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2016年度ナショナルチャンピオンシップゲーム:アラバマ大 vs クレムソン大

2016年度ナショナルチャンピオンシップゲーム:アラバマ大 vs クレムソン大

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ベースボール・マガジン社 (編集)

いよいよ2016年度シーズンの集大成となる、ナショナルチャンピオンシップゲームがアメリカ時間1月9日夜に行われます。

こんな大試合を前にまったくサイトをアップデート出来ずに個人的にはかなり不甲斐なさを感じてきましたが、試合を数時間前に控え、しかも日本時間では恐らくこのエントリーを試合直前にご覧になる方がほとんどで「いまさら」感も否めませんが、とりあえずこの試合にむけて最後の記事をあげておきたいと思います。

*各チームの大まかな状況はプレーオフ準決勝戦のプレビューもご覧頂くと分かりやすいかもしれません。

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全米1位のアラバマ大と2位のクレムソン大の顔合わせとなったこのタイトルゲーム。ご存知の通りこれは昨年と同一カード、つまりリマッチという事になりました。「ナショナルチャンピオンシップゲーム」という、優勝チームを決める為のゲームが1992年から始まって以来(当時のボウルコーリション/Bowl Coalition)、このゲームで2年連続同じチームが対戦するというのは今回が初の事ととなります。アラバマ大は2連覇をかけて、そしてクレムソン大は昨年の雪辱を晴らすためこの試合に臨む訳です。

そしてさらにいえばアラバマ大は昨年クレムソン大がなし得なかった、FBSチーム初となる15勝シーズンに王手をかけています。考えてみればこれらの状況は立場が逆になったとはいえ昨年と非常に良く似ています。

例えば昨年は昨年のこの試合時、クレムソン大は全米1位、アラバマ大は2位でした(今年は真逆)。そしてクレムソン大はこの時まで14勝無敗で上記のように史上初の15勝目が目前に控えていました。一方のアラバマ大はミシシッピ大に負け1敗を喫し13勝1敗とう成績でこの大舞台に挑みました。

もっといえば昨年の準決勝戦ではアラバマ大はコットンボウルにてミシガン州立大に38対0と完封勝利。そして今年はクレムソン大が準決勝戦のフィエスタボウルでオハイオ州立大に31対0とこれまた完封勝利(しかも対戦相手はどちらもBig Tenチーム)。

多くの事が間逆になっているこのマッチアップ。今年は試合結果も間逆になる・・・のでしょうか?

QB

アラバマ大QBジャレン・ハーツ(Jalen Hurts)とクレムソン大QBデショーン・ワトソン(Deshaun Watson)はどちらも機動力を売りにするQBです。

jalen-hurts-alabama-400x600
J・ハーツ
deshaun-watson-clemson-400x600
D・ワトソン
226/350 パス成功数/投球数 352/523
64.6 パス成功率 67.3
2620 パスヤード 4173
21/9 TD/INT 38/17
142.1 レーティング 151.8
181 ラン回数 143
891 ランヤード 581
12 TD 8

受賞は逃したものの2年連続ハイズマントロフィーファイナリストとなったワトソンは今季その得意の機動力を封印していたように思えました。もちろん数字の通りそれなりのヤードを足で稼いだ訳ですが、昨年はこのほぼ倍となる1105ヤード(12TD)をランで記録しました。勝手な予測では将来を見据えてよりポケットパサーとして磨きをかけるため、このような結果になったのではないかと思っています。ただパスヤード、投球回数は格段に増えた訳ではないのでひょっとしたらこれはクレムソン大オフェンス全体の動きなのかもしれません。前半に顕著だなと思ったのはインターセプトパスが多少多めだったことです(昨年13つのところ今年は17)。

ハーツは1年生ながらそれに見合わぬ(?)大活躍を見せてくれました。彼が活躍したせいでバックアップQB達がこぞってアラバマ大を離れると言う状況すら生まれたぐらいです。

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パスもそこそこ投げ、走ればサイズの割にはタックルを受けても簡単には倒れない打たれ強さでランTDはチームのRB陣を凌駕する12TDを獲得。アラバマ大オフェンスに無くてはならない存在となりました。ただやはり1年生である事に変わりは無く、試合の立ち上がりにパスインターセプションを犯すというミスがよく見られました。そこらへんのところはOCレーン・キフィン(Lane Kiffin)氏が上手くプレーコーリングを行い、ハーツの良いところが出るように修正していたように思えます。しかしご存知の通りキフィン氏はこのタイトルゲーム前にチームを退団。これがハーツのプレーにどう影響するかが注目されます。

