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早期サイニングピリオド終えて・・・【後編】

早期サイニングピリオド終えて・・・【後編】

早期(アーリー)サイニングピリオドを振り返った【前半】記事ではそもそも早期サイニングピリオドとは何か、そしてその利点と問題点、さらには今年3日間の総記載ニングピリオドを終えた時点でのリクルートランキングをざっくりと見てみました。【後編】ではその他のトピックをまとめてお伝えします。

コーチプライムが起こした下剋上


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今年の早期サイニングピリオドにおいて最大の話題をかっさらったのは文句なくジャクソン州立大の「コーチプライム」ことディオン・サンダース(Deion Sanders)監督です。

サンダース監督、という呼び方もまだしっくりこない感じもしますが(笑)、同氏は言わずとしれたアメフト界のカリスマ。大学時代をフロリダ州立大で過ごし名を挙げるとプロの世界でもアトランタ、サンフランシスコ、ダラスなどを渡り歩いて行く先々で活躍。カレッジとプロ双方での殿堂入りを果たし、まさに唯一無二の存在といった感じの名選手です。

またサンダース氏は野球選手としての顔も持ち合わせており、ヤンキース、ブレーブス、レッズなどで活躍し観るものを魅了してきました。さらには私生活でも派手で知られ、アルバムをリリースするなど公私共に型破りなスターなのです。

引退後はNFLの解説やコメンテーターを務めていましたが、いつしかサンダース氏はコーチとして現場に戻ってきます。2017年からは実の息子たちが通う高校でオフェンシブコーディネーターを務めるまでにいたり、そして2020年度からはNCAA1部でも下部と言われるFCS(フットボールボウルサブディビジョン)に所属するジャクソン州立大(ミシシッピ州)のヘッドコーチに就任したのです。

大学監督としてのデビューがパンデミックの真っ只中という厳しいスタートながら開幕3連勝を飾り大きな話題となりますが、その後3連敗で結局4勝3敗。それでもカレッジでの監督経験のないサンダース監督が初年度に勝ち越せたことは周囲を大いに驚かせました。

そして今年。「兄貴格」のFBS(フットボールボウルサブディビジョン)に所属するルイジアナ大モンロー校に敗れはしましたが、レギュラーシーズンを11勝1敗で終えてサウスウエスタンアスレティックカンファレンス(SWAC)優勝。ちなみに11勝はジャクソン州立大史上最多シーズン勝利数です。この手腕を認められサンダース監督はFCSの年間最優秀監督賞も受賞しています。

そんなサンダース監督ですが、今回の早期サイニングピリオドで前代未聞の大事件(?)を起こしてくれました。というのも今回のリクルーティングクラス(2022年入学組)の中で全米1位の評価を得ていた5つ星CBトラヴィス・ハンター(Travis Hunter)君をなんとフロリダ州立大から掠め取ったのです。

掠め取ったと言うとちょっといい方が悪いかもしれませんが、ハンター君は1年くらい前からフロリダ州立大に進学すると口言していたところ、大どんでん返しで発表当日にサンダース監督率いるジャクソン州立大へ鞍替えしたのです。

過去振り返ってもここまで評価が高い選手がFBSではなくその下のレベルであるFCSの大学へ進学するということは聞いたことがありません。しかもFCSといってもノースダコタ州立大とかジェームスマディソン大とかヤングスタウン州立大とかデラウェア大とかそういったFCSの強豪でもないジャクソン州立大を選んだということが過去例のない事象なのです。

ここまでのポテンシャルを持っている選手ならば当然カレッジの先にあるNFLでのプレーを視野に入れているはず。ともすれば自分の腕を磨くため、そしてその実力を全米中に知らしめるためにFBSでもさらに上位クラスと言われる「パワー5」カンファレンス群のいずれかの大学に進むというのが暗黙の了解でした。もちろんFCSからプロで活躍する選手はたくさんいますし、プロボウラーになった選手もゴロゴロいます。しかし彼らは高校時代に5つ星だったわけではありません。現時点ですでに将来有望と言われるハンター君がFCSのジャクソン州立大を選んだというところに意義があるのです。

