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NFLで期待を大きく裏切った「ドラフトバスト」たち③

NFLで期待を大きく裏切った「ドラフトバスト」たち③

 

これまでNFLドラフトで高い期待をかけられて高順位で選択されつつもその期待に応えられずにがっかりさせられた「ドラフトバスト」を紹介してきましたが、今回はいよいよトップ(ワースト)5のドラフトバストの紹介です。

【関連記事】NFLで期待を大きく裏切ったカレッジフットボーラー:「ドラフトバスト」たち①

【関連記事】NFLで期待を大きく裏切ったカレッジフットボーラー:「ドラフトバスト」たち②

5位 ブライアン・ボスワース | オクラホマ大 | LB

1987年ドラフト | 第1巡目第1位(サプリメンタルドラフト*) | シアトルシーホークス

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全米のトップラインバッカーに贈られるバトカスアワード(Butkus Award)は1985年に初めて創設された賞ですが、その栄えある最初の栄光を手にしたオクラホマ大のブライアン・ボスワース(Brian Bosworth)は翌年1986年にもこの賞を連覇。しかし違反ステロイドの摂取が明るみになり、また普段からの素行の悪さから3年生シーズン終了後にチームを退部させられてしまいました。結果サプリメンタルドラフトでトップ順位でシアトルシーホークスに加入したボスワースでしたが、肩に負った怪我のせいでプロ生活はたったの3年で終わりを告げました。

度重なる態度の悪さから多くの敵を作りましたが、彼らの鼻を明かすことは叶わなかったのです。しかしNFLでは「口先だけの男」で終わってしまいましたが、そのキャラクターが買われハリウッドへ進出。多くの映画に出演することになりました。「ドラフトバスト」でありながら現在までこうして華々しくメディアに露出を果たしているのはボスワースくらいではないでしょうか。

(*サプリメンタルドラフト=通常のドラフト宣言締め切りに間に合わず、遅れてドラフト資格を獲得した選手達に与えられるドラフトチャンス。)


4位 キジャナ・カーター | ペンシルバニア州立大 | RB

1995年ドラフト | 第1巡目第1位 | シンシナティベンガルズ

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1994年度シーズン、ペンシルバニア州立大で12勝0敗という素晴らしいシーズンを送り、そのチームの主力として活躍したキジャナ・カーター(Ki-Jana Carter)。オールアメリカンにも選ばれ、ハイズマントロフィーの投票では2位(1位はコロラド大のラシャーン・サラーム)にまで上り詰めました。そして1995年ドラフトではトップでシンシナティベンガルズにドラフトされました。7年契約で1900万ドル(当時の為替レートで約18億円)という破格の契約を結び(当時の新人契約金としては最高額)、ベンガルズの未来の星と期待されましたが、1年目のプレシーズンゲームで膝の靭帯を断裂するという大けがに見舞われ1995年シーズンを棒に振りました。結果的にこの怪我は完治することは無く、またその後にも1997年には肩の怪我、1998年には手首骨折、1998年には膝骨折とそれぞれのシーズンを怪我で全試合不出場とし、ベンガルズでまともにプレーしたのは2年目の1996年度シーズンだけでした。

度重なる怪我で彼の本領を発揮することが出来なかったのは非常に残念ではありますが、第1巡目第1位というドラフト順に加え、高額の契約金をはたいたベンガルズにしてみれば痛すぎるドラフト失敗となってしまったのでした。また前述のブレア・トーマスとともにペンステートのRBはNFLで活躍出来ないと言う悪評を決定づけてしまったのでした。

3位 ティム・カウチ | ケンタッキー大 | QB

1999年ドラフト | 第1巡目第1位 | クリーブランドブラウンズ

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1999年ドラフトでは第1巡目第1位の権利を持っていたクリーブランドブラウンズ。QB指名が絶対条件だったところ候補に挙がったのがティム・カウチ(Tim Couch)とアキリー・スミスでした。前述の通りスミスはベンガルズへそしてブラウンズはカウチを選択するのですが、結果論から言うとどちらのQBも「バスト」なプレーヤーとなったのでした。ハイズマントロフィーファイナリストにまで選出されたケンタッキー大出身のカウチでしたが、スミスと違うのは、スミスのベンガルズでのトータル出場試合数が17だったのに対し、カウチは62試合も先発出場したというところでした。しかしブラウンズ在籍5年間で奪ったTDは64に対し犯したINTは67と冴えませんでした。

唯一のポジティブシーズンだった2002年もチームはプレーオフに出場するも自身はシーズン最終戦で足を骨折し、プレーオフでのプレーのチャンスを逃すとこれを機に先発の座が脅かされ、結局2003年シーズン後に解雇されてしまいました。彼のアンダーパフォーマンスはOCであったブルース・アリアンズ氏に一因があると言う声も聞かれ、また1999年はブラウンズ復活初年度と言うこともあり、カウチを守るオフェンシブラインが脆弱であったことは否めませんが、それでもカウチの「バスト」ぶりに反論する余地はありません。

