12月19日の土曜日には合計7つのカンファレンス優勝決定戦が行われますが、その中でもアトランティックコーストカンファレンス(ACC)、Big 12カンファレンス、Big Tenカンファレンス、サウスイースタンカンファレンス(SEC)、アメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)のタイトルゲームの結果はカレッジフットボールプレーオフ(CFP)に出場するチームを決定する上で非常に重要な試合となっています。
一方でそのシーズンに最も活躍した選手に贈られる「ハイズマントロフィー」のファイナリスト候補と言われる選手たちにとってはこの週末は投票者たちにアピールができる最後のチャンスとなります。投票の締切は12月21日、ファイナリストの発表は12月24日、そして授賞式は年が明けた1月5日にバーチャル形式で行われることになっています。
今週末どの試合が注目のマッチアップでCFP進出にはどの様なシナリオが待っているかという記事は先日ご紹介しましたが、ここでは現在までにハイズマントロフィー候補と目されている選手数人を簡単にご紹介します。彼らのパフォーマンスも気にしながらこのビッグサタデーを楽しむのもまた一興です。
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参考記事第16週目の見どころ【2020年度シーズン】
マック・ジョーンズ(アラバマ大QB)
パスヤード:3321yd(全米4位)
パスTD:27(全米5位タイ)
パスINT:3(全米27位タイ)
パス成功率:76.4%(全米2位)
QBレーティング:96.0(全米1位)
昨年までの2年間アラバマ大QBとして活躍したトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)はアラバマ大史上もっともダイナミックなQBとして活躍しハイズマントロフィーに最も近いアラバマ大出身QBとされましたが、彼もトロフィー獲得までにはいきませんでした。そのタガヴァイロアがプロへと去ったあとに先発の座を任されたのがマック・ジョーンズ(Mac Jones)ですが、開幕前はQBプレーの低下は否めないと思われていたところジョーンズはその周囲の予想を裏切る大活躍。タガヴァイロアに負けじと劣らないパフォーマンスでハイズマントロフィー候補選手の一人に数えられています。
先週まではフロリダ大のカイル・トラスク(後述)が最優秀候補とされていましたが、彼が先週のLSU戦で苦戦したためジョーンズのチャンスが広がったと言われています。今日のトラスクとの直接対決で驚きの数字を残せればアラバマ大QBとして初のトロフィー受賞も夢ではありません。
デヴォンテ・スミス(アラバマ大WR)
レシーブヤード:1327yd(全米1位)
レシーブTD:15(全米2位)
ヤード/ゲーム:132.7yd(全米2位)
上記のジョーンズのメインターゲットとして君臨し続けるデヴォンテ・スミス(Devonta Smith)は開幕時から全米トップレベルのWRとしての記録を重ね続けてきましたが、プレーメーカーとしての価値は他のどの選手よりも高いと言われる逸材。チームメートのジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle)が怪我で戦線を離脱してからは更にWR陣を牽引するパフォーマンスを見せ続け、相手バックフィールドの悪夢となり続けています。もしフロリダ大戦でとんでもない数字を残せば彼にもトロフィー獲得のチャンスが巡ってくるかもしれません。もし彼がトロフィーを手にすることになれば1991年のデスモンド・ハワード(Desomond Howard、元ミシガン大)氏以来のWRとしての受賞者になります。
カイル・トラスク(フロリダ大QB)
パスヤード:3717yd(全米1位)
パスTD:40(全米1位)
パスINT:5(全米60位タイ)
パス成功率:70.2%(全米8位)
QBレーティング:90.3(全米4位)
今季数字の上では全米トップのQBと目されるカイル・トラスク(Kyle Trask)は終盤にかけてハイズマントロフィーレースでの最有力候補に挙げられていました。しかし先週のルイジアナ州立大戦で思わず苦戦。2つのINTパスに1つのファンブルを犯すなどミスが頻発。474ヤードを投げきるというモンスター級の数字も残しましたが、何よりも負け越しているチームにホームで敗れるという失策を犯してしまいました。このせいでトロフィーレースはトラスクのものと思われていた状況が激変。彼が投票者たちの評価を取り戻すためには強敵アラバマ大ディフェンスから驚異的な数字を残して勝利することが必須となりそうです。もしそれを成し遂げることができれば彼のトロフィー獲得は当確と言えるでしょう。
トレヴァー・ローレンス(クレムソン大QB)
パスヤード:2431yd(全米14位)
パスTD:20(全米14位タイ)
パスINT:3(全米27位タイ)
パス成功率:69.2%(全米12位)
QBレーティング:85.1(全米9位)
開幕前から序盤にかけて圧倒的なトロフィー受賞最有力候補とされてきたトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)ですが、途中自身が新型コロナウイルスに感染してしまい、ボストンカレッジ戦およびノートルダム大戦の2試合に欠場を余儀なくされました。残念ながらそのことが彼をポールポジションから引きずり落とす事になってしまったのですが、依然として来年のNFLドラフトでは目玉選手であることは変わりありません。それに上に挙げた選手らが今日の試合で冴えず、ローレンスがノートルダム大ディフェンス相手に物凄い数字を残せれば巻き返しもあり得るかもしれません。
ジャスティン・フィールズ(オハイオ州立大QB)
パスヤード:1407yd(全米70位)
パスTD:15(全米3位タイ)
パスINT:3(全米27位タイ)
パス成功率:78.1%(全米1位)
QBレーティング:94.9(全米1位)
8週遅れで開幕したBig Tenカンファレンス所属のオハイオ州立大はここまで5試合しか消化しておらず、QBジャスティン・フィールズ(Justin Fields)のパフォーマンスに対するサンプルサイズは絶対的に足りません。しかしながら彼のパフォーマンスだけを見ればさすが昨年のハイズマントロフィーファイナリスだけある逸材であることは明らかです。ただインディアナ大戦で3つのINTパスを放るなど穴も露呈してしまい、出遅れたことも相まってトロフィーレースでは後ろから追う展開を強いられています。もしオハイオ州立大が10試合近く試合を行えていれば、フィールズへの評価はもっと上がっていたことでしょう。