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ロースター固めの新たなアプローチ

ロースター固めの新たなアプローチ

2021年度のリクルーティングも2月3日に行われた「ナショナルサイニングデー」を経てその殆どの行程を終え、あとは未だ進学先を決めあぐんでいる数えるほどの高校生を残すのみとなりました。

その結果今年のリクルーティングランキングでは昨年度のナショナルチャンピオン、アラバマ大がぶっちぎりで1位を獲得。しかも歴史的なリクルーティングクラスを確保し彼らの時代がまたしばらく続きそうな予感を漂わせました。

参考記事2021年ナショナルサイニングデー終わって・・・

そんな中そのリクルーティングの作業を終えたチームで驚くべき結果を残してしまったチームがあります。サンベルトカンファレンス所属のテキサス州立大です。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

テキサス州立大の事情

というのも、なんと彼らはナショナルサイニングデーを終えて今のところ今年入部してくる新入生の人数がゼロとなってしまったのです。つまりリクルーティングの甲斐なくスカラシップをオファーした高校生たちが一人もテキサス州立大に入部することなくナショナルサイニングデーを終えてしまったというわけです。

この結果リクルーティングの大手メディアである「247sports.com」によるとテキサス州立大のリクルーティングランキングは187位にまで落ち込んでしまったそうです。

ただ幸運なことに彼らは新たに11人の転校生を受け入れることには成功しました。その内訳は他のFBS(フットボールボウルサブディビジョン、旧NCAA1部A)チームから9人、FCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン、旧NCAA1部AA)から1人、そして短大から1人となっています。

しかしなぜこんな事態に陥ってしまったのでしょうか?

一番の理由はテキサス州立大が弱小であるということが挙げられます。特に過去6年間の記録は15勝57敗。いくらスカラシップ(スポーツ奨学金)を貰えるとしても勝てないチームに進学するという選手はなかなか居ないのが現実です。

また新型コロナウイルスのパンデミックの影響でカレッジチームは軒並みリクルーティング活動で苦戦を強いられました。選手たちがキャンパスに足を運ぶことが出来ず、コーチ陣も高校を訪問することが叶わず、リクルーティングで大きな側面を持つ夏のキャンプも開催できなかったせいでまともな勧誘活動を行えなかったのです。

更に悪いことに、テキサス州立大の内情を見てみると2020年度シーズンのテキサス州立大のロースターにはチームのリーダーたるべき4年生選手がたったの13人。そして世間では新型コロナウイルスのパンデミックが起きたことで2020年度プレーしたすべての選手にはプレー資格が1年追加で授与されたため、もう1年プレーできる4年生のうち実に12人がテキサス州立大以外のチームでプレーするために転校する決断を下してしまったのです。

チームからはトランスファーポータルを経て戦力が流出し、その補填のための高校生新入生が皆無というダブルパンチでテキサス州立大のロースターはスカスカになってしまったのです。


ロースター固めの新たなアプローチ

そこで目をつけたのが他校からの転校生を積極的に受け入れることでした。

高校生リクルートと違い転校生を戦力として確保することの利点は2つ。

1つはこのような選手たちは試合出場経験があるにしろ無いにしろ、カレッジレベルの体つきにすでになっているということ、そしてカレッジでの実戦経験がある選手ならばその経験値は高校上がりのルーキーよりは即戦力としての魅力があるということです。

そして2つ目は転校生の多くは残されたプレー資格が1年ないし2年という状態で合流してくるため、スカラシップを授与したとしてもその選手らに4年間縛られる必要がないということです。

どういうことか。現在1チームにつきスカラシップを授与できる選手の数には上限があります(85人)。新入生のスカラシップ付き選手は4年間は基本卒業しないため、たとえハズレ選手の場合でもその選手の枠のスカラシップは4年間縛られてしまうのです。一方で転校生は在籍年数が少ないためその枠が早い段階で開放されるため、後に高校生リクルートを多く確保するチャンスが高くなるという仕組みです

一方、トランスファー選手でロースターを埋める欠点は長いスパンで選手を育成できないという点です。即戦力になるのは当然喜ばしいことですが、転校生だけでチームを作ると長期的なチーム育成という点では安定性に欠けてしまうからです。

しかしながらテキサス州立大のようなケースの場合にはこの戦略に賭けてみる価値はあるといえるでしょう。

トランスファーポータルが設立されて選手たちが昔よりもより気軽に転校するという選択を取りやすくなった昨今、それを利用するテキサス州立大のようなチーム、特に中堅勢といわれる「グループオブ5」カンファレンス群のチームたちは今後も増えていくと思われますが、これもまた時代の流れということなのでしょう。

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