2022年からオレゴン大を率いているダン・レニング(Dan Lanning)監督がこの春に同校と契約を更新。これまでは2023年に2028年までの契約延長をしたばかりでしたが、新たに6年の契約延長を締結。これでレニング監督はオレゴン大を2030年まで指揮していくことになりました。
オレゴン大のダン・レニング監督
今回の契約更新以前の契約内容が年棒約700万ドル(1ドル100円計算で約7億円)でしたが、新たな契約更新によりレニング監督の年棒は一気に平均1100万ドル(約11億円)にまで急騰。これによりレニング監督は現役監督の中で5本の指に入る高額年収監督となったのでした。
しかも契約年間中どんなに調子が悪くなってもこの年収額は保証されるとのこと。これはカレッジフットボール界において非常に珍しい事項と言われています。ただ、その代わり契約途中で他チームに移籍した場合に発生する違約金(バイアウト費)は2000万ドル(約20億円)と超巨額。これはオレゴン大がレニング監督に簡単に出て行かれないようにするための楔のようなものです。
カレッジフットボールの強豪校の監督のサラリーは年々上昇し続けていますが、それは腕の立つ監督をなるべく手元に置いておきたいために高額なサラリーを提示しているという背景があります。
オレゴン大でのレニング監督ですが、これまでの戦績は3年間で35勝6敗。特に2024年度は所属カンファレンスをPac-12カンファレンスからBig Tenカンファレンスに移したシーズン。ここでレニング監督率いいるオレゴン大はレギュラーシーズン中無傷の13連勝。所属するBig Tenカンファレンスでも移籍直後にタイトルを獲得するなどし、12チーム制度になったCFP(カレッジフットボールプレーオフ)にも悲願の出場を果たしたのです。
そんな右肩上がりのレニング監督ですから、オレゴン大としてはこのモメンタムを継続させるため、そして安定した強さを保持するために今回レニング監督と大型の契約更新を締結した訳です。
ただ、レニング監督は昨年こそBig Tenタイトルを獲得したものの、ナショナルタイトルはまだ手に入れていません。今回の契約更新・延長で1100万ドルと超高額サラリーとなった訳ですが、この数字はナショナルタイトルを獲得していない監督としては最高額となります。
名前(所属) | 年収 | 優勝年 | |
1 | カービー・スマート(ジョージア大) | 1300万ドル | 2021, 2022 |
2 | ライアン・デイ(オハイオ州立大) | 1250万ドル | 20245 |
3 | ダボ・スウィニー(クレムソン大) | 1150万ドル | 2016, 2018 |
4 | ダン・レニング(オレゴン大) | 1100万ドル |
全米制覇を成し遂げていない監督にしては貰い過ぎなのではないか?という声も聞かれますが、オレゴン大にしてみれば全米優勝を可能にしてくる可能性があると信じている人材を、他の大学に掠め取られる前に大金をはたいて自らの手元に置いておくための、言わば巨額の投資であると言えるのかもしれません。
果たしてその期待にレニング監督は答えることができるでしょうか?