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CFP全米王座決定戦の見どころ【2025年度】

CFP全米王座決定戦の見どころ【2025年度】

#10 マイアミ大 vs #1 インディアナ大

🇺🇸 1月19日7:30PM ET | 🇯🇵1月20日9:30AM
🏟️ ハードロックスタジアム(フロリダ州マイアミ)

2025年度のカレッジフットボールもいよいよ残す試合は1つ。全米の最高峰チームを決めるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)全米王座決定戦が1月19日(日本では1月20日)に行われます。対戦カードは第1シードのインディアナ大と第10シードのマイアミ大。開幕時では誰も想像しなかったマッチアップが実現しました。

果たして今季の全米制覇を果たすのは、史上初のタイトルを狙うインディアナ大か、それとも2001年度シーズン以来の王冠を狙うマイアミ大か・・・。

今回はこの大舞台の見どころをご紹介します。

スタッツ比較

#1 インディアナ大#10 マイアミ大
得点数42.6 (#2)31.6 (#30)
失点数11.0 (#2)14.0 (#5)
トータルオフェンス461.0 (#11)409.2 (#40)
パスオフェンス242.7 (#52)254.6 (#36)
ランオフェンス218.3 (#12)154.6 (#72)
トータルディフェンス260.9 (#4)292.6 (#11)
パスディフェンス185.9 (#23)206.1 (#45)
ランディフェンス75.0 (#2)86.5 (#6)
ターンオーバーマージン+21 (#1)+11 (#12)
3rdダウンコンバージョン成功率58.2% (#1)47.1% (#18)
3rdダウンコンバージョン阻止率69.7% (#8)69.2% (#11)
レッドゾーンオフェンス91.8% (#11)88.7% (#36)
レッドゾーンディフェンス80.8% (#43)78.1% (#28)
SOS(Sagarin)#18#9

ここまでの道のり

インディアナ大(16勝0敗)

2024年度に史上初となるCFP進出を果たし11勝2敗という素晴らしい記録を樹立したインディアナ大は、その勢いを買われてプレシーズンランキングで全米20位から発進。その後は破竹のごとく連勝を重ね続け、途中アイオワ大、オレゴン大、ペンシルバニア州立大といった強豪校と対戦するもそれら全てを捻じ伏せて12勝0敗でレギュラーシーズンを終えます。

そして出場したBig Tenカンファレンス優勝決定戦では全米2位チームとして全米1位のオハイオ州立大と対戦。これを13対10という僅差で下し、インディアナ大は58年ぶりのBig Tenタイトル、そして1945年以来初となる単独のカンファレンス優勝を果たしました。さらに、これでインディアナ大がオハイオ州立大に対して37年間続いた連敗記録に終止符を打つことにもなり、まさに記録ずくめの白星となったのでした。

参考記事Championship Weekend!!【2025年度第15週目レビュー】

Big Ten覇者としてついに全米1位の座を手中に収めたインディアナ大はプレーオフでも第1シードを獲得。ファーストラウンド免除で迎えた準々決勝戦では第9シードのアラバマ大を38対3と圧倒的な力で一蹴。そして準決勝戦でも第5シードのオレゴン大を56対22とまった寄せ付けずに勝利。オハイオ州立大、アラバマ大、オレゴン大という、強豪チームを次々と切り倒してこの大舞台まで辿り着きました。

マイアミ大(13勝2敗)

対するマイアミ大は2024年度10勝3敗と二桁勝利を収め、さらにオフシーズンに大量の補強を成功させたこともあり、プレシーズンランキングではその期待度を表すかのように10位にランクされて開幕を迎えます。途中ルイビル大とサザンメソディスト大にまさかの黒星を喰らい、「やっぱり肝心な時にマイアミは勝てない」という残念なシーズンに再び陥るかと思われました。

しかしレギュラーシーズンを4連勝で終えて10勝2敗という成績を収め、所属するACC(アトランティックコーストカンファレンス)の優勝決定戦には出場できなかったものの、CFPファイナルランキングで10位にランクされ、ノートルダム大をかわしてプレーオフの最後の椅子に滑り込みました。

