ボウルゲーム

ランキング

順位表

プレシーズン

予定/結果

順位表

2023年度第8週目の見どころ

2023年度第8週目の見どころ

10月に入り早くも3週目を迎えるカレッジフットボール。今週もまた見どころたくさんな試合が数々行われる予定です。ちょっと時間がないので駆け足になりますが、その中から気になる試合を数試合ご紹介します。

created by Rinker
ベースボール・マガジン社 (編集)

#7 ペンシルバニア州立大 vs #3 オハイオ州立大

Big Tenカンファレンスの戦力は東地区に偏っていると言えますが、その中でもとくにBig 3と目されているのがミシガン大オハイオ州立大ペンシルバニア州立大の3チーム。この3チームのせめぎ合いの末にカンファレンスの優勝チームが生まれるというのが大方の予想です。そんな中でこの三つ巴の争いの第一弾がこのオハイオ州立大とペンシルバニア州立大の一戦となります。

どちらもここまで無傷の6連勝中ということで期待度は高まっています。オハイオ州立大はこれまでプレーオフに5度も出場している言わずと知れた常勝チーム。一方のペンシルバニア州立大も名門ではありますが、プレーオフにはまだ一度も進出したことがなく、最後に全米タイトルを取ったのが1994年ということで、この試合に勝って悲願のプレーオフ進出に一歩前進したいところ。

オハイオ州立大は毎年全米優勝を義務付けられているようなチーム。そのブランド力からリクルーティングでも毎年いい人材を確保していますし、リソースも潤沢。しかしながら彼らが最後に優勝を果たしたのは2014年。この時監督だったアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督が2018年を最後に引退して以降はOCだったライアン・デイ(Ryan Day)監督が率いています。

そのデイ監督はここまで5シーズンで50勝6敗、勝率は89パーセントと圧倒的ではありますが、直近2年間で永遠のライバルであるミシガン大に二連敗しカンファレンスタイトルを彼らに奪われています。また2014年以来いまだに優勝できていないということから、これ程までの成績を残している監督であるにもかかわらず、今年ミシガン大に敗れBig Tenタイトルを取れなかったら彼の首も危ないなんて話もあるくらいです。

それはオハイオ州立大という超エリート大学の監督を任された者の使命ともいえますが、さすがにハードルが高すぎて少し同情すらしてしまいます。ただだからこそデイ監督は年収約1000万ドル(1ドル100円計算で約10億円)もの大金をもらっているわけで、大学側からしたらそれに見合う結果を残してもらわなければ困るわけですね。

そのチームはというと、オフェンスのスキルポジションのレベルの高さで知られています。その急先鋒がWRマーヴィン・ハリソン・Jr(Marvin Harrison Jr)。かの有名なマーヴィン・ハリソンのご子息ですが、その父親のDNAを受け継いだハリソン・Jrは今季全米のWR界隈ではナンバーワンと目されています。

またエメカ・イブカ(Emeka Egbuka)やジュリアン・フレミング(Julian Fleming)といったWR選手たち、トレヴィヨン・ヘンダーソン(TreVeyon Henderson)やマイヤン・ウィリアムス(Miyan Williams)といったRB陣も非常に力のある選手ばかり。ただイブカ、ヘンダーソン、ウィリアムスは先週のパデュー大戦に怪我の影響で出場しておらず、今週末の彼らのステータスが気になるところ。

一方のペンシルバニア州立大ですが、彼の強みはディフェンス。スコアリングディフェンス(平均失点数)は平均8失点でこれはミシガン大の6.71点に次ぐ第2位の数字。1列目、2列目、3列目と駒が揃っており、オハイオ州立大のオフェンスにとっては厄介な相手となります。

特に注目はDEのチョップ・ロビンソン(Chop Robinson)。ここまで3つのQBサックに5つのTFL(タックルフォーロス)を記録。彼とコンビを組むオル・ファサヌ(Olu Fashanu)やペンステート栄光の「11」を今年纏っているLBアブドゥル・カーター(Abdul Carter)、さらには全米1位のパスディフェンス(121.2ヤード)の屋台骨となるケイレン・キング(Kalen King)と駒が揃いまくっています。

ただ彼らがここまで対戦してきた相手の中で最もオフェンス力の高かったチームというのがウエストバージニア大。オハイオ州立大のオフェンスはウエストバージニア大のものとは比べものになりませんから、ペンステートのディフェンスが数字が示す通りのものなのかどうかはこのオハイオ州立大戦で明らかになるでしょう。

