黄色信号?【フロリダ州立大プレビュー】

黄色信号?【フロリダ州立大プレビュー】

今年フロリダ州立大で2季目を迎えるウィリー・タガート(Willie Taggart)監督が心配です。

同大でデビューの年となった昨年、開幕前は8勝ないし9勝が周囲の予想でしたが、結果的にはそれを大きく下回る5勝7敗。36年続いた連続ボウルゲーム出場記録も途絶え、点が取れる気配がないオフェンスに、フロリダ州立大史上最多失点記録を樹立してしまったディフェンスといいところが全くありませんでした。

created by Rinker
ベースボール・マガジン社 (編集)

オフシーズンには長年目をかけてきたトップリクルートのQBサム・ハウウェル(Sam Howell)をノースカロライナ大に掠め取られ、同じく有能リクルートであったジョン・リース・プラムリー(John Rhys Plumlee、ミシシッピ大)とランス・レジェンドレ(Lance LeGendre、メリーランド大)からも振られてしまいました。

それに輪をかけるように先発QBだったデオンドレ・フランシス(Deondre Francois)はドメスティックバイオレンスを起こして退部・退学処分になりました(最近彼がFCSハンプトン大に転校したことが判明)。

かつてその名を縦にしたフロリダ州立大を知る人にとってはこのブランド力の低下は信じられないことです。

(選手がフィールド外で問題を起こすというのは昔と変わりませんが爆)

冴えない成績、リクルーティングの失敗、フィールド外でのいざこざ、定まらないタガート体制での舵取り加減。これはフロリダ州立大のファンのみならず、カレッジフットボールファンとしては見過ごせない現状です。

そしてもし2019年度も昨年のように不調が続くようだとしたら、タガート体制の寿命も長くないかもしれません。

Embed from Getty Images

一年目から不調で先行き不安なタガート監督

フランシスの後釜にいるのは、彼が怪我で欠場していた時に先発を守っていたジェームス・ブラックマン(James Blackman)。彼に挑戦状を叩きつけるのがウィスコンシン大から転校してきたアレックス・ホーニブルック(Alex Hornibrook)です。

関連記事ウィスコンシン大QBホーニブルックが転校へ

ホーニブルックは過去3年間ウィスコンシン大で先発QBを務めてきたベテラン選手。決して全米のエリートQBというわけではありませんが、それでも強豪ウィスコンシン大のオフェンスを回してきた選手でしたから、その彼がわざわざ転校すると聞いたときは驚きを隠せませんでした。

今のところタガート監督はブラックマンが先発QBだということですが、ホーニブルックがその牙城を崩すことができるかも気になる所。

Embed from Getty Images

ウィスコンシン大からの転校生ホーニブルック。先発の座を射止められるか?

昨年のチームのランオフェンスは影を潜め、1プレーの平均ヤード数2.8ヤードという数字は何とFBS(フットボールボウルサブディビジョン)130チーム中129位。OL陣も崩壊し、彼らが許したTFL(タックルフォーロス、ヤードが減退となったタックル)は127位となる8.6タックル、そしてQBサックは3つ(112位、どちらも1試合平均)。さらに1試合平均得点数21.9点は1981年以来最悪という数字でした。

OL陣の再建が急務であることは当然タガート監督以下コーチ陣も重々承知しており、2019年度には5人のOL選手をリクルートで獲得することができましたが、所詮彼らは1年生であり来るシーズンの即戦力として期待できるかどうかは定かではありません。ブラックマンないしホーニブルックを守れるかどうかは死活問題ですし、もし彼らが怪我で戦線を離れるとなればフロリダ州立大の今季は雲行きが怪しくなってくるでしょう。

その立て直しを任されたのが新オフェンシブコーディネーターのケンダル・ブライルス(Kendal Briles)氏です。

元々ブライルス氏は父であるアート・ブライルス(Art Briles)に付いてベイラー大でコーチをしていましたが、ベイラー大選手の暴力沙汰スキャンダルで父は失脚。それに伴いケンダル氏も就職活動を余儀なくされました。これまでレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督率いるフロリダアトランティック大、そしてメジャー・アップルホワイト(Major Applewhite)前監督率いるヒューストン大でOCを務めました後、今オフに名門フロリダ州立大の重職に就くことになりました。

Embed from Getty Images

フロリダ州立大オフェンスの再建を託されたOCブライルス氏

ベイラー大でのスキャンダルの影が見え隠れするとは言え、OCとしてのブライルス氏の腕は確かです。ベイラー大時代のオフェンスは全米のトップレベルでしたし、フロリダアトランティック大ならびにヒューストン大ではそれぞれ1年しか在籍しませんでしたが、どの年も前年度よりも数字は伸びています。それを考えればタガート監督がブライルス氏にオフェンス再建を託したという決断は支持されるべきでしょう。

タガート監督は元々フロリダ出身で、1990年代の強かった頃のフロリダ州立大に憧れていた人物です。2年前たった1年であのオレゴン大監督の座を捨ててフロリダ州立大にやって来た彼ですから、ここで骨を埋めようと思っていることは確かです。ただ、骨を埋めるまでここに居れるかどうかは今季の出来にかかっていると言えそうです。

この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリーをはてなブックマークに追加
RELATED POSTS 
関連記事

ANY GIVEN 
SATURDAY

全米カレッジフットボールファンサイト