そして第10シードチームとして臨んだプレーオフのファーストラウンドでは、第7シードのテキサスA&M大をアウェーで撃破するアップセットを決めると、準々決勝戦となったコットンボウルでの第2シードのオハイオ州立大に24対14で競り勝ち、さらに準決勝戦のフィエスタボウルでも第6シードのミシシッピ大を31対27の劇的な逆転勝利で下して悲願のナショナルタイトルゲームに駒を進めたのでした。

前述の通りインディアナ大にとってはCFPさらには前身のBCS(ボウルチャンピオンシップシリーズ)を含めても初のナショナルタイトルゲーム進出。そして第10シード(APランキング10位)のマイアミ大はカレッジフットボール史上最も低いランキングの全米王座決定戦参戦チームとなります。

ストーリーライン

マイアミ開催

今回のタイトルゲームの開催地はフロリダ州マイアミにある、マイアミドルフィンズの本拠地「ハードロックスタジアム」ですが、何を隠そう、このスタジアムはマイアミ大のホームスタジアムでもあります。つまり、ナショナルタイトルゲームがマイアミ大の本拠地で行われるということで、これは何物にも代え難い大きなマイアミ大のアドバンテージとなるはずです。

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CFP全米王座決定戦の会場・ハードロックスタジアム

長いカレッジフットボールの歴史上、ナショナルタイトルゲーム(および実質的なナショナルタイトルゲームとされたポストシーズンの試合)が参加チームのホームスタジアムで行われたことはありません。これはたまたまマイアミ開催の今季の決勝戦にマイアミ大が駒を進めたことで実現した「珍事」ではありますが、こんな好機は滅多にあるものではありませんから、マイアミ大としてはこのチャンスを逃す手はありません。

もちろんホーム開催ということで多くのファンの観戦が予想されますから、マイアミ大選手たちにとってはまたとない後方支援を望むことができそうですが、それ以外にも地元開催なら遠征する手間を省くことができるという大きな利点もあります。選手やコーチ陣、スタッフの負担も軽減されますし、より試合の準備に集中できるという点でマイアミ大にとってこれは大きなプラスなはずです。

メンドーサの帰還

インディアナ大のエースQBフェルナンド・メンドーサ(Fernando Mendorza)は実は生まれも育ちもマイアミ出身。小さい頃からマイアミ大フットボール部に憧れていた彼は、地元の高校でもQBとして活躍し州タイトルを獲得するほどでした。そしてカレッジはウォークオンでもいいからマイアミ大に進学したいと願っていましたが、当時のHCだったマニー・ディアス(Manny Diaz、現デューク大HC)監督から声がかかる事なく結局カリフォルニア大へ進学したという経緯があります。

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インディアナ大QBフェルナンド・メンドーサ

そんな彼はカリフォルニア大からインディアナ大へ転校してハイズマントロフィーを受賞するほど名を上げましたが、そんな名声を提げて今回生まれ故郷のマイアミへ凱旋することになるわけです。もしこの試合に勝利して全米タイトルを手に入れれば、これ以上ない「故郷に錦を飾る」ことになるでしょう。

ちなみにメンドーサが通っていた地元の高校(コロンバス高校)は、実はマイアミ大HCマリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督も通っていた高校であり、いってみればこの二人は先輩後輩の間柄になります。そしてもっと言うと、メンドーサのお父さんもこの高校に通い、なんとお父さんとクリストバル監督は高校時代アメフト部のチームメイト!なんの因果か、といったところですね。

異色のマッチアップ

ナショナルタイトルゲームとしてだけではなく、単純な対戦カードとしても非常に珍しい対戦となったこの組み合わせ。それもそのはず、この2チームはこれまでたった2度しか対戦経験がなく、どちらも1960年代に開催されたきり今回まで対戦がなかった間柄です(1964年は28対14でインディアナ大の勝利、1966年は14対7でマイアミ大の勝利)。

まさに60年ぶりの対決となるわけですが、その間の両チームの歩みは全く異なります。インディアナ大はカレッジフットボール界でも負けてばかりの弱小チームだったのに対し、マイアミ大は1980年代から2000年代にかけてその名を轟かせた名門チームです。