これはひとえにサンダース監督のリクルーティング力の賜物だと言っていいでしょう。他のどの監督よりもカリスマ性があり、若い世代とも繋がりの持てるコミニケーション力を駆使するサンダース監督ならでは。そして当然選手としての実績もありますし、今季11勝1敗(土曜日のセレブレーションボウルサウスカロライナ州立大に敗れて11勝2敗にはなりましたが)という素晴らしい成績を残したことで指導者としても確かな能力を持っていることが明らかになりました。セールスポイントは数多あった訳です。

その一方でサンダース監督のコネでジャクソン州立大に進学すればとてつもない巨額のNILマネーが手に入ることがハンター君の気持ちを変えたとも言われています。NIL(Name/Image/Likeness)とは、自身の肖像権などを利用して金銭を授与できる制度のことを言い、今年からそれが許可されました。例えば自分が何かのブランドの広告塔になったり、サイン入りグッズを売ることで対価を受け取ったり出来るようになったのです。

ただこれについてはサンダース監督は真っ向から否定はしています。が、それは実際に選手たちが入学したら明らかになることでしょう。

それを加味したとしてもハンター君のジャクソン州立大進学は驚きを持って世間に受け入れられました。そこでふと思ったのは、彼がこの大学に進学を決めたのは明らかにサンダース監督の存在があるからですが、もしサンダース監督がジャクソン州立大を去ってしまったらどうするのか、と。

サンダース監督は今回のジャクソン州立大での手腕によってコーチとしての株は上がっています。実際先日テキサスクリスチャン大の監督の座が空いたときには彼が次期監督候補に挙げられたとも言われました。このまま行けばサンダース監督が近い将来大御所チームに移籍することも考えられます。そうした場合ハンター君ら監督を慕って入部を決めた選手にとっては痛手ですし、その可能性を考えればジャクソン州立大進学に足踏みしてしまったとしても不思議ではありません。

ただ選手のトランスファー(転校)が横行する現在、たとえサンダース監督がどこか違う大学に行ってしまったとしても、ハンター君にしてみればサンダース監督について転校することも出来ますし、別の大学に転校することだって出来ます。現在のルールならば転校先で即試合出場が可能ですから、それを考えるとハンター君のこの決定は昔よりもリスクは少ないのかもしれません。

いずれにしても全米トップの原石をFCSレベルに引き寄せたサンダース監督の手腕は特筆に値すると言えるでしょう。


ミシガン州立大の粋な計らい

3日間の早期サイニングピリオドでは各地で高校生たちの泣き笑いが起きていたともうのですが、その中でもミシガン州立大のある計らいに多くの人々が感涙しました。

11月30日、ミシガン州の片田舎にあるオックスフォード市にあるオックスフォード高校にて銃乱射事件が発生。4人の若い命が奪われました。そのうちの一人がテイト・ミアー(Tate Myre)君でした。

フットボール部ではRBとLBを兼任していたミアー君はチームの中心的存在。その勤勉さでチームメイトのみならずコーチや先生らの信頼も厚かったそうですが、11月30日にこの悪夢の事件が起きた際彼は仲間を助けるために勇敢にもガンマンに立ち向かっていって命を落としたのだそうです。

この悲劇はすぐさま全米中に知れ渡りましたが、ミシガン大はその州に行われたオハイオ州立大との試合でミアー君含め4人の犠牲者を出したオックスフォード高校のために特別なワッペンをユニフォームにあしらって試合に臨みました。

その試合はと言うとミシガン大がオハイオ州立大を42対17で倒したのですが、奇しくもこの42とはミアー君が身につけていた背番号42と同じ数字となったのでした。

ミアー君は生前ミシガン州立大のファンであることを公言しており、その一員となるのが夢でした。当時ミシガン州立大はミアー君にスカラシップ(スポーツ奨学金)をオファーしておらず、唯一彼を勧誘していたのはオハイオ州にあるトレド大だけでした。

しかし今回ミシガン州立大のメル・タッカー(Mel Tucker)監督はミアー君の生前の勇敢な行動を称えるため、今年の早期サイニングピリオドの一番手としてミアー君を名誉リクルートとして2022年クラスの一員に招き入れたのです。

素晴らしい計らいですよね💯

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