2019年オフシーズンニュースまとめ【その1】

カレッジフットボール界はは現在「春季トレーニング」シーズンの真っ只中。それに伴い来シーズンに向けて各チームがどのようなチームづくりをしているかに多少の注目が集まりますが、メディアの露出度はシーズン中のものに比べれば大変静かなものです。

そんななかこのサイトの更新頻度も落ちてしまっていますが(汗)、カレッジフットボールのニュースがまったくないわけではありません。そこでここから何回かに分けてオフシーズン中に起きたニュースを掻い摘んで紹介していきたいと思います。

転校を決めた選手たち

「NCAAトランスファーポータル」という言葉が今年から多く聞かれるようになりました。これは現役選手が転校したい場合に登録するポータルで、これに名前を連ねると他校のコーチたちが選手とコンタクトを取ることを許されるのです。登録したからと言って転校しなければいけないわけではなく、転校を考えている選手にどのような選択肢が存在するのかを模索するためのシステムなのです。

正直このトランスファーポータルがいつから存在したのかはよく分かりませんが、確実に今年この言葉がバズワードになりました。そしてポータルに登録した選手の多くが新天地へと旅立っていったのです。

ここではそのような経過で転校していった主な選手たちを紹介します。

デオンドレ・フランシス(Deondre Francois、フロリダ州立大QB)

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過去2年間(そのうち初年度の2017年は開幕戦のアラバマ大戦で怪我を負傷してシーズンを棒に振りましたが)フロリダ州立大の先発QBを務めたフランシス。しかしシーズン後に元彼女にはたらいたDVが発覚してチームから退部させられてしまいました。その後フランシスはトランスファーポータルに登録。現在転校先はまだ明らかになっていません。

アレックス・ホーニブルック(Alex Hornibrook、ウィスコンシン大QB)

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1年生から3年間ウィスコンシン大の先発QBを任されてきたホーニブルック。決してエリートQBに数えられるわけではありませんが、それでもウィスコンシン大での経験値は他の誰よりも豊富な選手でした。そんな彼もカレッジ最後のプレー資格を他校で使用するためにトランスファーを決意。別に先発の座が脅かされているわけでもなかったので彼のこの決断は驚きを持って伝えられましたが、彼の新天地は上に挙げたフロリダ州立大に。フランシスが居なくなり先発QBが喉から手が出るほど欲しいフロリダ州立大と、ウィスコンシン大に負けじと劣らないビッグプログラムでプレーしたいホーニブルックの利害が一致したのでしょう。

シェーン・ビューシェル(Shane Buechele、テキサス大QB)

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名門テキサス大で19試合に出場した経験をもつビューシェルも試合機会を求めてトランスファーポータルに登録した選手です。2016年にテキサス大で72年ぶりとなる1年生先発QBに起用されたビューシェルでしたが、2017年には肩の怪我で戦線離脱。その間にサム・エリンガー(Sam Ehlinger)が先発の座を奪い、ビューシェルの居場所はなくなっていました。そしてトランスファーを決意した彼は同じテキサス州内にあるサザンメソディスト大へ移ることになりました。2018年は2試合しか出場していないため、新レッドシャツルールにより昨年度のプレー資格はカウントされず、SMUではあと2年間のプレー資格が残されています。

その他にトランスファーポータルに登録した主な選手たち

ジョシュ・ジャクソン(Josh Jackson、バージニア工科大QB)、ベン・ヒックス(Ben Hicks、SMU→アーカンソー大QB)、ジュワン・ジョンソン(Juwan Johnson、ペンシルバニア州立大WR)、オーブリー・ソロモン(ミシガン大→テネシー大DT)、ブルー・マッコイ(Bru McCoy、USC→テキサス大WR)、ブッバ・ボールデン(Bubba Bolden、USC→マイアミ大S)、ザック・アバクランビア(Zach Abercrumbia、ライス大)

すでにこのサイトで紹介済みの転校生たち

ジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts、アラバマ大→オクラホマ大QB)、ジャスティン・フィールズ(Justin Fields、ジョージア大→オハイオ州立大QB)、テイト・マーテル(Tate Martell、オハイオ州立大→マイアミ大QB