そんな弱小チームだったインディアナ大は2024年度シーズンからカート・シグネッティ(Cart Cignetti)監督に率いられていますが、彼がやってきて以来チーム力は激変。2023年度の戦績が3勝9敗だったのに対し、シグネッティ監督初年度の2024年度は11勝2敗でCFPにも進出。そして今年は未だ負け知らずの15勝0敗。近代カレッジフットボール界においても史上類を見ない程のチーム再建を成し遂げています。

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インディアナ大のカート・シグネッティ監督

一方のマイアミ大は2001年に全米チャンプとなり、2002年にもナショナルタイトルゲームに進出(オハイオ州立大に敗れる)。当時から常勝チームの一角として名を馳せていました。そんな彼らは2004年にBig EastカンファレンスからACCに電撃移籍を果たし、ACCでその頃猛威を振るっていた同州ライバル・フロリダ州立大とのカンファレンスでのバチバチの覇権争いが始まると、多くのファンが彼らの活躍を楽しみにしていました。

しかしACCに移籍後マイアミ大は失速。過去20年以上ACCのタイトルを獲ることすら叶わず、全米の表舞台にも現れることは稀になってしまいました。ただ、強かった当時のことを知るファンや卒業生はマイアミ大の復活を今か今かと心待ちにし続け、新しい監督がやってくるたびに興奮しては心を引き裂かれ続けてきたのです。

しかし、かつて母校で全米制覇を経験したこともあるクリストバル監督が凱旋するとゆっくりながらも徐々に結果を残し始め、そして今回の全米王座決定戦出場まで漕ぎ着けたわけです。

この両校に共通するのはNIL(Name/Image/Likeness)を使ってトランスファーポータル経由でロースターの強化に勤めたと言う点です。

当然これは今ならどのチームでも行っている手法ではありますが、それを結果に繋げている最たるチームがこの2校と言えるでしょう。インディアナ大に2025年に入部した選手のうち19人が転校生であり、この中にはQBメンドーサや元ノートルダム大オールアメリカンCパット・クーガン(Pat Coogan)らも含まれています。またマイアミ大はというと20人が転校生であり、スターターだけでも半分以上がトランスファー選手で構成されているという数字もあります。

また両校ともNIL経由もしくはレヴェニューシェア(大学の収益の一部を学生アスリートに分配するシステム)経由で多額の出費をしたチームでもあり、インディアナ大は2110万ドル(約33億3000万円)、マイアミ大は約2440万ドル(約38億5000万円)もの大金を注ぎ込んだことになります。ちょっと信じられない数字そして世界観ですが、可能な限りの方法でロースターを固めて結果を出したという、現代カレッジフットボールを象徴するかのようなチーム同士の対決となるわけです。

夢の16勝0敗へ

ここまで未だ無傷の全勝を続けているインディアナ大。昔と比べると試合数が少しずつ増えているのが事実ですが、現時点で15勝0敗の彼らは過去の偉大なる15勝0敗チームに肩を並べています。

2023年:ミシガン大
2022年:ジョージア大
2020年:アラバマ大
2019年:ルイジアナ州立大
2018年:クレムソン大
1897年:ペンシルバニア大

そしてもし彼らがマイアミ大に勝って16勝0敗で優勝すると、FBS(フットボールボウルサブディビジョン)チームとしては史上初、そしてカレッジフットボールの歴史上全てで見ると、1896年のイェール大(現FCSアイビーリーグ所属)以来の大快挙となります。

全米優勝すらしたことがないのに、初優勝の上に1896年以来史上2チーム目の16勝無敗チームになる可能性があるなんて・・・。まさに稀代のスーパーチームになろうとしている、それがインディアナ大なのです。

ちなみに、もしインディアナ大が勝って初優勝を飾ると、1996年度シーズンにフロリダ大が自身初優勝した以来の「初優勝」チームが誕生することになります。

カンファレンスの威厳のために

インディアナ大もマイアミ大もそれぞれ自分たちのチームのためにこの大舞台へ挑む訳ですが、彼らがそれぞれ所属しているカンファレンスにとってもその威厳を保つために出身チームには是非とも全米制覇を成し遂げてもらいたいと思っているはずです。

もしインディアナ大が優勝すると、彼らが所属しているBig Tenカンファレンスは3年連続でナショナルチャンピオンを自らのカンファレンスから生み出すことになります(2023年度はミシガン大、2024年度はオハイオ州立大)。

