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Black Lives Matter

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2020年5月25日、ミネソタ州ミネアポリス市で起こった警官よる黒人男性暴行致死事件は警官による不要な暴力による人種差別に反発する形で抗議行動が全米に飛び火。最初はミネアポリス市だけだったのが全米の主要都市に広がり、さらにそこからありとあらゆる場所で抗議行動が行われるようになりました。

ただ抗議行動に便乗して暴動を起こす輩が続出。これまで押し付けられてきた鬱憤とコロナ禍での長きにわたる自宅待機命令によるストレスが爆発しただけでなく、アメリカにはびこる社会的格差の見えない闇が一気に表に出た感じで無秩序状態に陥る都市も出てきているほどです。

アメリカ深南部の首府とも言われるジョージア州アトランタ市でも抗議行動並びに暴動が発生。ダウンタウンにある数々の建物が器物破損や不法侵入、窃盗などの被害に遭いましたが、同市にあるカレッジフットボール殿堂(College Football HOF)もその被害を喰らい見るも無残な姿に変わり果ててしまいました。

またミネアポリスでの事件に瞬時に反応したミネソタ大は警官による暴力に反対する形でミネアポリス市警との縁を断絶することを発表。

事件発生から10日ほど経ちますが、人種差別反対の抗議行動は日増しに大きくなり、またそれに対応すべく警察隊も多く出動して抗議者たちと衝突する場面が現地では毎分のようにメディアで流されています。

コロナ禍で世間がとんでもない事になっているところに起きたこの抗議行動、ソーシャルディスタンスも何のそので社会的不公正の向上のために人種を問わず立ち上がっているこのパワーは無限大ですが、一方で各地で警官隊による強引な排除行動も見られたり・・・。暴動を起こして車に火をつけたりお店に押し入って品物を盗んだりする光景と合わせてこれが全てアメリカで本当に起きていることなのかと現地に住む筆者は驚き、悩み、考えています。

カレッジフットボールだけでなくNFLやNBAには多くの黒人選手が在籍しており、今回の事件に際していつも以上に声を上げる選手たちが多く見受けられます。そういった選手たちも様々な形で白人選手らとともにこの世界を変えたいと行動に移さんとしています。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ミズーリ大の場合

ミズーリ大フットボール部はキャンパスのあるコロンビア市の裁判所前まで行進。そしてミネアポリス市での事件で犠牲になった黒人男性が白人男性に膝で頸部を圧迫され続けたのと同じ時間(8分46秒)膝を付いて抗議表明。その後52名のフットボール選手が来る選挙で投票するための手続きを行いました。

ちなみにミズーリ大では2015年に黒人学生が人種差別に遭う事件が発生。これにフットボール部員が抗議し結果として当時の大学長が辞任するという事件も起きています。


テキサス大の場合

またテキサス大フットボール部員ならびにヘッドコーチであるトム・ハーマン(Tom Herman)監督らもキャンパスから2キロ弱離れたところにあるオースティン市庁舎まで行進。ミズーリ大選手らと同じように8分46秒間膝をついて黙祷を捧げました。

ジム・ハーボー監督の場合

またミシガン大ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督もキャンパスのあるアナーバー市で行われた抗議行動の行進に参加。ミシガンカラーのブルーとメイズ(黄色)に彩られたマスクでしっかりとコロナ対策を取りながら大勢のプロテスターと共に街を練り歩きました。

フロリダ州立大でボイコット?

そんな中フロリダ州立大ではちょっとした事件が起きました。

今年からチームを率いるマイク・ノーヴェル(Mike Norvell)監督は現在起こっている人種差別の抗議行動について意見を求められた際、現在「全ての選手」たちと垣根を取っ払って率直に意見を交換しあった、このような形で社会を変える一要因となれることを光栄に感じている、と答えました。

これだけ聞けばとても良い話に聞こえますが、実際のところこのような会話がノーヴェル監督と選手との間でかわされたことはなかったのだとか。チームのDTであるマーヴィン・ウィルソン(Marvin Wilson)が以下のようなツイート。

要するにノーヴェル監督は大うそつきで、これに関して説明がなされるまで選手たちはトレーニングを行わないと表明したわけです。

これを受けノーヴェル監督は部員たちと会談。「全ての選手」と言葉をかわしたというコメントは言葉の選択違いだったと謝罪。同時にSNSで自分の考えを素直に述べたウィルソンに賛辞を送り、どうやら誤解は解けたようです。

その他にもサザンカリフォルニア大のブースター(後援者)が人種差別的なツイートを残したとしてシーズンチケットを剥奪されたり、オレゴン州立大の選手が過去に人種差別的な発言をしていた動画が発掘されて退部処分になったり、果ては昨年までジョージア大でプレーして先日のNFLドラフトで5巡目にバッファロービルズ入りしたジェイク・フローム(Jake Fromm)が白人至上主義を連想させる言葉を使ったことで謝罪に追い込まれたりと世間がさわしくなっています。

ドリュー・ブリーズの場合

もっと言えばパデュー大出身でニューオーリンズセインツのスターQBドリュー・ブリーズ(Drew Brees)が現在大々炎上中。

掻い摘んで言うと2年前に起きたNFLの試合前の国歌斉唱時に黒人への不平等に抗議するために起立しないで膝をつくという行動が起きたことを受け、今回の事件に際し再びこのような抗議行動が国歌斉唱時に起こると思うかと聞かれて、ブリーズは「この国や国旗を陵辱することにいかなる理由であれ賛成することは出来ない」と主張したことに始まります。

しかしこれが白人主義的考えだ、黒人の命は国旗より軽いのか、などと猛批判を浴び2度もの謝罪を行うにまで追い詰められました。おそらくブリーズは人種差別反対行動に賛同しないといっているのではなく、あくまで国のために命をかけた従軍者たちへの敬意を表すべきだと言いたかったのでしょうが、このタイミングでこの言葉のチョイスは多くの人に受け入れられることはありませんでした。

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これまで何度も似たような事件が起き抗議行動がなされてきましたが、何かが目に見えて変わったということはあまりなかったような気がします。今回のミネアポリス市での事件から派生したこの抗議運動ならびに社会的不公正解消の訴えはこれまでとは違う変化をもたらすことになるのでしょうか?

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