'25

ランキング

順位表

プレシーズン

ボウルゲーム

予定/結果

順位表

NCAA、女子フラッグフットボールを推奨へ

NCAA、女子フラッグフットボールを推奨へ

2028年に開催されるロサンゼルス五輪にて正式競技として取り上げられたフラッグフットボール。現在このスポーツはまだまだニッチなスポーツではありますが、オリンピック競技となったことでNFLもフラッグフットボールを推していく動きも見られ、にわかに盛り上がりを見せ始めています。そんなフラッグフットボールですが、大学でも普及させていこうという動きがあり、大学スポーツを統括するNCAA(全米大学体育協会)は女子フラッグフットボールを大学が有することを推奨し始めています。

フラッグフットボールとは?

フラッグフットボールとはアメリカンフットボールから派生したスポーツで、アメリカンフットボールをタックルフットボールとするならば、フラッグフットボールはタックルしない基本的に接触を禁じるフットボールということになります。ディフェンス選手はタックルする代わりに相手の腰に装着されているフラッグを引っ張り抜くことでボールキャリアを止めるのです。

アメリカンフットボールではタックルが容認されているため、どうしても怪我のリスクは上がってしまいます。そこで考案されたのがフラッグフットボールだったわけです。人数も5人制から8人制まであり、オフェンスプレーヤーはブロックできないため、オフェンシブラインマンは存在しません。スナップするセンターこそ存在するとはいえ、ブロックは禁止なため、スナップ後は有資格レシーバーとなります。

そういったスタイルなため、フラッグフットボールはアメリカンフットボールで言う「セブン・オン・セブン」や「スケリー」に非常に似ていますが、フラッグではQBにプレッシャーをかけるラッシャーが存在します。

フィールドもかなり小さく(70ヤードx30ヤード)、ゴールライン前5ヤード以内のエリアは「ノーラン・ゾーン」に指定され、ここのエリアからの攻撃では絶対にパスをしなければならないと言うルールもあります。


Embed from Getty Images

1950年代から始まったと言われるフラッグフットボール

トラディショナルなフットボール、そこから派生したタッチフットボール(タックスする代わりにタッチして相手を止める)からさらに分岐して1950年代に生まれたと言われるのがフラッグフットボール。それ以来、より安全なバージョンのフットボールとしてレクリエーション目的や体育授業の一環としてアメリカでフラッグフットボールは普及していきました。またフィジカル面での強さがそこまで重要でないことから男女混合チームや女子チームも発展。

さらに2000年代に入ると国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)がフラッグフットボールを海外普及のために猛プッシュ。その結果2002年から男女フラッグフットボール世界選手権が開催されるまでに至りました。またNFLもフットボールの普及とフラッグフットボールの普及は切ってもきれない関係であると認識し、より安全なフットボールとして子供の競技人口増加に一役買っています。

カレッジでのフラッグフットボール

このようにフラッグフットボールが誰でも安全にプレーできるフットボールの一種として認知されるようになると、このスポーツがカレッジレベルでもちゃんとした部を持つスポーツとしての価値を再認識しようという動きが生まれます。

2020年にはNAIA(National Association of Intercollegiate Athletics)が女子フラッグフットボールを正式に競技スポーツとして承認。2025年7月現在で全米で21校のNAIA所属大学がフラッグフットボールをバーシティーチームとして保有しています。

NAIAとはNCAAと同じく大学スポーツを管理運営している非営利組織。所属しているのはNCAAに所属していない小さな大学。NCAAの弟分と言っていい団体。最近ではそのNAIA所属であるカンザスウェズリアン大にフラッグフットボール選手として磐田千紘選手が留学。日本代表女子フラッグフットボールチームのエースQBと言われる磐田選手もプレーしている戦場となります。

そしてそのNCAAでも女子フラッグフットボールを将来的にNCAAがスポンサーするスポーツの1つとして推奨することを発表したわけです。

NCAAによると、現在NCAAに所属している大学のなかでクラブチームとしてフラッグフットボールチームを保有しているのは65校にまで上るとしています。ロサンゼルス五輪の影響でフラッグフットボールをクラブレベルで立ち上げようと言う大学は今後も増えることが予想されます。

NCAAがスポンサーするスポーツに「格上げ」されるためには、バーシティーレベルでプレーできるフラッグフットボールチームが最低でも40チーム必要になります。2025年4月の時点ですでに16チームがその用意があると言っており、来年までにはさらに20校ほどがこの流れに乗るとされています。

現在のところ、フラッグフットボールと同じようにNCAAのスポンサーを受ける新しいスポーツに乗馬、ラグビー、トライアスロンなどが挙げられています。過去にはビーチバレーやボーリング、ウォーターポロなどがこのプロセスを踏んだ後に正式なNCAAスポーツに格上げされていますから、女子フラッグフットボールが正式なNCAA競技として認められれば、さらにフラッグフットボールの普及度合いは急速に上がっていくでしょう。

ただ、アメリカには男子と女子が平等に教育を受けられることを義務付ける「タイトルナイン(Title IX)と言う法律があり、これはスポーツ界でも適用されるため、男子スポーツと女子スポーツの数を平等にする必要があり、新しいスポーツが加えられる際には慎重に協議されることになります。

どちらにしても五輪競技として2028年に国際舞台で火花が散らされるフラッグフットボールがカレッジ、特にNCAAスポンサーのスポーツに認定される可能性は高まったと言えます。タックルフットボールとフラッグフットボールは似て非なるものではありますが、お互いの普及が相乗効果で今以上に盛り上がるといいですよね。そして将来的に日本人フラッグフットボーラーがアメリカのカレッジで活躍する、なんて世界も見てみたいものです。

この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリーをはてなブックマークに追加

ANY GIVEN 
SATURDAY

全米カレッジフットボールファンサイト