またもしマイアミ大が優勝すると、2018年にクレムソン大が優勝して以来7年ぶりのACC所属チームが優勝トロフィーを同カンファレンスに持ち帰ることになります。ACCはBCSとCFPを合わせると、1999年と2013年のフロリダ州立大、2016年と2018年のクレムソン大に続き3つ目のACC所属チームとしての全米チャンピオンの誕生となります(2001年のマイアミ大はBig East所属)。

1998年にBCSが導入され、2014年からはCFPが全米王座を決める仕組みになっていますが、この間生まれた27チームの優勝校のうち実に半分以上の15チームがSEC(サウスイースタンカンファレンス)所属チームでした。このことからも過去30年間はSECが最強カンファレンスとして君臨してきたのは事実です。

しかし、2022年にジョージア大が優勝して以来彼らはその頂からは遠のいており、SEC一極の時代は終わったとも言われています。今回もSECからはジョージア大、ミシシッピ大、テキサスA&M大、オクラホマ大、アラバマ大と最多の5チームが参戦しましたが、結局準決勝戦まで生き残れたのはミシシッピ大のみで、しかもその彼らもマイアミ大に敗れて決勝進出すらできませんでした。NILを使用したトランスファーポータル経由での新しいロースター管理の影響で、戦力が各地に分散している証拠だと言えますね。

ちなみに、CFPに出場するとインセンティブとして多額の報酬がカンファレンスに流れることになっています。

ファーストラウンド進出/上位4シード獲得:400万ドル
準々決勝進出:400万ドル
準決勝進出:600万ドル
決勝進出:600万ドル

つまり、インディアナ大とマイアミ大がこの舞台に立つことで合計2000万ドル(約31億円)が彼らが所属するBig TenカンファレンスとACCに流れることになるのです。

ただ、この配当金ですが、カンファレンスによってそのお金の行き先が微妙に違います。Big Tenカンファレンスの場合はこのお金を所属する18チームに平等に分配されます。故にプレーオフに進出つしていなくても、インディアナ大が勝ってくれさえすればBig Ten所属校はおよそ230万ドル(約3億6000万円)を手にすることができるのです。

一方ACCの場合はなんとこの2000万ドルはそっくりそのまま参加チームであるマイアミ大が独り占めしていいという規定になっており、ここに辿り着いた彼らにとってはまたとない報酬となる訳です。

大学スポーツの成果報酬としては破格すぎますよね。

アディダスボウル

このタイトルゲームには試合の他にも多くの利害関係が絡み合っていますが、その最たるものが両チームとギアのスポンサー契約をしているアディダス(Adidas)です。

カレッジスポーツはスポーツブランドにとっても巨大なマーケットであり、これまでその半分以上のシェアを誇ってきたのがナイキ(Nike)でした。しかし、今回はこのタイトルゲームに出場するどちらのチームもアディダスとの契約を交わしたチームであり、どちらが勝ってもアディダスチームが全米王者となることが確実となっています。

ナイキは世界的に見て最も知られているスポーツブランドではありますが、近年その勢いはピークを過ぎているとも言われており、そこにきてカレッジフットボールの最大のイベントであるナショナルタイトルゲームに参加するチームがナイキではなくアディダスのジャージを身につけているとなれば、「大学スポーツ=ナイキ」という構図にアディダスが風穴を開けた形となる訳です。

アディダスチーム同士の全米タイトルゲームは史上初。そしてアディダスチームがナショナルタイトルを獲得するのは1998年のテネシー大以来のこととなり、こちらの構図も非常に興味深いことになっていますよね。

注目の選手たち

インディアナ大

フェルナンド・メンドーサ(QB)

カリフォルニア大からの転校生で今季のインディアナ大の大躍進の原動力。身長約196cm(6フィート5インチ)の体格を活かした圧倒的なパス精度と冷静な判断力が最大の特徴です。2025年シーズンのハイズマントロフィーを受賞した彼は、全米トップクラスのパス成功率(約73%)を誇り、特にプレーオフでは85%以上の成功率を記録するなど、プレッシャーのかかる場面で驚異的な勝負強さを発揮してきました。また、プロ仕様の強肩と素早いリリースを持ち合わせる一方で、必要に応じて自ら走って得点を決める機動力も備えており、相手守備のスキを突く高いインテリジェンスがチームを全米1位へと導く原動力となりました。

