近年NFLドラフト候補選手が怪我を回避する目的でレギュラーシーズン後のボウルゲーム出場を見送るケースが目立っています。今年も多くの目玉選手たちがカレッジキャリア最後となるボウルゲームをスキップするという残念な状況に陥っていましたが、その中のひとりにPac-12カンファレンス所属のスタンフォード大RBブライス・ラブ(Bryce Love)がいました。
スタンフォード大はシーズン後にサンボウル出場が決まり、ACC(アトランティックコーストカンファレンス)所属のピッツバーグ大と対決することになっていましたが、ラブは公式に「NFLドラフトの準備のためにサンボウルを欠場する」と表明していました。
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個人的には「あー、彼もまたそういった残念な選手の中のひとりなのかー」と思っていましたが、時が過ぎラブが欠場しなければならなかった本当の理由が明らかになりました。
それはスタンフォード大のシーズン最終戦となったカリフォルニア大戦でラブが負っていた膝の怪我が予想以上に重症であったためです。というのも彼の怪我は手術を要する「前十字靭帯断裂(ACL)」の怪我を負っていたことがわかりました。
USC戦で激走するラブ
2015年と2016年に現カロライナパンサーズのクリスチャン・マカフリー(Christian McCaffrey)のバックアップを務めたラブは2017年に晴れて先発の座を掴むとそのシーズンに大躍進。全米2位となる2118ランヤードを稼いで一気に全米のスターダムに躍り出ると最優秀RB賞であるドーク・ウォーカー賞を獲得。そしてその年のハイズマントロフィーレースで2位(受賞者は現クリーブランドブラウンズで元オクラホマ大QBのベーカー・メイフィールド)。その名を全米中に知らしめることになりました。
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ただラブは怪我にも大いに悩まされた選手でもあり、2017年度もこれだけの数字を叩き出しながら足首の怪我で1試合欠場したこともありました。また昨年度も脳震とう(Concussion)、そして古傷の足首の怪我と戦いながら満身創痍の中でプレー。カレッジキャリア最後のシーズンは不完全燃焼で終わっていました。
そこに来てこの膝の怪我。ポテンシャルの高い選手なだけあってこの怪我は将来的に見て非常に不安要素を抱えることになります。執刀医が著名のジェームス・アンドリュー(James Andrews)医師ということだそうですが、誰が執刀していたとしても回復までには最低半年はかかるとされていますから、当然今月に行われるNFLドラフト候補の見本市「NFLスカウティングコンバイン」には参加できなそうです。
もっともACL断裂した選手でNFLでも活躍している選手は山ほどいますから、これが彼のキャリアにとって致命傷であるとはいえませんが、少なくともドラフト時の順位が大きく下がることは否めません。2017年時の彼の活躍は目覚ましいものがありましたから、なんとか完全復活してプロの世界でも活躍してほしいものです。