2位 ライアン・リーフ | ワシントン州立大 | QB

1998年ドラフト | 第1巡目第2位 | サンディエゴチャージャーズ

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「ドラフトバスト」という言葉を聞いたらまずこのライアン・リーフ(Ryan Leaf)を思い浮かべる人は多いと思います。リーフは総合1位のドラフトピックではありませんでしたが、ドラフト先でのサンディエゴチャージャーズで驚異的なスピードでスランプに陥ったことにより、完全にチャージャーズの再建プランをぶち壊したことが彼がこの不名誉なリストに入った理由です。18試合に先発出場したリーフが残した勝敗は4勝14敗、QBレーティングは48.8と散々なものでした。

しかし彼の「バスト」としての印象を確固たるものとさせたのはフィールド上での出来の悪さだけでなく、ロッカールームでの悪態も影響しています。リーフの気性の悪さは有名で、気に入らないものがあれば容赦なく怒鳴り散らし、チーム内でもどんどん孤立化していったのでした。これはチームのリーダーたるQBとしては致命傷でした。そしてそんな悪い印象のみ残し結局2002年に引退することになります。ちなみにこの年の総合1位はペイトン・マニング。未来の殿堂入りを約束され、昨シーズンまでプレーしスーパーボウルを手にして引退したマニングと、かたや「バスト」として後世まで語り継がれることになったリーフ・・・。NFLドラフトの光と陰を見るようです。

1位 ジャマーカス・ラッセル | ルイジアナ州立大 | QB

2007年ドラフト | 第1巡目第1位 | オークランドレイダース

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そしてAGS版「ドラフトバスト」の栄えある(?)1位に輝いたのはルイジアナ州立大出身のQB、ジャマーカス・ラッセル(JaMarcus Russell)です。ここまでくると上位のどの選手も1位であってもなんらおかしくはありませんが、個人的にラッセルの出来の悪さは非常に印象に残っています。

2007年度全米チャンピオンに輝いたルイジアナ州立大を率いたラッセルはこの年のドラフトの目玉選手としてオークランドレイダースに3900万ドル(約43億円)という超高額な契約金で加入しました。しかしこの3900万ドルで得たものといえば7勝と18TDと並以下のもの。レイダースのオーナー(当時)であるアル・デービスはこれまでもドラフトのくじ運の悪さで有名ですが、ラッセルはおそらくその中でも最大の悪運といえるでしょう。サイズ、身体能力、投力とNFLで成功する要素は十分揃っていましたが、ある意味最も重要な勤勉さや真面目さが欠如していました。コーチ泣かせで怠け者、そのうえ23つのINTに22つのファンブルとフィールド上でも自滅。3年後にレイダースから追い出されてからはどのチームも手をつけず結局引退に追い込まれました。

引退後はコカイン保持で逮捕され、体重も増えに増え続け300パウンドにまでなってしまいました。2014年には態度をあらためたのかNFL復帰を目指しましたが、ラッセルに手を伸ばそうなどという大博打を打つチームは現れませんでした。ちなみに同じドラフトではカルヴィン・ジョンソン(ジョージア工科大→デトロイトタイガース)、エイドリアン・ピーターソン(オクラホマ大→ミネソタヴァイキングス)などという選手もおり、それが輪をかけてレイダースのドラフト失敗ぶりを露呈させたのでした。

===

さて、いかがだったでしょうか。このようにいかに高順位でドラフトされたからといってプロで活躍できるという保証はないわけです。逆に言うとその「賭け」を楽しむのもまた一興なのかもしれませんが、年々派手になっていくドラフトを横目で見ながら「騒ぐのはちゃんと活躍してからにしろ」とブツブツつぶやく自分もいたりします。何しろ全部で200人以上のドラフト候補がいるわけで、しかもその多くがシーズンを待たずにキャンプで解雇されてしまうという現実があるわけです。どちらにせよあと数日続くドラフト報道、そして当日の熱狂は避けることのできない現象のようです。

【おまけ】

このリストには挙がらなかったものの、あと数年以内に挽回できなければのちにこのリスト入りを果たしてしまうかもしれない、最近の「バスト」候補を下に挙げておきたいと思います。

  • サム・ブラッドフォード(Sam Bradford) | オクラホマ大 | QB
    2010年ドラフト | 第1巡目第1位 | セントルイスラムズ
  • ジェイク・ロッカー(Jake Locker) | ワシントン大 | QB
    2011年ドラフト | 第1巡目第8位 | テネシータイタンズ
  • ブライアン・ガバート(Blaine Gabbert) | ミネソタ大 | QB
    2011年ドラフト | 第1巡目第10位
  • クリスチャン・ポンダー(Christian Ponder) | フロリダ州立大 | QB
    2011年ドラフト | 第1巡目第12位 | ミネソタヴァイキングス
  • ロバート・グリフィン・3世(Robert Griffin III) | ベイラー大 | QB
    2012年ドラフト | 第1巡目第2位 | ワシントンレッドスキンズ
  • トレント・リチャードソン(Trent Richardson) | アラバマ大 | RB
    2012年ドラフト | 第1巡目第3位 | クリーブランドブラウンズ
  • ジョニー・マンゼル(Jonnhy Manzel) | テキサスA&M大 | QB
    2014年ドラフト | 第1巡目第22位 | クリーブランドブラウンズ
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