オマー・クーパー・Jr

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地元インディアナ州出身のオマー・クーパー・Jr(Omar Cooper Jr.)は、爆発的なスピードと多才さを兼ね備えたプレーメーカー。2025年シーズンは800ヤードを超えるレシーブヤードと13個のTDを記録し、ロングレンジのパスアタックにおける頼れるターゲットとして定着しました。特筆すべきはペンステート戦で見せた、エンドゾーンのバックラインギリギリでキャッチして片足を残したプレー。バスケットボールで培った高い跳躍力と空中でのボールトラッキング能力に優れ、1試合で4つのTDレシーブを決めるなど(インディアナ州立大戦)、ひとたび波に乗ると止められない爆発力を持っています。

エイデン・フィッシャー(LB)

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インディアナ大学の守備の要であるLBエイデン・フィッシャー(Aiden Fisher)は「フィールド上のコーチ」とも称され、卓越したリーダーシップと驚異的なタックル能力が最大の特徴です。身長185cmと体格的には小柄ながら、圧倒的なスピードで全米トップクラスのランディフェンスを支えています。彼は2024年にインディアナ大学史上初のLBとしての1stチームのオールアメリカンに選ばれ、2025年シーズンもチーム2位のタックル数(91)を記録するとともに、ディフェンシブコーディネーターの指示をフィールドで伝達する司令塔の役割を果たしました。高校時代は無名の「ゼロつ星」選手でしたが、徹底的な努力と研究、そして高いフットボールIQを武器に、今やバトカス賞(全米最優秀LB賞)のセミファイナル候補に名を連ねるほどに成長した、努力と知性を象徴するような選手です。

デアンジェロ・ポンズ(CB)

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インディアナ大学の守備陣において「シャットダウンコーナー」として君臨するディアンジェロ・ポンズ(D’Angelo Ponds)は、身長約175cm(5フィート9インチ)と小柄ながら、驚異的な加速力とカバー能力が最大の特徴です。PFF(Pro Football Focus)のグレードで全米トップクラスの評価を受ける彼は、元陸上短距離の州内チャンピオンという快足を活かし、相手レシーバーに隙を与えない執拗なマークを得意としています。また2026年のプレーオフ準決勝(ピーチボウル)でのオレゴン大戦では、開始直後にいきなり「ピックシックス」を決めるなど、大舞台での勝負強さも兼ね備えています。さらに、その高い運動能力を買われ、守備だけでなく攻撃陣の「隠し玉」としてパスキャッチを記録するなど、チームで最も速くかつ多才なアスリートとして不可欠な存在です。

マイアミ大

カーソン・ベック(QB)

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QBカーソン・ベック(Carson Beck)は、身長6フィート4インチ(約193cm)の恵まれた体格を持つ、全米屈指の経験豊富なプロスタイルのパサーです。ジョージア大から移籍してきた彼は、NFLスカウトも注目するプロ仕様のクイックリリースと、針の穴に糸を通すような正確なコントロールを最大の武器としています。今シーズンはパス成功率約73%を記録し、特にプレッシャーがない場面でのパス成功率は全米トップレベルを誇るなど、冷静沈着に守備を読み解く能力に長けています。一方で、純粋なモバイルQBではありませんが、ポケット内での動きが巧みで、勝負所では自らスクランブルで1stダウンを更新するしぶとさも備えており、多額のNIL契約(一説には400万ドル/約6億3000万円とも言われる)に見合う「勝負強いベテランQB」としてマイアミ大を24年ぶりの大舞台へ導きました。

マラカイ・トニー(WR)