そこでペンステートにとって鍵となるのはオフェンス。今年から先発QBを任されるのは高いポテンシャルを秘めていると言われるQBドリュー・アラー(Drew Allar)。彼にとってはこのオハイオ州立大戦はキャリア初の完全アウェーゲームとなります。このプレッシャーに耐えられるかどうかが見もの。

また絶対的なWRが不在な中、ペンステートのオフェンスはショートからミドルレンジのパスで組み立てていくスタイルで、相手DBにチャレンジしていくオフェンスではありません。またOL陣は堅実なユニットであるものの、ランオフェンスは開幕前に予想されていたファイアーパワーをいまだ披露できていないのが現状。

全米屈指のペンステートのディフェンスがオハイオ州立大のオフェンスをどこまで食い止められるのか。アウェーというやりづらい状況でペンステート守備陣が決壊せずにいられるかが勝負になるのか・・・。どこかで点を取らないと勝てませんから、ひょっとしたらターンオーバーが勝負の分かれ目になったりして。

前述の通りデイ監督には毎年勝利を義務付けられるプレッシャーがのしかかっていますが、ペンステートのジェームス・フランクリン(James Franklin)監督にもそれなりのプレッシャーはあります。

早いものでペンステートで10年目となるフランクリン監督ですが、その卓越したリクルーティング術でロースター底上げは年々できています。しかし、それがフィールドの結果に表れていないというのがファンにとっては歯がゆいところです。

特にランカー相手となると中々白星に恵まれず、ここまでトップ25位以内チームとの対戦成績は12勝23敗と大きく負け越しています。さらにこれをトップ10チームに限定するとなんと3勝15敗。そして今回対戦するオハイオ州立大との戦績といえば1勝8敗で現在まで6連敗中。オハイオ州立大の本拠地であるオハイオスタジアムでは未だ白星なしです。

ペンステートもフランクリン監督に1000万ドル支払っています・・・。ペンステートがプレーオフに進出するには超えなければいけない2枚の分厚い壁・・・。その一枚目の壁であるオハイオ州立大を果たしてアウェーで打ち負かすことができるのか・・・。


その他の試合

#2 ミシガン大@ミシガン州立大

全米2位のミシガン大が州内ライバルミシガン州立大に乗り込みます。ミシガン大は7勝0敗、ミシガン州立大は2勝4敗と明らかに分はミシガン大にあると思われますが、ライバリーゲームは時に奇妙な結果をもたらすもの・・・。

またつい先日ミシガン大はNCAAからのルール違反の調査が入ったというニュースが出たばかり。というのも、ミシガン大スタッフの1人が相手チームのサインを盗んでいたという疑惑が浮上したからです。ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督はリクルーティング違反などですでに今シーズン開幕後3試合を謹慎処分に処されていましたが、ここにきてこの疑惑。この騒動が選手たちに影響を及ぼさなければ良いのですが・・・。

#16 デューク大 @ #4 フロリダ州立大

アトランティックコーストカンファレンス(ACC)の優勝争いの上で重要な試合。

フロリダ州立大はここまで6戦無敗。1990年代に栄華を誇っていた彼らを知る人間としてはこの位置にフロリダ州立大が居続けるのは嬉しい限り。マイク・ノーヴェル(Mike Norvell)監督は就任4期目となりますが、最初の2年こそ苦戦するも昨年そして今年チームは開花。ACCの強豪クレムソン大の不調もあり、現在カンファレンス内でポールポジションを確保しています。

一方のデューク大はここまで5勝1敗。初戦でクレムソン大を破る大金星を飾り、途中ノートルダム大に僅差で敗れはしましたが、その1敗を守ってこのフロリダ州立大との大一番を迎えます。エースQBライリー・レナード(Riley Leonard)がそのノートルダム大戦で足を負傷し、いまだ復帰の見通しが立っておらず、オフェンスのプロダクションはなりを潜めましたが、ディフェンス陣、特にフロントフォーはフロリダ州立大QBジョーダン・トラヴィス(Jordan Travis)にプレッシャーをかけるに十分な力を持っていると言われています。

