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SECの再編成は必要か?

SECの再編成は必要か?

全米各地に散らばるカンファレンスが姿形を変えながら今日のようになったのは少し前にこのページでも紹介しましたが、恐らくカンファレンス拡張・再編成は今後も時代の流れによって留まる事は無いでしょう。

ミズーリ大とテキサスA&M大の参戦

長い歴史を誇るサウスイースタンカンファレンス(SEC)も他のカンファレンスほど派手に拡張などしてきませんでしたが、2012年にテキサスA&M大とミズーリ大を加え14チームの大所帯になりました。

サウスイースタンカンファレンス

SECは1991年にサウスカロライナ大アーカンソー大を招き入れ12チームとなり、翌年の1992年度からカレッジフットボール界で初めて地区制度を敷き始めました。それ以来カンファレンスは地理的理由から「西地区」と「東地区」に二分され、それぞれの地区優勝者がカンファレンス王者を決定するSECチャンピオンシップで雌雄を決するようになったのです。もちろんカンファレンスタイトルゲームを始めたのもSECが初めてでした。

2012年に追加されたミズーリ大テキサスA&M大はSECの分布図からするとどちらも西側に所在しています。そして彼らがSECに加入した際、テキサスA&M大は西地区、そしてミズーリ大は東地区に編入させられました。

既存の12チームの地区編成を行わなかったせいで地理的に最も西側にいるミズーリ大は便宜上全く正反対の東地区に放り込まれるはめになったのです。ミズーリ大にしてみればSECのような強豪カンファレンスに入れるならば何でも受け入れるという姿勢で加入してきたでしょうから、加入時には文句も言えなかったのでしょう。しかし東地区のチームと対戦するには長い距離移動しなければならず、それは決してチームにとってプラスにはならないはずです。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

アーバン大が東地区へ?

そこでアーバン大の元監督、パット・ダイ(Pat Dye)氏はアーバン大を東地区に移してミズーリ大を西地区に編入し直すべきだと言う意見を述べました。それに対して同じアーバン大の現監督、ガス・マルザーン(Gus Malzahn)氏、及び体育局長のジェイ・ジェコブス氏はそのアイデアに関してまんざらでもないようなコメントを残しました。

「それは非常に理にかなっているアイデアです。もしSECが地理的な理由で再編成を行うのであれば我々が東地区へ移動するのは分かる話です。特にミズーリ大にとってはチームの移動の事を考えれば当然のことだと思えます。」とはジェイコブス氏。

「地図を見てみれば(アーバン大が東地区に移動してミズーリ大が西地区に移動する事は)大変自然なアイデアだと思います。もちろん地理的理由だけで再編成するというのは軽々し過ぎるかもしれませんが、パットのアイデアは一理あります。」とマルザーン監督もアーバン大が西地区から離脱する案には肯定的です。

ただミズーリ大にしてみれば移動の不便はあるかもしれませんが、フットボール部だけに関して言えばこれまで東地区に編入されたおかげで得た利も有ります。というのも加入して2年目と3年目には早くも東地区を制して2年連続タイトルゲームに進出しているからです。

もし彼らが西地区に編入されたらこうもいかなかったでしょう。なぜなら西地区ではアラバマ大、アーバン大、ルイジアナ州立大、テネシー大などの強豪を相手にしなければならないからです。実際ミズーリ大が加入して以来西地区の覇者はアラバマ大が4度、アーバン大が1度という風になっています。ミズーリ大が西地区ではなく東地区にいたからこそタイトルゲームに進出出来たと言っても過言ではないでしょう。

だから地理的に不利だからといってミズーリ大が猛獣が潜む巣窟(西地区)に自ら足を踏み入れたいかと言ったら疑問です。

再編成は必要か?

ただ最西端のミズーリ大が東地区にいるのは確かに合点がいきません。それは誰の目から見ても明らかですが、これを解消する為にカンファレンスの再編成が必要だと声を上げているのは今のところアーバン大だけです。いったい何故なのでしょうか?

ひょっとしたら同じ西地区のアラバマ大が強すぎる為に若干競争レベルが劣る東地区に移りたいと言うアーバン大の思惑が有るのかも?

実際過去6年間のうちアラバマ大は5度も西地区を制していますから。

しかしながら東地区の連中にしてみればミズーリ大よりも強いアーバン大が入ってくる事を歓迎するでしょうか?アーバン大が東地区に入ってくればそれだけその地区を制する確率が低くなってしまうのですから。

SECのコミッショナー、グレッグ・サンキー氏は現状維持を指示しているようです。

「SECが14チームになって以来、フットボールゲームのスケジューリングに関して様々な人々の尽力があって今の形に収まりました。そしてこれまで現状の形はうまくいっています。再編成の話は我々の議題には上がっていません。それについて仮定の話も今はしたいとは思いません。」

とういことで今のところ再編成の話はアーバン大の遠吠えにしか聞こえないのです。

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