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WRマラカイ・トニー(Malachi Toney)は、本来なら高校3年生(17歳)の年齢で大学に進学した「超飛び級」の天才ルーキーであり、2025年シーズンの全米最優秀攻撃新人賞(FWAA)に輝いたチーム最高のプレイメーカーです。5フィート11インチ(約180cm)と小柄ながら、元高校QBとしての高いIQを活かした精密なルート取りと、ボールを持った瞬間にディフェンスを置き去りにする圧倒的な加速力が最大の特徴。今シーズンは99回のレシーブで1089ヤード、9つのTDを記録し、1年生ながらエースの座を確立。さらに、ワイルドキャットフォーメーションからのパスやラン、パントリターンでもビッグプレーを連発する多才さを持ち、チームにとってすでに居なくてはならない存在となりました。

マーク・フレッチャー・Jr(RB)

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マイアミ大のRBマーク・フレッチャー・Jr(Mark Fletcher Jr)は、身長約188cm、体重約102kgの屈強な体格を誇り、相手タックルを蹴散らしながら前進するパワー系のランと、圧倒的な勝負強さが最大の特徴です。2025年シーズンのプレーオフでは、初戦のテキサスA&M大戦で172ヤードを記録したのを皮切りに、準々決勝のオハイオ州立大戦、準決勝のミシシッピ大戦と3試合連続で100ヤード超えを達成し、自身初の同一シーズン内1000ヤードを突破しました。彼は非常にタフなランナーでありながら、レシーブやパスプロでも高い貢献度を見せ、チーム攻撃陣の絶対的な戦力として絶大な信頼を寄せられています。

ルーベン・ベイン・Jr(DL)

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マイアミ大学のルーベン・ベイン・Jr(Rueben Bain Jr)は、身長約191cm、体重約122kgと、エッジラッシャーとしては非常にコンパクトでがっしりした体格を持っていますが、そこから繰り出される圧倒的なパワーと執拗なまでの粘りが最大の特徴です。今季のACC年間最優秀守備選手賞に選ばれた彼は、PFF(Pro Football Focus)のグレードで全米最高評価を受けるエッジラッシャーの一人であり、今シーズンは8.5サック、80回を超えるQBプレッシャーを記録しました。まるでブルドーザーのように相手タックルを押し込むパワーラッシュに加え、爆発的な一歩目とNFL殿堂入り選手でありチームのコーチも務めるジェイソン・テイラー(Jason Taylor)氏直伝の多彩なハンドテクニックを武器に、常に相手OL陣をかき乱す存在として君臨します。

注目のマッチアップ

インディアナ大QBメンドーサ vs. マイアミ大セカンダリー

ハイズマン賞受賞者であるインディアナ大QBメンドーサは、ポストシーズンに入ってからパス失敗の数(5回)よりも多くのTD数(8回)を記録するという、大学フットボール史上稀に見るハイレベルなプレーを見せ続けています。ローズボウルとピーチボウルではパス成功率80%以上を維持し、インターセプトはゼロ。1回あたりの獲得ヤードは平均10.3ヤードという驚異的な正確さを誇っており、2026年NFLドラフトの全体1位指名候補として名実ともにトップの座に君臨しています。

彼に対峙するマイアミ大のセカンダリーは、高いリスクを負いながらも大きなリターンを狙うアグレッシブなスタイルで知られています。今シーズン計16個のインターセプトを記録している一方で、直近2試合では平均282ヤードのパスを許しており、アグレッシブさから生まれる脆さという課題も露呈しています。マイアミ大が勝利するためには、今季47サックを誇る強力なパスラッシュ陣がメンドーサに好きにプレーさせず、インディアナ大の強力なレシーバー陣であるイライジャ・サラットやオマール・クーパー・Jrにボールが渡る前に勝負を決める必要がありそうです。

特に注目したいのはレッドゾーンでの攻防です。メンドーサは過去2シーズン、敵陣20ヤード以内でのパスで37個のタッチダウンを奪いながらインターセプトは0という、非の打ち所がない成績を残しています。マイアミ大の守備陣が、プレッシャーによってメンドーサをポケットから追い出し、彼のリズムを少しでも崩してパスプレーに綻びを生むことができなければ、メンドーサ率いるインディアナ大の統制の取れたオフェンスを止めることは極めて困難でしょう

インディアナ大ランディフェンス vs. マイアミ大RBフレッチャー・Jr

今シーズン平均75ヤードしか地上戦を許していないインディアナ大の全米2位のランディフェンスが、プレーオフに入り平均133.6ヤードを稼ぎ出しているマイアミ大のRBマーク・フレッチャー・Jr(Mark Fletcher Jr.)を止められるかどうかは大きな注目点です。

