで、彼らの3-3-5ディフェンスが功を奏しているといえます。
トータルで25人もの1年生を起用しているアリゾナ州立大は言わずとしれて若いチーム。アリゾナから遠く離れたミシガン州でスパルタンズ相手に番狂わせを起こすのは容易くありませんが、ハーム・エドワーズ(Herm Edwards)監督に何故か期待したくなってしまいます。
メリーランド大 @ テンプル大
今季驚きの開幕2連勝を飾り、最新ランキングでいきなり21位に飛び込んできたメリーランド大。これまで何と2試合での平均得点数が71点というまるでバスケットボールチームのような数字を叩き出しています。バージニア工科大からの転校生QBであるジョシュ・ジャクソン(Josh Jackson)が新監督であるマイク・ロックスリー(Mike Locksley)監督のシステム下で水を得た魚のように活き活きとプレー。また層の厚いRB陣のお陰で2試合で11つものランTDを量産。このテンプル大戦でも更にこれらの数字を伸ばすことになりそうです。
その他
フロリダ州立大 @ バージニア大、ノーザンイリノイ大 @ ネブラスカ大、テネシー大チャタヌーガ校 @ テネシー大
フロリダ州立大、ネブラスカ大、テネシー大はそれぞれ昨年の負け越しシーズンからリベンジを誓って今シーズンを迎えていますが、フロリダ州立大はルイジアナ大モンロー校に大苦戦、ネブラスカ大はコロラド大相手に逆転負け、テネシー大に至ってはいまだ勝ち星なしと、どのチームも名門と言われながらすでにがっかりさせられているチームたち。特に今週末フロリダ州立大は25位と絶好調のバージニア大との対戦を控えており、彼らも負けが先行する可能性が大。果たしてウィリー・タガート(Willie Taggart)フロリダ州立大監督、スコット・フロストネブラスカ大監督、ジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)テネシー大監督の中で生き残れる監督はどの監督でしょうか?