カレッジフットボールの大御所チームの試合をスタジアムで観戦しようとなればそのチケットはそれなりの額になります。さらに強豪チーム同士のゲームであればその額は急騰するのが当たり前です。一方その大学の学生達は普通のチケットよりもかなり安い額で学生用チケットを手にすることが出来ます。私もそのようなチケットでいくつも自分の通った大学チームの試合を見たものです。しかし、安いとはいえ通常タダということはありません。そこで来季クレムソン大は斬新なアイデアをぶち上げました。
これまで学生が購入出来るシーズンチケットはクレムソン大では225ドル（約2万3千円）ほどでしたが、来年これがただになると言うのです。
学生用のシートはローワーレベル（1階席）とアッパーレベル（2階席以上）に指定されていました。ローワーレベルは前述の通り225ドル支払わないと座れないシートだったのですが、アッパーデッキのシートは早い者勝ちで無料でした。しかし学生会はこのシステムだと学生内の経済的な状況により差が出てしまうとして、今回のような案を提案していたのです。つまりお金のある生徒達は良いシートに座れ、そうでない生徒達はスタジアムの高いところから試合を観戦せざるを得ないと言う訳です。
そこで全ての学生達が平等に試合を見れるように全ての学生チケットが無料になったと言う訳です。
しかし上手い話には訳があると昔から言いまして・・・。
チケットが無料なるおかげで、より多くの学生達が試合を見るチャンスを得ることになるのですが、大学側とてアホではありません。これまで一人225ドルだった収入が無くなるのですから、それをどこからかで取り返そうとする訳で。
どうやらそのしわ寄せは他の大学での諸費から捻出されるらしいのです。例えば、
- サウスカロライナ州在住の生徒は学期費が3.14パーセント増加（約218ドル）
- サウスカロライナ州外在住の生徒は4.27パーセント増加（約700ドル）（注：アメリカでは州外から来る学生の学費は州内の学費と比べると約3倍ほどになります）
- 食事プランは4パーセント増額
- 寮費は6パーセント増額
アメリカの大学は毎年様々な費用が値上がりしていくものですが、上記の増額分の一部がフットボールチケットの埋め合わせに使われるとすれば、全くフットボールに興味がない学生にしてみれば飛んだとばっちりでしかない訳です。まあこうなったらそういう生徒にはクレムソン大の試合を一度でも観戦しててもらいたいものですが。
とはいえ、学生にとってはチケット費や学費などは親が払ってくれるのでしょうから対した痛手にもならないのでしょうが（苦笑）。
