先月行われたNFLドラフトではミシガン大の11人に次ぎ10人の選手をプロへと輩出したアラバマ大。もちろん2017年度のドラフトにおいては数だけでなく質もトップレベルのドラフトクラスとなりました。また彼らが所属するサウスイースタンカンファレンス(SEC)ではトータルで53人がプロチームに指名されると言うことで、SECは圧倒的強さを失ったと囁かれているとはいえ、この数字だけ見れば彼らが未だにカレッジフットボール界でそのパワーを保持していることが伺えます。
一方、Big 12カンファレンスはトータルで14人しかドラフトでプロチームから声がかからず、SECや他のパワー5チーム達に水をあけられるだけでなく、グループオブ5のアメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)にも抜かれると言う、少し頼りない数字を残してしまいました。
そんな状況をみた、オクラホマ大の元ヘッドコーチでレジェンドでもあるバリー・スウィッツアー(Barry Switzer)氏はこの差の要因はリクルーティングにあると説いています。
「アラバマ大はとにかくリクルーティングに命をかけているのです。リクルーティングの末に獲得したのがあのような非常に高いタレントをもつ選手達と言うわけです。Big 12カンファレンスのチームはアラバマ大が持っているようなタレントをリクルートできていないのです。」
確かにアラバマ大はここ7年連続で全米ナンバーワンのリクルーティングクラスを誇ってきました。そしてBig 12カンファレンスの二巨頭であるテキサス大、オクラホマ大はアラバマ大のようにコンスタントにハイレベルのリクルートを呼び込めずにいます。
NFLドラフトでは高校時のリクルーティングで高評価を得なくてもしっかりと高順位で指名されるケースもよくあります。ですからアラバマ大から多くのドラフト選手が生まれたのは必ずしも彼らがリクルート時に多くのタレントをかき集めることができたことが主因とはいえません。が、ないタレントを伸ばすことは容易ではありませんから、やはり多くの高タレントを擁するアラバマ大から多くの選手がプロへ旅立っていくと言う構図は自然ではあります。
「私は何もアラバマ大のコーチの腕を過小評価しているわけではありません。もちろん彼らの腕はいいに決まっています。ただ事実として、Big 12チームはいい選手をリクルートすることに失敗してきているのです。あのテキサス大やオクラホマ大ですらその質は落ちてきているのですから。」とスウィッツアー氏は付け加えました。
かつてオクラホマ大で栄華を築いたスウィッツアー氏。オクラホマ大やテキサス大、そしてネブラスカ大(現在はBig Tenカンファレンス所属)らの活躍でBig 12カンファレンスはSECやBig Tenと肩を並べる最強カンファレンスでした。しかしオクラホマ大が2年前にプレーオフに進出したとはいえ、今のBig 12にかつてほどの強さを感じられないのは確かです。そんな姿を見て嘆くスウィッツアー氏の気持ちも分かります。