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トランスファールールがまた改正へ【オフシーズン便り#14】

トランスファールールがまた改正へ【オフシーズン便り#14】

全米大学体育協会(NCAA)は今年4月、トランスファー(転校)ルールを改正。これにより、どんな理由であろうとも、受け入れ先の大学が課す必須事項(主にGPA/成績や履修科目など)をクリアしていれば、何度でもトランスファーでき、さらに転校先ですぐさま試合に出場することができるようになりました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

かつて、カレッジフットボール界では転校生は新天地で1年間試合に出場することが禁じられていました(大学院生としての転校を除く)。これは、自分の都合が悪くなったからと言って用意に転校してしまうという安易な道を学生アスリートが選択することを抑止するルールとなっていたのです。

ただここ数年でトランスファー界隈の状況が激変。一番の変化はトランスファーポータルの出現です。これまでは選手は転校したくてもそのことを公言することはなかなかできず、また他のチームのコーチたちもすでに所属チームを持つ大学生選手に声をかけてリクルートすることは禁じられていました。

しかし、2018年にトランスファーポータルが設立されたことで、転校の意思がある選手がこのポータルに登録することで、他チームのコーチがその選手にコンタクトすることが公式に認められたのです。

そして2020年には最初のトランスファーであれば、新天地ですぐに試合出場が可能になる、つまり転校しても転校先で1年間ベンチを温める必要がなくなったのです。これらの要素により新たな出場機会を求めて転校する道を模索する選手たちが激増。2023年度シーズン終了時にはなんと1000人以上のFBS選手がポータル入りを果たしたというデータもあります。

ただ、その後ゆく先々でうまく行かずに転校を繰り返すケースも増えたため、2022年度シーズン終了後に2度目以降のトランスファーのケースの承認条件を厳格化。複数回転校を繰り返す選手はごく少数ではありましたが、NCAAはこれに歯止めをかけるルール改正を設立していました。

しかし、昨年には複数の州検事がこのルール規制に関してNCAAを相手取って訴訟を起こしていました。「このルールは学生アスリートの自由を迫害している」というのが訴訟理由です。

そしてこの訴訟を受けて、NCAAは1度きりなら自由にトランスファーできる、というルールを撤廃し、受け入れ先があるならば何度でも無制限にトランスファー出来、尚且つ即試合出場が可能にしたのです。

ちなみに、今季(2024年度)プレーする選手の中で、2度以上トランスファーをしている主な選手は、フロリダ州立大のQB D.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalelei、クレムソン大→オレゴン州立大)、ノースカロライナ州立大のQB タイラー・シャック(Tyler Shough、オレゴン大→テキサス工科大)、オレゴン大のQB ディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel、セントラルフロリダ大→オクラホマ大)、 オクラホマ大のQB ケイシー・トンプソン(Casey Thompson、テキサス大→ネブラスカ大→フロリダアトランティック大)などの選手がいます。

選手たちに選択の自由が与えられたのは歓迎されることでしょうが、出場機会が減ったからと言って安易に転校するというのは「逃げ」と捉えられても仕方ないと思ってしまいます。ただ、そんな状況でも「自分にプレーのチャンスさえあれば活躍できる」と考える選手もいるでしょうし、NFLを目指したいならば誰かのバックアップでいるよりも、たとえ弱いチームでも自分が先発として出場できたほうがアピールできる頻度は格段に上がります。

かつてのように、リクルートしてくれた大学にコミットし続ける、という時代は過ぎ去ったということでしょうか。日本でこんなことが起きたら一生裏切り者のレッテルを貼られそうですね(苦笑)。一つ言えるのは、これでコーチ陣のロースター管理が更に面倒になったということでしょうね。

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