ハワイ大のスタジアムが老朽化のため閉場へ
マウンテンウエストカンファレンス(MWC)所属のハワイ大が使用するアロハスタジアム。かつてNFLがプロボウルをハワイで行っていたときにも使用されたスタジアムとして知らていますが、今回老朽化が進み観客を動員して行われるイベントを無期限中止とする決定を下しました。
1975年に開場したアロハスタジアムはハワイ大だけでなく上記のプロボウルやアロハボウルなどハワイ島で行われるスポーツイベントに欠かせない施設として愛されてきましたが、その立地条件からメンテナンスが困難で昨年の試算では3000万ドル(1ドル100円計算で約30億円)の改修費用が必要だとされてきました。
そこに来て今年は新型コロナウイルスのパンデミックが発生し収入は激減。老朽化が進みそれを直す手立ても絶たないことから今回この苦渋の選択を下すに至ったわけです。
ただ新アロハスタジアムの建設計画はすでに存在するのですが、それが完成するのは2023年ということで向こう2年間のハワイ大のホームスタジアムをどうするのかが問題になってきます。
NCAAの規定で1部に所属するチームは最低でも1万5千人収容可能なスタジアムを所有することを義務付けられています。しかしハワイ州にその条件を満たすスタジアムは多くなく、唯一考えられるのはマウイ島にあるワーメモリアルスタジアム(2万人収容)のみ。
しかしこのスタジアムをハワイ大がホームスタジアムとして使用するには毎回飛行機での移動が必須であり、これが財政的に可能なのかどうかという問題もでてきます。アウェーゲームはすべて本土で行われるためただでさえその移動費がかさむ上にホームゲームも移動が飛行機を使わなければならなくなると流石に大学の懐事情も怪しくなってくるというもの。
ハワイ島にある1万5000人未満収容のスタジアムを使用するにはNCAAからの特別許可をもらわなければなりませんが、観客が少なくなるということはチケットの売上も減るということでハワイ大は厳しい状況に置かれることになります。
イリノイ大の新監督にビルマ氏
先日5シーズン目を終えたばかりのロヴィー・スミス(Lovie Smith)監督を解雇したイリノイ大はその後任にブレット・ビルマ(Bret Bielema)氏を起用することを発表しました。
イリノイ大がブレット・ビルマ氏を新監督に任命。イリノイ州出身のビルマ氏はウィスコンシン大とアーカンソー大で監督の経験あり。ウィスコンシン大では2010年からBig Tenタイトル3連覇。今年はNYジャイアンツのスタッフを務めていました。#アメフト https://t.co/QD0m0KQ0U2
— Any Given Saturday (@ags_football1) December 19, 2020
ビルマ氏とイリノイ大の契約年数は6年で年収は420万ドル(約4億2千万円)だそうです。
ウィスコンシン大、アーカンソー大と「パワー5」カンファレンスで12年の監督経験を持つビルマ新監督。とくにウィスコンシン大では2010年から3年連続Big Tenカンファレンスタイトルを獲得するという偉業を成し遂げました。その彼がアーカンソー大へ移籍した時は驚かされましたが、そのアーカンソー大では鳴かず飛ばずで2017年にはクビとなってしまいました。
その後はニューイングランドペイトリオッツやニューヨークジャイアンツとNFLに身を置いていましたが、今回HCとして再びBig Tenカンファレンスに降臨します。
イリノイ大が最後に勝ち越しシーズンを送ったのは2011年のこと。NFLのベテラン監督であるスミス監督が就任した際には話題になりましたが、その期待に応えるような結果をスミス監督は残すことが出来ず、またリクルーティングでも他のBig Tenチームに遅れをとってしまい成績は下る一方でした。
もともとビルマ監督はイリノイ州出身で大学時代はアイオワ大でプレーした背景もありBig Tenカンファレンスの土地勘には優れています。当然かつてウィスコンシン大で結果を残したこともイリノイ大でのリクルーティングに還元されることでしょうから、来年以降の彼らの同校に注目が集まりそうです。
元ペンステートのカーター氏が訴えられる
かつてペンシルバニア州立大(ペンステート)でRBとして活躍し、1995年のNFLドラフトでは総合ドライチでシンシナティベンガルズ入りしたキジャナ・カーター(Ki-Jana Carter)氏。NFL選手としては残念ながら「バスト」として知られていますが、そのカーター氏が今回訴えられる羽目に陥っています。
ペンステート時代のカーター氏
というのもカーター氏は今回のコロナ禍が始まった当初にある医療器具会社の代表としてペンシルバニア州の保健局に30万枚のマスクを買い付ける契約をしたのですが、今の今までマスクが保健局に届けられることはなく支払われた240万ドル(約2億4千万円)の行き先が不明になっていることから今回の訴訟に発展したということです。
パンデミック初期にはマスクの不足は深刻でありその確保に各地の自治団体は奔走していたわけで、ペンシルバニア州の保健局もカーター氏の売り込みは願ったり叶ったりなチャンスだということで契約にこぎつけたのでしょう。
ペンシルバニア州では依然としてカーター氏は有名人であり、その人物が売り込んできたとあれば信用して契約してしまうことも十分人考えられます。この医療器具会社とカーター氏の繋がりは分かっていませんが、願わくばこれは詐欺などではなく不測の事態であり、カーター氏は利用されただけ・・・だと思いたいところです。
フロリダ大がリクルーティグ違反
今季ダン・マレン(Dan Mullen)監督2季目としてサウスイースタンカンファレンス(SEC)東地区を制してタイトルゲームに出場するも惜しくもアラバマ大に敗れてSECチャンピオンならびにCFP出場のチャンスを逃したフロリダ大。その彼らが今回NCAAからリクルーティング違反による罰則を受けることになりました。
指摘された違反は2つ。1つはマレン監督とアシスタントコーチらがターゲットのリクルート(高校生選手)の高校の監督と会った際、本当は禁じられているのにも関わらずその高校生もその会合に同席していたこと。
もう1つは許可されている以外の範囲でリクルート達と接触しキャンパスツアーを行っていたことでした。
またマレン監督自身についてはNCAAの規則に乗っ取らなければならないという方針を積極的に行わなかったことも指摘されました。
これによりマレン監督は今後1年間の理由開示命令(Show-Cause)、及び今季と来季4日間のキャンパス外でのリクルーティング活動の禁止が示されています。
その他にも来年のリクルーティング活動においてかなりの制限がかけられており、これが2021年度のリクルーティングクラスにどう影響が及ぶかが注目されます。
ただ今年に限って言えばコロナ禍により全米各地でリクルーティング活動は大幅な制限がかけれ、コーチが高校に赴いたりリクルートたちがキャンパスやホームゲームに招待されるようなことは禁止されてすべてリモートで行われてきました。この状況は来年度のリクルート活動にも影響お及ぼすかは分かりませんが、今回フロリダ大に課せられたリクルート活動の制限がどれだけのダメージを与えるのかは未知数です。