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ジェームスマディソン大vsオレゴン大レビュー【2025年度CFPファーストラウンド】

ジェームスマディソン大vsオレゴン大レビュー【2025年度CFPファーストラウンド】

#5 オレゴン大 51、#12 ジェームスマディソン大 34

カレッジフットボールプレーオフ(CFP)のファーストラウンド最後の試合として行われた第4戦目は、第5シードのオレゴン大と第12シードのジェームスマディソン大(JMU)との対決。オレゴン大のホーム、オーツェンスタジアムで行われたこの試合は、彼らにとって初のホーム開催のプレーオフゲームとなり、またJMUにとっても歴史的なCFP初出場という、両校にとって記念すべき舞台となりました。

試合経過

試合は、オレゴン大の圧倒的な攻撃力で幕を開けます。

まずは第1Q開始からわずか2分足らずで、QBダンテ・モアー(Dante Moore)から放たれたパスをTEジャマリ・ジョンソン(Jamari Johnson)が片手でキャッチしてそのままエンドゾーンへ飛び込むという、41ヤードの素晴らしいTDプレーでオレゴン大が先制します。

さらにオレゴン大の攻撃は止まらず、なんと最初の5回のポゼッションをすべてでTDに結びつけるという荒技を披露。1年生RBディエール・ヒル・Jr.(Dierre Hill Jr.)の56ヤードのロングランTDが飛び出たと思えば、モアーからジェレマイア・マクレラン(Jeremiah McClellan)への20ヤードのパスTD、おまけにモアーからマリク・ベンソン(Malik Benson)への46ヤードのパスTDまで決まって前半だけでスコアが34対6とワンサイドに。オレゴン大が完全に主導権を握り、JMUとの埋められない差をプレーオフという檜舞台で全米中に晒したのでした。

後半に入ってもオレゴン大の勢いは止まりません。第3Q開始早々にJMUがこの日初のTDを奪って点差を21点差に戻しますが、オレゴン大もすぐさま反撃に転じ、ベンソンがこの日2つ目となるTDパスを記録して点差を再び広げると、今度はJMUのパントをブロックし、それをリカバーしたジェイデン・リマー(Jayden Limar)がリカバーしてTDを決め、リードを48対13まで広げます。

ただ、すでに大差をつけられたJMUでしたが、試合終盤には驚異的な粘りを見せました。QBアロンザ・バーネット・III(Alonza Barnett III)を中心に、後半だけで計28得点を挙げ、点差を縮めました。最終的にJMUは後半のスコアだけ見ると28対17でオレゴンを上回り、プレーオフ出場チームとしての意地を見せました。が、オレゴン大は試合中たったの1度もリードを奪われることなく、またその雰囲気すら感じさせることなくJMUを一蹴。CFP戦では2014年度以来の2勝目を挙げることに成功して駒を準々決勝戦へ進めました。

勝敗の要因

オレゴン大は20ヤード以上のビッグプレーを8回も記録し、そのうち4回をタッチダウンに結びつけるなどし、JMUとの力の差を見せつけました。特に個々のスピードの違いは一目瞭然。タレント力・ロースター力の差が如実に現れていました。

またエースQBモアーは、この日313ヤード、4つのパスTD、1つのランTDを記録し、プレーオフでの最多記録に並ぶ5つの得点に関与する活躍を見せました。ただ一方で2つパスINTを犯してしまったのが気がかりとなりましたが・・・。

一方JMUは試合前から圧倒的劣勢と言われ、試合が始まると個々のフィジカル・スピードの格差は明らかでそれが前半の大差につながりました。またゴール前まで攻め込みながらもペナルティで後退するなど、滅多に巡ってこないチャンスを確実に得点に結びつけられなかったことも響きました。

しかしながら、後半にかけてオレゴン大のディフェンスから28点も奪ったのはあっぱれ。それはバーネット・IIIのパス能力とスクランブル能力に依るところが大きく、敵地とやりずらい中で数字の上ではオレゴン大と対等にやり合ったことは今後の彼らの自信にはなると思います。

CategoryJMUオレゴン大
トータルヤード509514
ランヤード186201
パスヤード323313
プレー回数8453
1プレー平均ヤード数6.19.7
1stダウン2322
3rdダウン成功数9-223-7
反則(罰退ヤード数)13-1135-71
ターンオーバー02

影響

オレゴン大の攻撃陣は全米トップクラスの得点力を世に知らしめましたが、守備面では課題が残りました。JMUに許した509ヤードは今季ワーストであり、ダン・レニング(Dann Lanning)監督も後半のパフォーマンスを「自分たちの基準に達していない」と試合後に厳しく評価していました。準々決勝戦となるオレンジボウルで対戦するテキサス工科大を前に確実なテコ入れが必須事項です。

一方のJMU敗れはしたものの、格上・オレゴン大相手に今季最多の34得点を奪い一矢報いることができました。確かに力の差は目に見えてあり、「グループオブ5」チームのプレーオフ参加の是非を問う議論が沸き起こることになってはいますが、JMUとしては12勝を挙げたこの歴史的なシーズンは、プログラムの地位を大きく高めるものとなったことは間違いありません。

なんといってもJMUは元々NCAA3部のチームであり、2022年にFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン、1部の下位サブディビジョン)からFBS(フットボールボウルサブディビジョン)に昇格したばかりのチーム。昇格4年目にしてプレーオフに出場を果たしたわけですが、このチームの昇格に大きく貢献したのが現在インディアナ大でHCを務めるカート・シグネッティ(Curt Cignetti)監督。2024年にその跡を引き継いだボブ・チェスニー(Bob Chesney)監督体制2年目でのプレーオフ進出。そのチェスニー監督はUCLAの監督就任が決まっており、その後釜には今年途中までフロリダ大を率いていたビリー・ネイピアー(Billy Napier)監督の就任がすでに発表されました。

ネイピアー新体制での来期以降のJMUにも注目です。

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