アーバン大のレジェンドRBが凱旋
オフェンスの地上戦において大きな役割を担うのが言わずもがなRBです。パスオフェンスのほうが比較的楽にたくさんのヤードを稼げますが、WRがパスを落とす可能性を考えればRBを軸とするランオフェンスはOL陣の出来次第で短くても確実に距離を稼げる手法ですし、パスオフェンスを成功させる布石や陽動のためにも欠かせない戦術です。
ただRBは相手ディフェンスを真っ向から相手にしなければなりませんから、体力を消耗するポジションともいえます。ですからスター選手が一人いたとしてもその選手が怪我で戦線を離脱すればたちまち戦力低下につながりかねないという不安要素があるにはあります。
そんな時重宝するのがスター級のRBが1人だけではなく2人いるという状況です。そんな状況はそう簡単には揃いませんが、先発を担えるほどのRBが2人もいればまさに鬼に金棒。相手にとっては大変な脅威になります。しかもその2人が違うタイプのRBだったりすればなおさらです。
そんな強力なRBデュオを擁した選手が過去に何チームか存在します。最近で言えば2017年度のジョージア大のニック・チャブ(Nick Chubb、現クリーブランドブラウンズ)とソニー・ミシェル(Sony Michel、現ニューイングランドペイトリオッツ)が記憶に新しいですが、その他にもサザンカリフォルニア大のレジー・ブッシュ(Reggie Bush)とレンデール・ホワイト(LenDale White)や、アーカンソー大のフェリックス・ジョーンズ(Felix Jones)とダレン・マクファデン(Darren McFadden)を思い浮かべます。
そんな中で筆者が強烈に覚えているのは2002年から2004年までアーバン大でツートップを組んでいたカーネル・「キャデラック」・ウィリアムス(Carnell “Cadillac” Williams)氏とロニー・ブラウン(Ronnie Brown)氏のコンビです。
アーバン大時代のウィリアムス氏
ウィリアムス氏は大学トータル3831ヤードに45TD、ブラウン氏は2707ヤードに28TDと大暴れし、2004年にはチームの13勝無敗に大きく貢献。そして二人共2005年のNFLドラフトではトップ5に選ばれる(ブラウン氏は総合2位でマイアミドルフィンズ、ウィリアムス氏は総合5位でタンパベイバッカニアーズへ)という超逸材でした。
NFLで7年間プロ生活を過ごしたウィリアムス氏は2011年に現役を引退。そして2016年からはNCAA2部のウエストジョージア大で学生コーチとして指導者の道に足を踏み入れ、そして今年から母校アーバン大のRBコーチに就任することが明らかになりました。
アーバン大のレジェンドであるボ・ジャクソン(Bo Jackson)氏に次ぐ偉大なるRBと評価されているウィリアムス氏。彼がこれまで蓄積してきた知識と技術を後輩たちに伝授するとなれば、在校生たちにとって見ればまたとないお手本がやってきたことになります。彼らのライバルであるアラバマ大もまた毎年素晴らしいRB陣を輩出し続けていることで知られていますから、ウィリアムス氏の加入はアーバン大にとって憎きアラバマ大を倒すための強力な後押しとなることでしょう。
SECの2018年度の莫大な収入額
現在14チームで構成されている強豪リーグであるサウスイースタンカンファレンス(SEC)ですが、彼らが捻出する収入もまたメガトン級です。昨年度だけのSECの収入が約6億2700万ドル(1ドル100円計算で約627億円)あったらしく、単純計算すればこれを14チームで山分けするとなると1チームにつき約4300万ドル(約43億円)が支払われることになります。
フットボールだけで大変な金額を手に入れることができますから、各大学がこのスポーツに肩入れする理由も分かりますが、一方で昨年度はこの14チームの中で1チームだけこの額よりも少ない取り分だったチームが居ます。ミシシッピ大です。
というのもミシシッピ大はNCAAの制裁をくらい、その結果総額が他チームと比べると700万ドル(約7億円)も少なかったそうです。
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その大きな理由はミシシッピ大が制裁の一部としてシーズン後のボウルゲームに出場できなかったから。このせいでSECチームを送り込んだボウルゲームからリーグに還元される取り分をミシシッピ大は受け取ることができなかったのです。
とはいえミシシッピ大はSECから約3500万ドルを受け取ったことになり、この額はアトランティックコーストカンファレンス(ACC)、Pac-12カンファレンスのどのチームよりもリーグから受け取った額において上をいくのですが。