マイアミ大にとって、フレッチャー・Jrは彼らのオフェンスの中核であり、彼がランでリズムを作ることで、1年生スターWRトニーへのパスオフェンスという飛び道具を活かす役割も果たします。フレッチャー・JrはファーストラウンドのテキサスA&M大戦で1キャリー平均10.1ヤードを記録するなど驚異的な爆発力を見せていますが、インディアナ大がこの地上戦を封じ込めれば、マイアミ大はパスに頼らざるを得ないワンディメンションなオフェンスに追い込まれます。

インディアナは主力DEのスティーブン・デイリー(Stephen Daley)を負傷で欠きながらも、PFFのラン守備グレードで全米4位にランクされるほど選手層が厚く、隙がありません。また、インディアナの守備陣は、直近のCFP2試合で相手のランを平均65.0ヤードに抑え込むなど、ポストシーズンに入ってさらにその規律と強固さを増しています。

そうなると注目はマイアミ大QBベックにかかる重圧です。インディアナ大がフレッチャー・Jrのランを封じ、ロングヤードのシチュエーションを強いれば、勝敗の行方はベックの肩にかかることになります。ベックは今季29TDを記録していますが、ランゲームが機能しなかった敗戦試合では計6つのインターセプトを喫しており、ターンオーバーマージンで全米1位(+21)を誇るインディアナ大のディフェンス陣にとって格好の標的となる可能性があります。マイアミ大のOL陣が、インディアナ大が誇る全米最強のランディフェンスに風穴を開けられるかどうかが、優勝への最大の鍵となるでしょう

マイアミ大DL陣 vs インディアナ大OL陣

この試合の勝敗を分ける焦点にはマイアミ大の強力なDL陣とインディアナ大の堅実なOL陣による「トレンチ(最前線)の攻防」も挙げられます。マイアミ大はPFFのランディフェンスランクで全米3位を誇り、ベイン・Jr.(80プレッシャー)やアキーム・メシドー(Akheem Mesidor、10.5サック)といった将来のNFL選手たちが、圧倒的なサイズとリーチを武器に相手を押し込みます。彼らの狙いは、今シーズン計47サックを記録した爆発的なパスラッシュでメンドーサを慌てさせてミスを強いることです。

これに対抗するインディアナ大学のOL陣は、サイズこそマイアミ大DL陣に劣るものの、堅実なテクニックと熟練の連携でそれを補っています。オールアメリカンのLTカーター・スミス(Carter Smith)とCパット・クーガン(Pat Coogan)を中心とするこのユニットは、PFFのランブロック部門で全米トップ10以内にランクされており、インサイドランで平均5.8ヤードを稼ぎ出す原動力となっています。特にローズボウル(アラバマ大戦)では、自分たちより大柄な相手を翻弄してユニット全員がゲームMVPに選ばれるほどの連帯感を見せました。彼らがマイアミの執拗なプレッシャーを食い止め、メンドーサにパスを投げる時間を与えられるかが、試合のテンポを支配する分水嶺となるでしょう。

試合後半に向けた「持続力」も決定的な要因となります。マイアミ大のDL陣は短時間の爆発力に長けていますが、インディアナ大のハイテンポな攻撃は、巨漢揃いのマイアミ大DL陣を疲弊させて後半にばててしまうというシチュエーションを生みかねません。マイアミ大が勝利するためには、インディアナ大OL陣の中では割と脆弱と言われる右サイドを突いて早期にサックを重ね、メンドーサを浮つかせる必要がありますが、メンドーサの素早いリリースと冷静な判断がそのプレッシャーを無力化する可能性も十分にあります。この「最強の矛と盾」が激突するチェスゲームを制したチームが試合の流れを引き寄せることになるかもしれません。

Xファクター

ターンオーバーバトル

この試合で勝敗の行方を左右する最大の「Xファクター」はターンオーバーバトルではないでしょうか?

