今週末ライバル・テネシー大との一戦を控えているアラバマ大。現在全米1位ということで6年連続となるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)進出目指してまっしぐらという感じです。
この由緒あふれるアラバマ大のホームスタジアムがブライアント・デニースタジアム。幸運なことに筆者はこのスタジアムに足を運んだことがありますが、ボウル型でも割りと高さのあるこのスタジアムがファンで埋まるとそれは格別な雰囲気と興奮に包まれます。
10万人以上収納可能なブライアント・デニースタジアム
そんなアラバマ大のホームスタジアムが今シーズン後に改築予定なのですが、その経費がハンパないです。
今シーズン開幕頃にアラバマ大がゴーサインを出したこの改築予算ですが、なんとその総額1億600万ドル(1ドル100円計算で106億円!!)。カレッジフットボールにおいて自身のスタジアムが使われるのはせいぜい1シーズンで7試合くらいのもので、春の紅白戦を含めても1年間で10回もないのです。そんな施設にこれだけのお金をつぎ込むというのですから・・・。
工事の方は11月23日におこなれる今季ホーム最終戦のウエスタンカロライナ大との試合が終わってからすぐに着工する予定だそうで、2020年度のシーズン開始までには完成する予定。
最近10年間ではこのブライアント・デニースタジアムはすでに大きな改修工事が2度も行われていますが、今回の工事はこれらを更に上回る規模で行われるそう。新しいオーロラビジョン、スカイボックス、ロッカールーム、VIP席のアップグレードなどが工事の内容に含まれています。
ここ10年間で5度もナショナルタイトルを獲得しているアラバマ大はまさにダイナスティを邁進中。そんな彼らのホームスタジアムが王者にふさわしいものとなるように来年にはグレードアップしていることでしょう。これはもちろん観戦に来てお金を落としてくれる観客たちのためともいえますが、それ以上に未来の金の卵であるリクルートたちにここでプレーしたいと思わせるためのリクルーティングの手法の一環でもあると思われます。
いいリクルートを手に入れる→チームが強くなる→チケット、TV放映権、グッズの売上などで懐が暖かくなる→施設をアップグレードしてリクルートにアピールできる→いいリクルートを手に入れる・・・こんなサイクルが続くからこそアラバマ大やその他の大御所たちが強くあり続けられるわけです。もちろんそのリクルートたちを使いこなせるだけの手腕を持ったコーチ陣も必要なわけですが。
アラバマ大にはそれを体現する名将ニック・セイバン(Nick Saban)監督が健在。現在67歳のセイバン監督があと何年アラバマ大で指揮を執れるかわかりませんが、彼がいる限りこの王者のサイクルは崩れないでしょうから今後もアラバマ大は全米のトップチームとして君臨し続けるのでしょうね。その王者のホームとしてブライアント・デニースタジアムが来年装いも新たに生まれ変わるわけです。
にしてもスタジアムを改築するためだけに1億ドル以上とは桁外れにも程があります(苦笑)。