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RB
アラバマ大
damien-harris-alabama
D・ハリス
bo-scarbrough-alabama
B・スカーボロー
ラン回数  141 109
ランヤード 1013 719
1プレー平均 7.2 6.6
TD 2 9
クレムソン大
wayne-gallman-clemson
W・ガルマン
ラン回数  214
ランヤード 1087
1プレー平均 5.1
TD 16

アラバマ大はフューチャーRBを4人(ダミアン・ハリス、ボ・スカーボロー、ジョシュア・ジェコブス、ジャレン・ハーツ)を擁し、4人合わせて3000ヤード以上をランで稼いでいます。TD数も27つと圧倒的。QBのハーツに加え、リーディングラッシャーのハリスは1000ヤード越え。準決勝戦で大活躍したスカーボローも頼れるラッシャー。そして4番手のジェコブスですら551ヤード(4TD)を記録しています。キフィン氏の後を継ぐスティーブ・サーキジアン(Steve Sarkisian)新OCにとっては頼もしいユニットです。

クレムソン大はウェイン・ガルマン(Wayne Gallman)が不動のナンバーワンRB。アラバマ大ほど層が厚い訳ではありませんが、ガルマンが怪我で倒れでもしないかぎり彼とワトソン二人の力で十分全米トップレベルのランゲームを披露することが出来るでしょう。

WR/TE
アラバマ大 YD/TD クレムソン大 YD/TD
A・スチュワート 816/7 M・ウィリアムス 1267/12
C・リドリー 740/7 J・レゲット 641/7
O・ハワード 489/2 D・ケイン 630/9
R・マックラウド 572/2
H・レンフロー 403/4

ご覧の通りクレムソン大の方がレシーバー陣の駒は揃っています。特にマイク・ウィリアムス(Mike Williams)はNFL級の働きを見せ、全米でもトップレベルの選手に成長しました。昨年は怪我でナショナルチャンピオンシップゲームに出場出来ませんでしたので、彼にとっては思い入れも人一倍でしょう。言ってみればアラバマ大は昨年このウィリアムスに対峙しておらず、これがクレムソン大のアドバンテージになるかもしれません。

アラバマ大にもアーダリウス・スチュワート(ArDarius Stwart)、カルヴィン・リドリー(Calvin Ridley)という優秀なWRに昨年のタイトルゲームで大活躍したTE O.J.ハワード(O.J. Howard)も健在。攻撃の主体がランである事を考えればこれだけの数字をもっているレシーバー陣が入れば事足りるという事でしょうか。とはいえ、クレムソン大のレシーバー陣に軍配が上がるのは変わりなさそうです。

ディフェンス
アラバマ大 クレムソン大
244YD (#1) トータルYD 307YD (#8)
62YD (#1) ランYD 123YD (#19)
182YD (#14) パスYD 184YD (#17)
11pts (#1) 平均失点 17pts (#7)
16 INT 20
11 ファンブル 6

記録を見れば分かると思いますが、とにかくアラバマ大の強さが俄然飛び抜けています。クレムソン大も数字的にはトップレベルなのですが、アラバマ大が正直凄すぎるのです。とくに驚異的なのがランディフェンス。相手に平均60ヤードしか走らせないというのは普通じゃないですよね。

他にもトータルディフェスと失点数でも全米1位と最強の名に恥じないディフェンス力を保持しています。10月末から準決勝戦まで許したTD数がたったの2つというのも彼らの強さを表しています。そしてアラバマ大ディフェンスが守備だけでなくターンオーバーから点を取れるユニットである事も忘れてはなりません。

ちなみに下の選手達が今春行われるNFLドラフトで第1巡目に選ばれるのではないかと噂されている選手達です。

ジョナサン・アレン(DL) アラバマ大
マイク・ウィリアムス(WR) クレムソン大
ティム・ウィリアムス(LB) アラバマ大
ルーベン・フォスター(LB) アラバマ大
デショーン・ワトソン(QB) クレムソン大
O.J. ハワード(TE) アラバマ大
カム・ロビンソン(OT) アラバマ大
ライアン・アンダーソン(LB) アラバマ大

アラバマ大ディフェンスから4人が第1巡で選択されると予想されています。まさにNFL予備軍のようなディフェンス陣です。

見どころ
アラバマ大ディフェンスがワトソンをどう止めるか?

