LSUオフェンス vs ジョージア大ディフェンス
全米2位のルイジアナ州立大がCFPに進出するためには、彼らの擁する強力なオフェンスが全米屈指のディフェンスを誇るジョージア大を攻略する必要があります。その先陣を切るのが現在ハイズマントロフィー最有力候補と言われるQBジョー・バロウ(Joe Burrow)です。
ここまで3試合連続で50点以上を叩き出しているバロウ率いるLSU攻撃陣ですが、今回対戦するジョージア大のディフェンスは彼らがこれまで対峙してきたどのチームのものよりも鉄壁であると言っても過言ではありません。
ジョー・バロウ
今季通してみてもLSUのオフェンスはスコアリングオフェンスで全米1位(平均48.7点)、パスヤードでは超パス重視オフェンスを擁するワシントン州立大に次ぐ第2位(390ヤード)。
ジョージア大は最近5試合(フロリダ大、アーバン大、テキサスA&M大、ミズーリ大、ジョージア工科大)で許した総失点数が51。1試合平均失点数が実に約10点という秀逸ディフェンスが売りのチーム。
彼らのランディフェンスは1試合平均75ヤードで全米2位(1位はユタ大)。パスディフェンスも15位となる平均186ヤードということでオフェンスで押すチームが蔓延る中ジョージア大の原動力は彼らのディフェンス陣にあるのです。
SECだけでなく全米を代表するトップレベルのオフェンスとディフェンスが激突するガチバトル。果たしてどちらに軍配が上がるでしょうか。
LSUがこれまで対峙してきた中で唯一ジョージア大よりもパスディフェンスで勝っていたチームがアラバマ大ですが、バロウはこのアラバマ大ディフェンスから393パスヤードを奪い完全攻略。
しかも彼らのオフェンスはバロウだけでなくRBクライド・エドワーズ・へレイヤー(Clyde Edwards-Helaire)という頑丈なラッシャーを揃えています。1キャリーの平均ヤードが6.78ヤードという数字を誇るエドワーズ・へレイヤーはこのカテゴリーで全米5位。生半可なタックルでは止められないことは想像に容易いです。
クライド・エドワーズ・へレイヤー
全米2位のランディフェンスを誇るジョージア大はここまで対戦してきたランクチーム相手にトータルで151ヤード(ノートルダム大、フロリダ大、アーバン大)しか許しおらず、しかもノートルダム大とフロリダ大はそれぞれ50ヤード以下に抑えるという徹底ぶり。彼らのランディフェンスは本物です。
ジョージア大ディフェンスとエドワーズ・へレイヤーの対決も非常に興味深いです。
ジョージア大オフェンス vs LSUディフェンス
一方ジョージア大のオフェンスですが、彼らはLSUのそれよりも派手さはありません。QBジェイク・フローム(Jake Fromm)率いる攻撃陣は先週のジョージア工科大戦で52点を叩き出しはしましたが、そこに至るまでの6試合では30点以上の得点を奪うことは出来ませんでした。爆発力ではLSUに劣るのは否めません。
しかしバロウが「フィールド上のマジシャン」ならば、フロームは「フィールド上の司令塔」と位置づける事ができるのではないでしょうか。
ジェイク・フローム
確かにフロームはシーズン中盤にスランプに陥りはしましたが、ゲームマネージャーに徹することでチームに勝利をもたらしてきました。それは自身のディフェンス陣が最強であるからこそ通用したともいえますが、彼らのスタイルはLSUのような大量得点を奪うものではありません。
そんな彼らに立ちはだかるLSUディフェンスですが、「DBU」という通り名もある通り全米でも有数の高い能力を持つDBユニットを保持しており、オフェンス力でパンチ力で劣るジョージア大にとって見れば少ないチャンスをものにするようなプレー、およびミスのない試合展開が必須となります。
注目ポイント
大量得点が望めないとなるとやはりジョージア大の頼みの綱はディフェンス陣がLSUのオフェンスを可能な限り押さえ込むことになります。全米きってのランディフェンスをもつ彼らがエドワーズ・へレイヤーをスローダウンさせることは可能でしょう。問題は神がかっているバロウを攻略できるかということですが、彼らがこれまで対戦し倒してきたランクチームたちとの試合を見てもバロウを止めるのは困難。
2年前にジョージア大はナショナルタイトルゲームで全米王者となるアラバマ大と対峙しましたが、感覚的に言ってもあの時よりもこのLSUを相手にするほうが厳しいと感じます。
もしLSUが勝てば自身初となるCFP進出を確実なものにします。そしてもしジョージア大が勝てばジョージア大のプレーオフ進出が確定となるでしょうが、負けたルイジアナ州立大もおそらく上位4位に留まると考えられます。そうなればSECから2チームがプレーオフに駒を進めるということになり、それは2年前の再現(アラバマ大とジョージア大)ということになります。
自身のプレーオフ進出だけでなく外からプレーオフを狙うチーム(ユタ大、オクラホマ大、ベイラー大)にも大きく影響を及ぼすことになるこの試合。果たしてどんな結果が待ち受けているのでしょうか。