インディアナ大は今シーズン全米1位となる+21のターンオーバーマージンを記録し、まさに「完璧なフットボール」を体現しています。QBメンドーサはシーズンを通してインターセプトをわずか6回に抑え、チーム全体でもファンブルによる失点はたった1回という驚異的なボールセキュリティーを誇ります。この隙のない攻撃に加え、守備陣はなんと29回のテイクアウェーから全米最多の134得点を生み出しており、相手のミスを確実に得点へと繋げる狙い撃ち的な強さを持っています。

対するマイアミ大が番狂わせを狙うには、このインディアナ大の揺るぎない隙の無さをなんとか掻き乱す必要があります。彼らの強力なパスラッシュ(今季全米1位の47サック)は、相手QBに大いなるプレッシャーをかけて焦らすことによってINTを誘発する力を持っています。しかし、マイアミ大のQBベックは今季11個のインターセプトを喫しており、特に敗戦した2試合(ルイビル大とサザンメソディスト大)では複数のミスを犯してしまっています。また、反則による罰退ヤードでは全米85位という、規律面での課題も抱えており、自滅を避けていかにボールを守り続けられるかが、インディアナ大に立ち向かうための最低限の防御壁となります。

結論として、この試合がミスのないクリーンな展開になれば、高い能率性とバランスに勝るインディアナ大が圧倒的に有利と見ます。スタッツによれば、マイアミ大がターンオーバーマージンで「-2」以下となった場合、ミスを逃さないインディアナ大の攻撃スタイルを考慮すると、マイアミ大の勝率はわずか5%にまで低下すると予測されています。

マイアミ大が番狂せとなる勝利のシナリオを現実のものにするには、試合序盤にディフェンスでターンオーバーを奪い、短いフィールドからの得点で試合の展開を一変させることが不可欠。このターンオーバーバトルを制したチームこそが、全米王者の称号を手にすることになるかもしれません。

試合展望

今回のCFP全米王座決定戦は、「圧倒的な安定感」を誇る第1シードのインディアナ大と、「圧倒的なタレント力と地の利」を持つ第10シードのマイアミ大による、ある意味対照的なアイデンティティを持つチーム同士の激突となります。インディアナ大は5つ星選手が一人もいないという異例の構成ながら、ハイズマン賞QBメンドーサを中心に、全米1位のターンオーバーマージンを記録するほどの驚異的な隙の無さと経験(先発選手の平均大学在籍年数4.4年)を武器にしています。一方、マイアミ大学は5つ星を含むエリート選手を多数擁し、本拠地ハードロックスタジアムという最高の舞台で、24年ぶりの王座奪還を狙います。

勝敗の鍵を握るのは、インディアナ大の精密なパス攻撃とマイアミの破壊的なパスラッシュによる「トレンチの攻防」です。ポストシーズンに入って不成功パスの回数よりも多くのTDを奪っているメンドーサに対し、マイアミ大は全米1位の47サックを誇る守備陣が容赦ないプレッシャーをかけメンドーサらのリズムを崩しにかかります。インディアナ大の優秀なOL陣がこの猛攻をしのぎ、メンドーサにディフェンスを読み切る時間を与えられるかどうかが、試合の行方を決定づける鍵となるでしょう。

最終的にこの選手権を制するのは、爆発力を持つマイアミ大か、それともブレない安定感を持つインディアナ大か、というところに集約されます。統計的には、ミスで自滅することがほぼ無いインディアナ大が有利と予測されていますが、地元の熱狂的な声援を受けるマイアミ大がターンオーバーを誘発し、試合を荒れさせることができれば、番狂わせの可能性も十分にあります。しかし前回のピーチボウルでも見られた通り、インディアナ大のファンはどこにでも現れてスタジアムをびっちりと埋め続けているため、どこまでマイアミ大がホームフィールドアドバンテージの恩恵を受けられるかは試合当日にならないとわかりません。

どちらのチームが勝利するにせよ、自分たちのアイデンティティーを最後まで貫き通し、最もミスの少なかったチームが今季のカレッジフットボール界の頂点に立つことになるでしょう。

インディアナ大がカレッジフットボール界でも稀に見る快進撃の末に歴史的なシーズンを初優勝で飾るか、もしくはマイアミ大が2001年以来初となる史上6度目のナショナルチャンピオンに輝くか・・・。固唾を飲んで見守りましょう。

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