デューク大はここまでフロリダ州立大と19回の対戦がありますが、未だ一度も勝ったことがありません。今回はしかもフロリダ州立大のホーム、ドークキャンベルスタジアムでの開催ということで、この敵地でフロリダ州立大から初勝利を奪うというのはハードルがかなり高いですが、いい試合を期待したいです。

#17 テネシー大 @ #11 アラバマ大

The Third Saturday in October(10月第3週目の土曜日)」という別名がある、毎年この時期に行われるのがアラバマ大テネシー大の伝統の一戦。昨年はテネシー大がホームで点取合戦に競り勝ち、16年ぶりにアラバマ大から白星を奪ってファンがフィールド内に雪崩れ込むという、ここ数年でも類のない素晴らしい試合を演じました。

参考記事2022年度第7週目レビュー

ただ今年は両チームともスタイルが全く変わってしまいましたので、昨年のような試合展開にはならないかと思います。アラバマ大はモバイルQBジェイレン・ミルロー(Jalen Milroe)、テネシー大は強肩のジョー・ミルトン・III(Joe Milton III)。どちらも出来に波がある荒削りな選手。

両チームの強みはディフェンス。スコアリングディフェンスはアラバマ大が全米12位でテネシー大が全米17位、トータルディフェンスがアラバマ大15位、テネシー大が17位と肉薄しています。大きな違いがあるとすればランオフェンス。元々アラバマ大はランを基調にしたオフェンスで今季臨んでいますが、思ったよりヤードを稼げていません。一方テネシー大はRBジェイレン・ライト(Jaylen Wright)を中心に全米6位のランヤード数を稼いでいます。

アラバマ大のホームゲームゆえ、テネシー大が彼ら相手に2連勝を飾るのは簡単ではありませんが、勝機はないわけではなさそうです。アラバマ大ディフェンスがテネシー大のランアタックを止め、ミルトンに襲いかかることができるでしょうか?

#14 ユタ大 @ #18 サザンカリフォルニア大

混戦模様のPac-12カンファレンスにおいて重要な一戦。

ユタ大はスターQBキャメロン・ライジング(Cameron Rising)をいまだ怪我で欠いていますが、ここまでなんとか1敗で凌いでいています。それもトータルディフェンスで全米9位という数字からも分かるようにディフェンスの力によるところが大きいです。

一方のサザンカリフォルニア大は先週ノートルダム大に敗れて今季初黒星を喫しましたが、Pac-12カンファレンス戦績は未だ無敗。ただ、開幕時から叫ばれているディフェンスの脆さは相変わらず改善せず、またそのノートルダム大戦では相手ディフェンスに攻略されてQBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)は自身初となる3INTを犯してしまいました。

昨年レギュラーシーズンとカンファレンス優勝決定戦で両校は2度あい見えていますが、どちらもユタ大の勝利に終わり、実際のところユタ大が同カード三連勝中。ユタ大がPac-12タイトル三連覇を目指すためには絶対に負けられない試合であり、ノートルダム大戦での敗戦を引き摺らないためにもサザンカリフォルニア大はこのホームゲームを手中に入れたいところです。

ミネソタ大 @ #24 アイオワ大

Big Tenカンファレンスの著名なライバリー。「フロイド・オブ・ローズデール」という豚の銅像をかけて争われるこのカードは初顔合わせが1891年と非常に古いライバリーです。

注目点はなんといってもアイオワ大のオフェンス。カーク・フェレンツ(Kirk Ferentz)監督の息子でオフェンシブコーディネーターでもあるブライアン・フェレンツ(Brian Ferentz)氏にとってこのシーズンは勝負の年で、もしシーズン後に1試合平均25得点を挙げていなければ契約更新なし、つまり解雇されるというノルマが課されています。

今の所7試合を終えてのアイオワ大の平均得点数は21点。このままだと25点以上に手が届きませんので彼らは取れる時にガッツリとっておきたいところです。ただパスオフェンスはFBS(フットボールボウルサブディビジョン)全130チームの中で実に128位。パスに期待は持てません。

ただ彼らがここまで6勝1敗でランクできているのはディフェンスのおかげ。おそらくこの試合もロースコアゲームとなると思われますが、果たしてアイオワ大はその予想に反してスコアを量産し、少しでも平均得点数を25点に近づけることができるでしょうか?

この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリーをはてなブックマークに追加

ANY GIVEN 
SATURDAY

全米カレッジフットボールファンサイト