昨年の決勝戦では今年と同じく最強と言われていたアラバマ大ディフェンスはワトソンのプレーに対し答えを見いだせぬまま40点も取られてしまいました。トータルオフェンスヤードは478ヤード、その内パスヤードは405ヤード、奪ったTDは4つとそれまで誰も太刀打ち出来なかったアラバマ大ディフェンスを切り刻んだのです。

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今年は上記の通りワトソンは足に頼った攻めをしてきていません。しかしだからといって飛躍的にパスが伸びたという訳でもなく、逆にパスインターセプションは増加しました。アラバマ大ディフェンスとしてはとにかくワトソンに走らせないようポケットに留まらせる為に怒濤のプレッシャーをかけ続ける事です。そうすればアラバマ大DB陣がパスをインターセプトする確率も増えるというものです。

逆にワトソンの機動力が炸裂すれば、今季ワトソンのようなQBと対戦してきていないアラバマ大にとってはアジャストするのに時間がかかるかもしれません。

クレムソン大ディフェンスがハーツをどう止めるか?

走れて投げれるほぼ安定した1年生QBハーツを止めるには、クレムソン大が準決勝戦のオハイオ州立大戦で見せたように、ハーツを焦らせるようなプレッシャーを浴びせる事でしょう。1年生であるにも関わらずここまで大舞台でチームの勝利に貢献してきたのは素晴らしいことですが、それでも1年生である事に変わりは無く、その脆さがクレムソン大ディフェンスに対して露呈される可能性もあります。そこがクレムソン大の付け入る隙かもしれません。ハーツが波に乗る前に前半からハーツの尻を追いかけ続ける事が必要となるでしょう。

ただそうはいってもハーツを守るアラバマ大オフェンシブライン陣は強固です。上にも上げたように全米トップレベルのカム・ロビンソン(Cam Robinson)率いるOL陣の壁を突破するのは並大抵の事ではありません。

まとめ

前述の通り両チームにはただ単にナショナルタイトルをかけてこの試合に挑むという他に、アラバマ大は2連覇を、そしてクレムソン大は昨年の雪辱を晴らす為にこの試合に臨みます。

昨年1981年以来の全米制覇を目前としてアラバマ大に敗れたクレムソン大。おそらくその日から再びこの舞台に舞い戻って悲願の優勝をこの手に、と思ってきた事でしょう。それが叶い、しかもその対戦相手がアラバマ大とくれば選手達が燃えないはずがありません。それがオハイオ州立大戦での完封勝利に繋がったのかもしれません。

クレムソン大はワトソン、ガルマン、ウィリアムスらWR陣とバランスの取れたオフェンスを擁しています。大量得点が身の上のクレムソン大が最強ディフェンス・アラバマ大を攻略出来るのか。

アラバマ大も昨年勝ったとはいえ40点も取られてしまった事は彼らの脳裏に深く焼き付いているはずです。そして今年こそワトソンを完璧に攻略しようと策を練っているでしょう。ディフェンスはアレン、フォスター、ウィリアムス、アンダーソンと超カレッジ級ディフェンダーがワトソン率いるオフェンスに「リベンジ」してやろうと考えているに違いありません。

アラバマ大はOCがキフィン氏からサーキジアン氏に代わりました。しかも試合1週間前と言う最悪ともいえるタイミングでです。しかしポテンシャル的にここが致命傷となり得ますが、話を聞いているとこれが元でアラバマ大ディフェンスがパワーダウンすると言う声は聞こえてきません。アラバマ大の選手自身もキフィン氏が去った事に対して動揺するそぶりを(少なくともメディアには)見せてはいません。それはサーキジアン氏のオフェンスに自身があるからか、もしくはキフィン氏がチーム内で選手たちと上手くいっていなかったからか・・・。

いずれにしてもこの事はどっちにも転ぶと言えそうです。ポジティブにいえばクレムソン大はサーキジアン氏が率いるアラバマ大の情報が皆無な訳です。これまでのフィルムをいくら見たとしてもそれはキフィン氏がプレーコーリングしていたアラバマ大オフェンス。いきなりがらりとオフェンスが代わるはずはありませんが、キフィン氏がプレーコールする傾向とサーキジアン氏のそれとは微妙にことなるかもしれませんから、それが大事な面で出るとクレムソン大にとっては不意打ちを食らうようなことになるかもしれません。

今日まで1週間メディアはこの試合をあらゆる角度から検証してきましたが、自分が感じたのは両チームとも非常に穏やかである、ということです。無意味なトラッシュトーキングもありませんし、相手を威圧し合うようなコメントも出されていません。アラバマ大の選手達はメディアが彼らを勝者に予想している報道を見ても「自分たちはアンダードッグ(負けると予想されている方)に思われているような気がする」と言ってみたり。

そういった試合前の雑音が少ない分、このゲームはシンプルに両チームの力と力のぶつかり合いという様相をなすのではないでしょうか。どちらが勝つにせよ今年も昨年同様素晴らしいゲームになると期待出来そうです。

 

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