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新NCAAプレジデント、チャーリー・ベーカー【オフシーズン便り#15】

新NCAAプレジデント、チャーリー・ベーカー【オフシーズン便り#15】

アメリカの大学スポーツを管理・運営するのが非営利団体であるNCAA(全米大学体育協会)です。彼らがスポーツのルールを制定したり、ロースターを管理したり、ルール違反をしていないか監視したり、その他諸々大学スポーツが円滑にそして安全に行われるために存在しています。

参考記事NCAAとディビジョン

そんな大学スポーツ界の一手にまとめ上げているNCAAの新しいプレジデントにチャーリー・ベーカー(Charlie Baker)という方が就任したというニュースです。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ベーカー氏のキャリア

ベーカー氏は今回6代目のNCAAプレジデントになったのですが、前職はマサチューセッツ州の州知事。つまり政治家だったのです。

ハーバード大ノースウエスタン大という一流大学で学んだベーカー氏のこれまでのキャリアにスポーツ界での経験はありません。もっといえば、彼はNCAAのプレジデントとしては体育局長(AD)や大学長を経験したことのない、初の人物ということになります。

つまり、大学スポーツという枠組みの外からやってきた「部外者」ということもできるわけです。

しかし、大学スポーツとの明確な接点がないものの、ベーカー氏には大きな期待を寄せる声が集まっています。その大きな理由は彼が政治家としてのバックグラウンドを持っているからです。


ベーカー氏が背負う課題

現在大学スポーツで最も大きな課題と言われているのが「NIL(Name/Image/Likeness)」です。

これまで学生アスリートは基本的に自分のスポーツ活動に関わる方法でお金を稼ぐことは禁止されていました。当然プレーすることでその対価を支払われることはもってのほかですが、選手としてのポピュラリティーを用いてお金を稼ぐこともタブーとされており、これに違反すれば重大なペナルティーが待っていたのです。

NCAAはアマチュアリズムを守るために、選手たちがお金を儲けたり受け取ることに目を光らせ続けてきました。カレッジスポーツ、特にフットボールとバスケットボールが年を追うごとに肥大化し、メディアの利権を巻き込んで巨大エンタメ産業と姿を変えた後でも、プロスポーツとの線引きの為に彼らは頑なに学生たちがお金を持つことを許してきませんでした。

一方で前述の通りカレッジスポーツが巨大なマネーメーカーとなり、大学やカンファレンスが学生アスリートたちの試合を元手に巨額な利益を得ているのにも関わらず、学生アスリートたち自身には何の見返りもないことへの矛盾や批判の声は、カレッジスポーツが生み出す利益が大きくなればなるほど増え続けていったのでした。

そうして学生アスリートたちにもキックバックがあるべきだという声が高まった中、2019年にカリフォルニア州知事が学生アスリートでも肖像権(NIL)を使ってお金儲けをしてもいいという州法に署名をするという、これまでのNCAAの立場を大きく揺るがすニュースが飛び込んできます。

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当初、NCAAはNILを使ってカリフォルニア州の学生アスリートが収入を得るならば、その大学はNCAAから除外するという強気の姿勢を見せました。しかし、彼らの誤算だったのはカリフォルニア州に追随する州が次から次へと現れたことです。

もしそれらの州を全て除外するとなれば、NCAA自体の存在意義がなくなってしまうかもしれないという状況にまで陥ると、ようやく時代の流れには逆らえないと察したNCAAはNILを通じての学生アスリートのお金稼ぎを許可するよう方向転換します。

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しかし、そのルールを自ら制定するのではなく、国に法律として制御してほしいと政治家たちに近づきますが、その案は敢えなく頓挫。すると今度は地方自治体や大学、カンファレンスにそのルールを委ねるという、他人に丸投げするというずさんな解決方法に逃げたのです。

そのせいで無法地帯となったNILマーケットでは、当初は学生アスリートたちの家計の足しになるようなツールとなると考えられていたところ、それを餌に選手たちを勧誘する大人たちが出現。現在ではNILという名の元に選手を「買い占める」ことが事実上横行することになってしまったのでした。

諸悪の根源・・・

この現在のNILをめぐるカオスの根源は第5代目のNCAAプレジデントだったマーク・エマート(Mark Emmert)氏がNILの対処に後手に回り続けていたからだと言われています。

変わり続けるカレッジスポーツの大局を見誤り、NILに関して決断を先延ばしにしたせいで後戻りするには状況が変わり過ぎてしまった現在のNIL事情を生み出した諸悪の根源がエマート氏だと言われており、そのせいで彼の評判はガタ落ちです。

そのエマート氏が引退を表明し、このNILのカオスだけが残されてしまったカレッジスポーツ界に足を踏み入れたのが、新プレジデントのベーカー氏というわけです。

現在のNILのルールにおいて、NILをリクルートの道具に使ってはいけないとは明言されています。しかし、NILをオファーするブースターやコレクティブと呼ばれる仲介屋たちは、さまざまな名目を作り出して、NILという名の巨額な金を餌に望みの選手を自分たちの推す大学に引き入れようと躍起になっています。

ベーカー氏に課せられた大きな課題は、こういった悪知恵を働く大人たちをどう取り締まるかということにかかっています。

ベーカー氏への期待

それにはやはり連邦法で取り締まることのできる法律を樹立することが強制力が最もあると言われていますが、当然それをNCAAが独自でできるものでもありません。それは連邦法を協議し制定できる政治家のみがなし得ることなのです。

そこで役に立つのが、ベーカー氏の政治家としてのバックグラウンドです。

すでに彼はワシントンDCにまで足を運び、議員たちとNILを法整備できないかという協議を行ったと言います。その中にはかつてミシシッピ大、アーバン大、テキサス工科大、シンシナティ大で監督を務め、現在は政界へ転職したトミー・タバービル(Tommy Tuberville)氏も含まれていました。

エマート氏体制でごちゃごちゃになってしまったNILの整備という大役を任されることになるベーカー氏。またカレッジフットボールでは、カンファレンスの大変革やプレーオフの拡張など大きなうねりの真っ只中におり、ベーカー氏のリーダーシップのもとでNCAAがどのようにこの変革期を乗り越えるのか気になるところです。

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