巨額のファイトマネー

昨年度の全米覇者・クレムソン大と一昨年前の準優勝チーム・ジョージア大はお互いのキャンパスが比較的近い(約70マイル/112km)こともあり、ライバル関係に数えられてきました。戦前戦後は毎年のように対戦してきましたが、カレッジフットボール界の情勢が変わるにつれて対戦頻度は激減。1995年以降は4度しか相まみえていません。

しかし2024年にはジョージア州アトランタ市で行われる開幕戦で10年ぶりに対戦することが決定していますし、ちょっと先の話になりますが2029年と30年にはホーム&ホーム形式での2連戦も組まれています。

2024年の対戦は米ファーストフードチェーン大手のチック・フィラ(Chick-fil-A)がスポンサーとなる「チック・フィラ・キックオフゲーム」と名付けられ、アトランタ市にあるメルセデスベンツスタジアムで大々的に行われる予定ですが、興行の意味合いも強いこのマッチアップでは両チームの懐も温まることになっています。その額は500万ドル(1ドル100円で約5億円)、もしくはチケットの総売上の80%(多い方のどちらか)と言われています。両チームがアトランタ市に近いというロケーションからみて両チームのファンがチケット争奪戦を繰り広げるでしょうし、マッチアップ的にも魅力的ですからこのキックオフゲームは成功すること請け合いですね。


USCの新オフェンシブコーディネーター

昨シーズン5勝7敗と惨敗した西海岸の雄・サザンカリフォルニア大ですが、同校のクレイ・ヘルトン(Clay Helton)監督はそのテコ入れとしてオフェンシブコーディネーターのティー・マーティン(Tee Martin)氏を解雇し、その後釜として昨年度テキサス工科大の監督職を辞したクリフ・キングスバリー(Kliff Kingsbury)氏を起用していました。

【関連記事】元テキサス工科大HCキングスバリー氏がUSCのOCに就任

テキサス工科大では思ったような成績を残せませんでしたが、キングスバリー氏のオフェンスコーチとしての頭脳は随一であり、そんな逸材をリクルートできたことはUSCにとって将来明るいニュースとなっていたのでした。

しかしそれもつかの間、キングスバリー氏がOCに就任して間もなくNFLアリゾナカーディナルズがキングスバリー氏に監督のポジションをオファー。当然こんなチャンスをキングスバリー氏が逃すはずがなく、彼はUSCで1度もコーチすることなく去ってしまったのです。

【関連記事】USCの新OCキングスバリー氏がNFL入り

ショックを受けたのは当然USCです。キングスバリー氏の指導のもの、名門がダイナミックなオフェンス力を持って再び西海岸から立つと選手や関係者並びにファンたちはエキサイトしていたことでしょうから、そんな同氏が去ってしまったことは彼らの大きなため息を誘ったのです。

しかしヘルトン監督はいつまでも頭を垂れてばかり入られませんから、キングスバリー氏の後任を早急に探さなければなりませんでした。そして白羽の矢を立てたのがグラハム・ハレル(Graham Harrell)氏です。

33歳と若いハレル氏は39歳のキングスバリー氏と同じテキサス工科大出身。ふたりとも師匠とも言える現ワシントン州立大マイク・リーチ(Mike Leach)監督に教えを請った元QBであり、同じオフェンスDNAを持つ人物ともいえます。

昨年まで3年間ノーステキサス大のOCを務めていたハレル氏。その前はその支障であるリーチ監督がいるワシントン州立大でWRコーチを務めた過去も持っています。

ハレル氏を選手として個人的に覚えているのは2008年のテキサス大との試合です。この試合では全米7位のテキサス工科大が同1位のテキサス大をホームに迎えての対決となりました。点の取り合いとなったこの試合、33対32でテキサス大リードとなった最終局面、攻めるテキサス工科大は残り時間8秒を残しテキサス大陣内28ヤード地点まで攻め込みます。そしてQBハレルのパスがスターWRマイケル・クラブトリー(Michael Crabtree、元サンフランシスコ49ers、現在FA)へ決まりクラブトリーがエンドゾーンへ飛び込んで1秒を残して39対33と大逆転。そのままテキサス工科大が逃げ切って全米1位チームに土をつけたのです。

TD後のテキサス大QBコルト・マッコイの表情が印象的です。

その時のQBであるハレル氏が33歳の若さで名門USCの再建を任されることになります。キングスバリー氏の二番煎じ的な感は否めませんが、果たして彼はこのチャンスをものにすることが出来るでしょうか。

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