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続・強すぎるのも困りもの・・・

続・強すぎるのも困りもの・・・

今回もまたNCAA3部チームの話です。

今シーズン開幕前にNCAA3部セントトーマス大があまりにも強すぎるため所属していたMIAC(ミネソタインターカレジエイトアスレティックカンファレンス)から脱退させられた話を紹介しましたがその続報です。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

セントトーマス大は2021年度からMIACを離脱することになっていましたが、その彼らに救いの手を伸ばしたカンファレンスが現れたのです。

それはNCAA1部サミットリーグ。かつてミッドコンチネントカンファレンスと呼ばれていたこのカンファレンスはアメリカ中西部に所在する大学の集まりです。

ただセントトーマス大がサミットリーグに加盟する上でハードルが無い訳ではありません。

まずは彼らが3部から2部をすっ飛ばして1部に飛び級するという事実。通常NCAAは3部チームなら2部を一度通ってから1部に昇格することを義務付けています。しかもこれまでの歴史を見てみるとディビジョンを代えるには相当の時間が必要とされてきたのです。だからたとえばセントトーマス大がサミットリーグに合流するためには一度何処か別の2部のカンファレンスに所属し、そこで何年も待った末にようやく1部に上がれるというわけです。

そしてもう一つはこのサミットリーグ、フットボール部を持っている大学がなんと一つもないのです。セントトーマス大には当然フットボール部以外のチームもおりそのチームたちには影響はありませんが、フットボール部が強すぎて3部のカンファレンスを追い出されたのに移籍先にフットボールリーグがなかったら元も子もありません。

これに関してはフットボル部だけ1部でもFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)のパイオニアリーグミズーリバレーカンファレンスに所属するという裏技を模索しているようです。

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さらに言うと資金の問題もあります。ディビジョンが3つに分けられているのは異なったレベルのチーム同士がある程度フェアに競技できるように差別化を図られていますが、それには間接的に大学自体の規模やどれだけ体育局にお金をかけられるかにも響いてきます。

現在サミットリーグに所属するサウスダコタ州立大の体育局の資金は410万ドル(1ドル100円計算で約4億1000万円)ですし、ノースダコタ州立大は560万ドル(約5億6000万円)と言われていますが、セントトーマス大のそれは110万ドル(約1億1000万円)とかなりの差があります。セントトーマス大がサミットリーグに加入するためには大学が体育局にさらなる投資を余儀なくされるというわけです。ちなみに今挙げた2校のフットボール部はミズーリバーレーカンファレンスに所属しています。

どちらにしてもこれまでにあまり例のない事例ですから彼らがサミットリーグに本当に合流できるのかはまだわかりませんが彼らの体育局長であるフィル・エステン氏は「我々のケースは稀ではありますが、議論の価値はあると思います」と実現に前向きです。

フットボール部だけに関して言えばセントトーマス大は現監督のグレン・カルーソ(Glenn Caruso)監督の下9年間で78勝10敗という素晴らしい成績を残しており、カンファレンスタイトルも9年間で6度も獲得しています。今年は7試合を終えて5勝2敗。首位を走るセントジョーンズ大(7勝0敗)に2ゲーム差を付けられておりしかも直接対決で負けてしまっているのでMIACタイトルを獲得するのは厳しい状況です。ディビジョン1部に昇格するからには「強すぎる」という称号を持ったままMIACを脱退していきたいものですね。

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