先日当サイトでもお伝えしましたが、ユタ大のディフェンシブコーディネーターであるモーガン・スカリー(Morgan Scalley)氏が、2013年に送ったテキスト(ショートメール)の中で人種差別的用語を使用したことが明らかになったことで謹慎処分を食らっていました。
BREAKING: Utah defensive coordinator Morgan Scalley has been suspended effective immediately for sending a racially-insensitive text message in 2013.https://t.co/SKAq7qPOcp pic.twitter.com/WVjWhv28Ee
— 247Sports (@247Sports) June 5, 2020
実に7年も前のことを蒸し返すのか、とも思ってしまいますが、現在の「Black Lives Matter」に始まる人種差別反対運動の大きな流れの中でユタ大はこの情報を野放しには出来なかったのでしょう。
謹慎処分から1ヶ月。ユタ大はスカリー氏の件に関して内部調査を進めていたようですが、今回その調査終了に際してスカリー氏への処分が決定しました。
結果的に言えばスカリー氏はチームのDCとして残留。その代わりに減俸処分となりました。
ユタ大で13シーズン目を迎えるスカリー氏は2016年にDCに昇格されると2019年12月には年収倍増となる110万ドル(1ドル100円計算で約1億1000万円)とミリオンの大台を越え、さらには現HCであるカイル・ウィッティンガム(Kyle Whittingham)監督が退いた際の次期監督候補(HC-in-waiting)に内定すらしていました。
今回の処分で彼の年収は昨年倍増された額の元の額(52万5000ドル、約525万円)となり、今後は単年契約扱い、そして次期監督候補内定も取り消されてしまいました。
昔のこととは言え、どういった経緯でそのようなテキストメッセージを送ったのかは知る由もありませんが、不適切な言葉のチョイスが7年後にスカリー氏にしっぺ返しとして戻ってきてしまったというわけです。
計算からすると彼がこのテキストを送ったのは30歳になったかならないかという頃。若気の至りと言うには少々歳が過ぎた頃ではありましたが、一方で7年の時間が経てば人間はいかようにも成長します。ひょっとしたらその間に結婚して人の親になっているかもしれません。(結婚して親になったからといって必ずしも人が成長するとは言えませんが)
今の時代の風潮だと少しでもアラが出れば片っ端から叩かれかねません。スカリー氏が7年前に不適切な言葉のチョイスをしてしまったことは容認されることではありませんが、ただ何でも断罪するのではなく教育して正していくという行為も必要なんだと思うのです。これを経験として自分を見つめ直す機会になったとすれば。
いずれにしてもスカリー氏にとって彼の不適切な言動の代償は大きかったことは言うまでもありません。