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七難八苦【2020年度第1週目レビュー】

七難八苦【2020年度第1週目レビュー】

なんだかんだありましたが、今季のカレッジフットボールの幕開けを無事迎えることができました。ここまでBig TenカンファレンスPac-12カンファレンスが今季不参戦を表明するとBig Tenカンファレンスではその決定を取り消すよう求める動きが浮かんでは沈みそしてまた浮かび・・・を繰り返す毎日。そんなやり取りにうんざりするも、アトランティックコーストカンファレンス(ACC)、Big 12カンファレンスサウスイースタンカンファレンス(SEC)らシーズン開幕を目指すカンファレンスは粛々と準備を進め、いよいよ先週末に開幕を迎えることができたのです。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

今紹介した3つの「パワー5」カンファレンス群のうちACCとBig 12は今週末に揃って開幕、そしてSECはさらに2週間後となる9月26日に開幕の照準を合わせています。先週末は彼ら以外の「グループオブ5」カンファレンス群の数チームが今季最初の試合をこなしました。

正直それぞれの試合自体は語る程もののではありませんでしたが、この未曽有の中始まった2020年度シーズンの記念すべき(?)第1週目を簡単に振り返ります。

関連ページ2020年度シーズン予定・結果【第1週目】

ブリガムヤング大55、海軍士官学校3

開幕ウィークで最も注目されたカードだったのがこのブリガムヤング大(BYU)と海軍士官学校(ネイビー)の試合。しかしスコアを見ていただければ分かる通り予想を大きく覆す海軍士官学校の大敗。彼らの長い歴史を紐解いてもこれほどまでに一方的にやられてしまった負け戦はそうあるものではありません。

試合開始から飛ばすBYUをネイビーディフェンスを全く止められず。特に彼らの薄いタックル力は目に余るものがあり、コロナの影響でプレシーズンに練習不足だったのではないかと疑ってしまうくらいでした。

私が実際にTV観戦したのはこの試合だけでしたが、この試合が行われたネイビーのホームであるメモリアルスタジアムは無観客で行われました。今後も無観客で行われる試合はどんどん出てくるとは思いますが、普段ならファンの歓声やマーチングバンドの演奏、チアリーダーたちの掛け声などが聞こえてくる中、この試合は静寂に満ちていました。

聞こえてくるのは選手やコーチの怒鳴り声、審判の笛の音、そしてパッドとパッドがぶつかり合うノイズぐらいなものでした。それは実際の試合というよりはプレシーズンや春季トレーニングにチーム内で行われる練習試合に近い感覚でした。

俗に言うクラウドノイズ(観客席からの歓声)が無いというのは、追う立場に置かれたホームチームにはかなり厳しい状況なのかなとも思わされました。ホームの歓声というのは試合の流れ(モメンタム)を変えるほどの力を持っていますから、負けているチームが相手を追う際にクラウドノイズは大きな援護射撃となるのです。

しかしそれがないこの試合ではホームのネイビーがBYUにどんどん点差をつけられていくことに歯止めが効かなかったことの一因を担っていたのではないかとも思わされました。今季フルキャパシティで行われる試合はおそらくないでしょうから、このことが試合にどう影響を及ぼすかは見ものです。

ただクラウドノイズがないことは我々ファンとしては決してマイナス点だけではありません。普段は聞こえてこない選手たちの声やコーチたちの怒鳴りが際立ち、逆に臨場感を与えてくれています。これは怪我の功名と言えるでしょう。


セントラルアーカンソー大24、オースティン・ピー大17

この試合は8月30日に行われたFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン、旧NCAAディビジョン1AA)同士の試合で、本当の意味での今季のカレッジフットボール開幕試合でした。

この試合で注目されたのはコロナウイルスの影響でオースティン・ピー大の複数の選手が直前に試合に出場できなくなったということ。その中にはFCSのオールアメリカンWRであるデアンジェロ・ウィルソン(DeAngelo Wilson)や全てのロングスナッパーが含まれており、これがオースティン・ピー大の敗戦につながったと言えます。

オースティン・ピー大の体育局長は彼らがコロナに感染したから欠場したと明言を避けましたが、話によればチーム内の誰かが感染したため、その人物と接触した選手は自主隔離に置かれなければならないというガイドラインに従ったため、だということです。

コロナ禍で行われる今シーズンのカレッジフットボールではこのようなことが起きるのだというプレビューのような出来事でした。

サザンミシシッピ大のホプソン監督が辞任

先週サウスアラバマ大に32対21と敗れたカンファレンスUSA所属のサザンミシシッピ大ですが、開幕戦を終えたばかりだと言うのにジェイ・ホプソン(Jay Hopson)監督が辞意を表明しました。

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サザンミシシッピ大での戦績を28勝23敗とし、「グループオブ5」カンファレンスチームとしては中堅レベルの数字ですが、ホプソン監督はフィールド外でも話題を作った人物。例えば昨年冬にかつてベイラー大を指揮したアート・ブライルス(Art Briles)氏をオフェンシブコーディネーターに抜擢しようとして体育局長と対立。というのもブライルス氏はベイラー大で名を挙げるもチーム内で起きた婦女暴行事件など多岐にわたる風紀の乱れを助長したとして同大学を解雇。そのいわくつきのブライルス氏に手を付ける大学はここまで存在しませんでしたが、そんな彼をホプソン監督は体育局長に相談無しで呼び寄せようとしました。

関連タグアート・ブライルス

またホプソン監督は過去に婦女暴行事件を起こした短大選手をそのバックグラウンドを大学側に公表せずにリクルートし、それが表面化すると大学側がこの選手の編入を拒否するという事件も起こしています。

何にせよたったの1試合で辞任という形は既にコロナウイルスでいつもとは全く違うシーズンであることにさらに上乗せしてスパイスを効かせてくれました。

ちなみにホプソン監督が去ったあと、チームは臨時コーチに現在30歳のスコッティー・ワルデン(Scotty Walden)氏を起用。彼は2016年にディビジョン3部のイーストテキサスバプティスト大で最年少となる26歳でヘッドコーチに就任した経歴を持つ超若手コーチです。

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