NFLクリーブランドブラウンズは長らくリーグで下位をひた走っていますが、その要因の一つにNFLドラフトやトレードで失敗し続けている事が挙げられます。そんなことからスポーツ局にチャンネルをあわせればブラウンズのフロントオフィスの体たらくなところを指摘するアナリストばかり。そのダメさ加減が伝統になりつつあるブラウンズにクレムソン大のダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督からアドバイスが。
「チームの元スターQB、デショーン・ワトソン(Deshaun Watson)をドラフトしなさい!」
自分のチーム出身のスター選手を推しまくるのは監督の親心でもありますが、スウィニー監督のワトソンの推し具合といったら格別です。なんといっても彼はワトソンをあるスーパースターと同様の扱いをしているのですから。
「もしデショーン・ワトソンをドラフトで真っ先に指名しないチームがあるとすれば、それはまさにマイケル・ジョーダンを獲る権利があるのにわざわざパスする事と同じ事です。それくらいデショーンはずば抜けてベストプレーヤーなのです。
皆さんご存知だとは思いますが、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏は米プロバスケットボールリーグ(NBA)でも歴代ナンバーワン選手とも言われる名プレーヤーでした。そのジョーダン氏と同じ計りにワトソンをかけているスウィニー氏。ワトソンが凄い選手である事は過去2年間彼を見続けてきた人間にしてみれば反論の余地もありませんが、ジョーダンクラスであるかどうかと言われればちょっと疑問ですよね。
しかしスウィニー監督は自分の可愛い教え子に最大限の賛辞を送り続けます。
「彼は謙虚で、毎日を厳かに生きている選手です。だから彼はいつ何が起きても色々な環境に対応出来るのです。チームのミーティングでは誰よりも準備を怠りません。そんな彼を見て回りの選手も変わっていく。そのようにしてチーム全体の環境を変えていった男なのです。もし貴方のチームに指名権が今あるとすれば、その指名権をデショーンに使うべきです。」
確かに現在のNFLにおいてチーム全体の環境をガラリと変える必要があるチームがどこかと訪ねられたら迷わずクリーブランドブラウンズと答えるでしょう。1999年にNFLに復帰して以来ブラウンズが勝ち越せたシーズンはたった2シーズン。最下位に終わったシーズンの翌年にはドラフトで第1巡第1番目の指名権を得ることが出来るにも関わらず、幾度となくその貴重なチャンスをドブに捨ててきました。
特に彼らが第1巡目に指名してきたQBはことごとく失敗(ティム・カウチ=ケンタッキー大、ブレディ・クウィン=ノートルダム大、ブランドン・ウィーデン=オクラホマ州立大、ジョニー・マンゼル=テキサスA&M大)。また昨季トレードでワシントンレッドスキンズから獲得したハイズマントロフィー受賞者でもあるロバート・グリフィン・III(Robert Griffin III)は昨年怪我で早々に戦線離脱。現在チームは確固たる先発QBを模索中です。
2017年のドラフト候補QBの数はかなり多いです。しかしその中でもワトソンがカレッジキャリアで見せつけた「箔」は他の誰よりも胸を張れるものです。当然ナショナルタイトルを獲得出来た事も大きいですが、2年連続で大学アメフトの最高峰の試合を経験したのは何物にも代え難いです。そしてハイズマントロフィー受賞はならなかったものの2年連続最優秀候補に選ばれました。過去をさかのぼればハイズマントロフィーを受賞したQBはことごとくNFLで失敗していますので、ワトソンにしてみればむしろ獲れなくて良かったのかもしれません(笑)。
マイケル・ジョーダンと肩を並べる(スウィニー監督いわく)デショーン・ワトソンを引き当てるラッキーチームは果たしてどのチームでしょうか?